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意外と知られていないストレスの仕組み

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

日中は比較的暖かな1日だった昨日でしたが、夕方になってグッと冷え込みましたね!雪もチラついていたぐらいの寒さだったので、暖かい建物の中から外に出るときに体をこわばらせていたせいか、今日は身体に筋肉痛のときに味わうような重だるさがあります。

前回に引き続き、今日も「ストレス」のお話をさせていただくのですが、↑の「寒さ」も実はストレスを引き起こす原因だと知っていましたか?そして、こわばった身体というのが「ストレス反応」。前回のブログで【完全なる「ストレスフリー」な生活を送ることは、昔も今も、そして未来においても不可能】とお話しましたが、この例からもわかるように「ストレス」というものは私たちの生活から切り離せないものなのです。

「あの口うるさい上司、本当にストレス!」

これ、サラリーマンあるある、ですよね。普段の生活の中で「ストレス」という言葉をこのように使うのは全く問題ないのですが、正確に言うと、この言葉の使い方は間違っています。

ストレスを発生させる原因や環境は「ストレッサー(stressor)」と、そして、そのストレッサーによって引き起こされる生物的、心理的、社会的反応は、ストレス反応(stress reaction)と呼ばれています。ですから、上記の場合ですと、口うるさい上司が「ストレッサー」であり、そんな上司によって引き起こされたイライラや怒り、嫌悪などのネガティブな感情が「ストレス反応」になります。つまり、正しくは「あの口うるさい上司、本当にストレッサー!」なんですよね〜。特に、日常生活でストレス関連用語を正しく使いこなせなくてもOKなのですが、このストレッサーとストレス反応の関連性は、みなさんにも是非正しく理解していただきたいポイントです!

ストレスを発生させる原因と考えられる「ストレッサー」には、以下のようなものがあります。

物理的/化学的/身体的ストレッサー:
気温、労働環境/時間、人混み、喫煙、飲酒、騒音、薬物、甘さ、辛さ、病気、睡眠不足、運動など
心理的ストレッサー:
悲しみ、怒り、恐怖、不安、焦りなど
社会的/人間関係的ストレッサー:
解雇、昇進、降格、転職、異動、退職、評価、人間関係のトラブル、恋愛、結婚、離婚など
変化:
安定から不安定(経済状況の変化)、安心から不安(感情の変化)、暑さから寒さ(気温の変化)など

ご覧の通り、必ずしもストレスを引き起こす原因は悪いものばかりではないのです。一般的に喜ばしいと思われるような結婚や昇進なども、人と場合によってはストレスをもたらすのです。

さて、ここで、改めてストレッサーとストレス反応の関連性をみていただきたいと思います。

冒頭で、私が「昨日の寒さで身体がこわばった」とお伝えしたかと思いますが、この例では「寒さ」が「ストレッサー」、「こわばった身体」が「ストレス反応」となります。この例からもわかるように「ストレス反応」とは、ストレッサーに対する「防御反応」であり、変化に適応していくために必要不可欠とされる重要なメカニズムなのです。そういう意味でも、私たちと「ストレス」は切っても切れない関係にあるのです。

ストレス学の父セリエは生理学者であったため、医学的/生理学的な見地からストレス全般のメカニズムに焦点が当てられていましたが、ラザルスというアメリカ人の心理学者は、このストレスのメカニズムを心理学的な観点からアプローチした学説を唱えました。現在では、「ストレス」=「こころへの負荷」であるという認識が日本では一般的ですが、そのルーツはここにあります。

次回は、心理学的な観点からアプローチした「ストレス」のメカニズムに焦点を当てていきたいと思います。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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