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ストレスを正しく理解してますか?

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

「ストレス」という言葉を使う日がないと言っても良いくらい、「ストレス」という言葉は私たちの日常生活に定着している昨今ですが、みなさんは自信を持って「ストレスを正しく理解することができている」と言えますか?

「ストレス(stress)」という言葉は、意外かも知れませんが、もともとは物理学の用語です。外から物体に力が加わったとき、物体に生じる「ひずみ」や「歪み」が生じた状態のことを指します。イメージとしては、ゴムボールを指で押したとき、ボールは綺麗な球体を維持することができませんよね?それが「ストレス」状態です。

それを「ストレス学の父」と呼ばれるハンス・セリエというカナダの生理学者が、心身に「歪み」が生じた状態を表す言葉として使い始めたことが、「ストレス」という言葉が今日のように使われるようになったはじまりと言われています。

さて、ここでみなさんに質問です。以下のストレスに関する質問項目で、「正しい」ものはどれでしょうか?

  1. ストレスは心身に悪いものなので、消去しなければならない。
  2. 都会と田舎では、田舎の方がのんびりしているので、田舎に暮らしている人の方がストレスが少ない。
  3. ストレスに弱いのは、メンタルが弱いからだ。
  4. ストレスの効果的な解消方法は、カラオケで歌ったり、お酒を飲んだりして発散させる方法だ。
  5. うつ病の原因はストレスだ。

みなさんの答えは、どんな感じでしょうか?「正しい」と思ったものは、いくつありましたか?

正解は…というと、これらの5つの質問はすべて「間違い」。普段からよく使う言葉ではありますが、案外、私たちは「ストレス」のことをよく知らないものなのです。

ストレスは、全て悪いものばかりではありません。ストレス学の父、セリエの言葉にもあるように「ストレスは人生のスパイス」です。私たちは「ストレスフリー」な生活を望んでいますが、ストレスが全くない生活は心身の退化を招きます。また、完全なる「ストレスフリー」な生活を送ることは、昔も今も、そして未来においても不可能です。

ですから、私たちは「ストレス」とうまく付き合っていく必要があるのです。適度なストレスは、私たちの健康と生産性を向上させるために不可欠なものなので、いかに「適度なストレス」状態を維持するかを考えていくことが、心身共に健やかな日々を送るための秘訣でもあるのです。

しかし、ストレスがネガティブな感情を引き起こすことも事実であり、それが続くことによって、心身の疾患がもたらされる危険性があるのも、また事実です。これらの危険性を回避するために、私たちには何ができるのでしょうか?

先ずは、ストレスのことをよく知ることです。ストレスがどのように発生するのか(メカニズム)を知り、”悪い影響”を及ぼすストレスは何であるかを判別しなければなりません。そして、ストレスを上手にコントロールしていくと同時に、ストレスに耐える力(ストレス耐性)や対処法(コーピング)を身につけることが重要です。敵の正体を熟知して、その上で戦略を練り、それを実行していく…というイメージしていただけると良いでしょう。

毎日のように使う「ストレス」という言葉ですが、案外知らないことが多いものです。ストレス対策の第一歩は「よく知る」ことから。今日は、「ストレスとは、そもそも何ぞや?」ということについてお伝えしていきましたが、次回は、そのストレス発生のメカニズムについてお伝えしたいと思います。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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