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自分の内側に目を向けること

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

去年の11月に京都で開催されたマインドフル・セルフコンパッションの5日間の合宿の仲間のひとりが、今朝、面白い記事をFacebookにアップしてくれていました。どんな内容だったかというと、国連の【Academic Impact】というプログラムの一環として、「Unlocking your Emotions to Achieve the SDGs(持続可能な開発目標を達成するために感情を解き放とう)」というカンファレンスが先週の金曜日に開催されたとのこと。そして、それに関連した内容の記事が、シリーズで国連の【Academic Impact】のHPに掲載されていました。

その中の記事のひとつが「Mindfulness & Education」で、世界中の学校でマインドフルネスを取り入れるために、先生たちにトレーニングを実施しているという【Mindful Schools】という組織のディレクターであるMegan Sweet博士のインタビュー動画も紹介されていました。

その動画の中で、Sweet博士が言っていたことで深く共感したことがあります。それは何かというと、マインドフルネスや瞑想は、私たちの「感情」に対する意識を高め、「感情」をコントロールする力を高めるのを可能にするということ。

私たちは、普段、自分自身の内側で何が起こっているかに目を向けることはありません。どんな感情や気持ちがわきあがってきているのか?身体は、どのようにリアクションしているのか?目を向けないというよりも、感情や身体のリアクションというものは、あまりにも自動的に、そして、瞬間的に起こっているので、「意識しがたい」と言った方が正しいのかも知れません。また、特にネガティブな感情については「良くないもの」という先入観から、頭で知性的に理解しようとしたり、抑えこんだりしようとしたりするため、「何も感じない」と思っている人も少なくないでしょう。

ですが、Sweet博士もおっしゃっていますが、自分自身(の内側で何が起きているのか)を捕まえる(キャッチ)できるようになると、後々、後悔するようなことを言ったり、したりするような衝動を抑えることができるようになるのです。そういう意味では、自分の内側に目を向けて、どのような「感情」がわきあがっているのかに意識を向けること、そして、受けとめることが非常に重要なのです。
私のセッションでは「それはどんな感じですか?」とか「今、どんな気持ちでしょう?」と質問することが多いのですが、カウンセリングを始めたばかりの頃は、その答えに困るクライエントさんがほとんどです。でも、そうやって質問されると、クライエントさんたちは意識的に自分の内側に目を向け始め、少しずつ自分の感情に気づいていくことになるんですよね。怒りや悲しみ、孤独感…など。

そうやって自分自身の内側で起こっている感情に対する意識が高まっていくと、それまで気づかずに一方的に感情に呑み込まれてしまって起こしていた衝動的な行動にも、一歩距離を置いて少しずつ冷静に対処することができるようになってきて、心を穏やかに過ごすことができるような力が自然と身についているということも少なくありません。不思議なものですよね。

ただ、これを自分ひとりでするのは、なかなか難しいこと。感情に呑み込まれ、感情の波に溺れてしまうのでは?と不安になることもあるでしょう。アプローチの仕方は様々ですが、それをナビゲートするのが専門家の役割。勇気を出して、自分の内側に秘められた感情を一緒に探求してみませんか?見たことのない、新しい、そして、美しい世界があなたを待っているかも知れません。

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公認心理師/臨床心理士   向    裕加

Megan Sweet博士のインタービューです。
残念ながら日本語訳のキャプションはないようですが、ご興味のある方は是非観てみてください!
子どもの頃から「感情」についての教育が幅広くされることを願っているひとりとしては、日本の教育現場でも、このような取り組みに積極的になってほしいと思います!
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