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「偽りの食欲」対策で、カラダも気分もスッキリと!(その4)

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

『「偽りの食欲」対策で、カラダも気分もスッキリと!』というタイトルで、エモーショナル・イーティングについてシリーズでお届きしてきましたが、4日目の本日が最終回となります。最終回の今日は、エモーショナル・イーティングを引き起こすネガティブな感情の具体的なマネージメント方法についてお話ししていこうと思います。

「偽りの食欲」の背景には、満たされないネガティブな感情が存在しています。ですから「食べること」以外の行為で、その満たされないネガティブな感情をマネージメントしていくための「代替行動」が必要になります(実はこれもコーピングの一種。コーピングについては下記の関連記事をご参考ください)。

☆ 気分の落ち込みや孤独感を感じているときには…
自分のことをよく理解してくれ、安心感を与えてくれる人と話してみる(電話やLINEなどでもOK)、ペットと遊ぶ、自分の好きな写真を見たりして楽しいときを思い出してみてください。

☆ 不安や怒りを感じているときには…
不安や怒りを感じているときはエネルギーが内にこもりがち。なので、そのエネルギーを外に出す工夫をしてみましょう。好きな曲に合わせて踊ったり、歌ったりする。散歩やジョギングをしてみる。新聞紙をビリビリ破いてみる(←誰にも迷惑をかけないという意味で、個人的にはオススメ!)などの代替行動が役に立ちます。

☆ 疲弊しているときには…
とにかくカラダをリラックスさせる工夫が必要です。ハーブティーを飲む(カモミールティーやミントティーが私のオススメ!)、お風呂に入る、部屋の中の電気を消してキャンドルを灯してみる、アロマオイルをコットンに一滴垂らしてその香りを嗅いでみる、フワフワの肌触りの良いブランケットに身を包んでみる…と良いかもしれません。

☆ やることがないときには…
このご時世、やることは必ずあるはずです!些細なこと(←これがポイント!)で構いません。ゆっくりと周りを見渡してみましょう。読書も良いですし、DVDを観るのでもOKです。外に出て、ご近所探検をするのもいいかもしれませんね(私も時々しますが、毎回新しい発見があって楽しいです)。こういうときにトイレ掃除なんかをすると、「あぁ、食べちゃった…」という罪悪感からも解放される上に、トイレが綺麗になって気持ち良いので一石二鳥です。

これらの代替行動を可能にするためには、まず自分自身のネガティブな感情について把握していなければなりません。しかし、エモーショナル・イーティングは、自動的に、かつ無意識のうちに、始まっていることが多いもの。ですから、まず代替行動の前にしていただきたい大切なことがひとつあります。

それは、自分自身に対する「待て!」

「えっ!? 犬にする『待て!』ですか?」という声が聞こえてくるようですが、はい、その通りです。アイスクリームが入っている冷蔵庫やポテチの袋に手が伸びている…なあんてときは、いつもは犬に対してする「待て」をご自身にしてみてください。5分間できればイイですね。でも、それが長いと感じるようであれば1分からスタートしてみてください。そして、待っている間に「今、どんな気持ちなんだろう?」「どんな感情が湧いてきているのだろう?」などと、ご自身と対話してみてほしいのです。

ここでのポイントは「待て」は文字通り「待て」であって、「食べるな!」という禁止の意味ではないということ。結果的に「食べる」ことになったとしても、待っている間に自分を振り返ったことで「どうして自分は食べたのか?」という自己理解が促されます。そして、その理解が次の機会に少しずつ生かされる。それで十分なのです。

また、以前からお話ししていることですが、私たちは往々にしてネガティブな感情と付き合うことが苦手です。多くの人は、ネガティブな感情に触れることは、パンドラの箱を開けてしまうことのように捉えています。こころの箱を開けてしまうことで次々と溢れ出してくるネガティブな感情。そして、それらの感情に対して自制が効かなくなり、自分はどうにかなってしまうのではないだろうかという潜在的な不安。こころの箱にはネガティブな感情が詰め込まれる一方なので、気づけば箱は壊れる寸前のパンパン状態…ということは、よくある話です。

逆説的に聞こえるかも知れませんが、自分のこころにあるネガティブなものも含めた”感情”にしっかりと触れることができるようになると、自分もしっかりと自制することができるようになります。エモーショナル・イーティングを断ち切るということは、食べ物に対する自制心をきかせることができるようになるということ。つまり、エモーショナル・イーティングの悪循環から抜け出すには、ネガティブな感情に触れるということが必要不可欠なのです。

でも、「ひとりでパンドラの箱を開けるのは怖いわ…」と思っている方も多いことでしょう。それもごもっともなお話だと思います。そんなときには、私に是非ともお供をさせてください。感情に触れることのみならず、丁寧にヒアリングをさせていただいた上で状況等を詳細に分析し、それぞれの方に適したオーダーメイドのステップ バイ ステップの認知行動療法をベースにしたアプローチをご提案させていただきます。

数多くの災厄が出てきたパンドラの箱から最後に出てきたものは「希望」でした。自分のこころの中にあるネガティブな感情に触れることが、「偽りの食欲」対策の一番の鍵。カラダも気分もスッキリできる「希望」を探す旅、私とご一緒しませんか?

関連記事: 『「偽りの食欲」対策で、カラダも気分もスッキリと!(その1)』
      『「偽りの食欲」対策で、カラダも気分もスッキリと!(その2)』
      『「偽りの食欲」対策で、カラダも気分もスッキリと!(その3)』
      『キラーストレスの負けないための「コーピング」とは?』
      『私の中のジャイアン』

参考図書: 「認知療法で二度と太らない心と体をつくる: ベック式ダイエット練習帳」
      (自分でとりあえず試してみたいという方には、こちらの本が参考になるかもしれません。
       著者のジュディス・ベック博士は認知行動療法の第一人者です。)

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臨床心理士  向 裕加

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