カウンセリングオフィスProgress

English Page

カウンセラーブログ

トップページ > カウンセラーブログ > 心理学的観点から紐とくストレスの仕組み

心理学的観点から紐とくストレスの仕組み

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

おとといから2日続けて「ストレス」についての情報をお届けしています。昨日は「ストレス」の基礎的なメカニズムについてお伝えしました。本日はそれを踏まえた上で、心理学的な観点からストレスの仕組みを紐といていきたいと思います。

ストレスを発生させる原因や環境である「ストレッサー」によって私たちの「ストレス反応」は引き起こされますよ〜…というのが前回のブログのメイントピックでしたね。でも、ちょっと考えてみてください。なぜ、同じストレッサーがあるにもかかわらず、それが「ストレスになる人」と「ストレスにならない人」がいるのでしょうか?

前回のブログと同じ例で考えてみましょう。

「あの口うるさい上司、本当にストレス!」

口うるさい上司に対して「むかつく」という感情を抱く人もいれば、「別になんとも思わない」とスルーできる人もいますよね。この違いを解明したのが、アメリカの心理学者ラザルスでした。

私たちはストレッサーに直面したとき、そのストレッサーから自分を守るために、瞬時にそのストレッサーが自分にとって脅威になりうるものなのか否かを判断します。このようにストレッサーをどのように認知するかを「一次評価(primary appraisal)」と呼んでいます。ここで「これは自分にとっては脅威ではない」と認知(判断)されれば、ストレスは生じません。しかし、ここで「これは自分にとって脅威(有害)だ」と認知されたからといって、直ぐにストレス反応が生じるかというと、実はそうではありません。「二次評価(secondary appraisal)」という次のステップへと移行します。

二次評価」は、自分にとって脅威だと判断されたストレッサーに対して「効果的な対処方法を知っているか?」「その方法を実行することは可能か?」「対処方法の選択肢にはどのようなものがあるか?」ということを基準に評価されます。つまり、脅威的なストレッサーだと認知されたとしても、対処方法(コーピング)があり、それを実行することができれば、ストレス反応を緩和することや解消することが可能となります。しかし、この段階で「対処不可能」と認知されると、ストレス反応が生じます。つまり、ラザルスは「認知的評価(ストレッサーが有害と捉えるかそうでないか)」と「対処(適切な対処ができるかどうか」の2つのステップの結果によって、心理的ストレス反応が決まるとしたのです。

「一次評価」の段階では、その人の今までの価値観や物事の捉え方が色濃く影響します。また、「二次評価」の段階でも、人によって対処方法(コーピング)のレパートリーの幅やその選択傾向に大きな違いがあります。これらの違いが、ストレス反応の個人差につながっているんですよね。言わずもがなですが、価値観や物事の捉え方に柔軟性があって、コーピングレパートリーの幅の広い人の方が、ストレスと上手に付き合うことができ、ストレス耐性が高くなります

生きている限り、誰にでもストレスはあるものです。しかし、ストレスにやられっぱなしだと、身もこころも良くない状態が続きます。しかし、自分自身のストレスのありようを具体的に理解し、自分の身体やこころに生じる様々なストレス反応に対処することができれば、ストレスにやられっぱなしの人生を手放すことも夢ではありません。むしろ、そのような対処の経験の積み重ねは、あなたの心身の健康度を高めるでしょう。

ストレスと上手に付き合うことができる「しなやかなこころ」を育むための第一歩は、自分のストレスのありようを理解し、対処する力を身につけること。カウンセリングオフィス プログレスが、あなたの「しなやかなこころ」の育成をお手伝いします。

関連記事:ストレスを正しく理解してますか? 
     意外と知られていないストレスの仕組み

お問合せ
ご予約

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

English Page


lgbt Ally
lgbt Ally

カウンセリングオフィスprogress

〒060-0042
札幌市中央区大通西1丁目14-2 桂和大通ビル50 9F