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占い or カウンセリング?

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

あなたは、問題に直面したときや悩んだとき、「占い」を利用したことはありますか?

実は、私は無類の占い好き(笑)。1週間ほど前にも占星術のセミナーに参加しておりましたし、年に1回は必ず手相をみていただいている占い師さんがいます。20代なかばの頃は、当時付き合っていた彼と別れる別れないになったとき、妹にお願いをして、室蘭にいる「当たる」と有名な占い師さんのところまで車を飛ばしてもらったこともあります(苦笑)。占いを全くと言って良いほど信じない私の母に言わせると、「本当にお姉ちゃん(私のこと)は、おばあちゃんに似て占いが好きだよね」と言われるほど、昔から占いは好きでした。

私にとっての「占い」は、自分の決断や方向性を決める上で参考になる指針を示してくれるもの。なので、占い師さんが言っていること全てが正しいとは思っていませんし、必ずそうなるものとも思っていません。よりよく生きていくために与えられた知識と情報であって、その活かし方は、あくまでも【自分次第】だと思っています。

なので、「占い」を利用することはアリですが、利用の仕方には注意が必要だと思います。

というのも、悩みを抱えているときは、誰にも相談できないことが多いです。特に、それが深刻であればあるほど、誰かに相談するのが難しいのではないのでしょうか。そんなときに、優しく話しを聴いてくれ、自分の欲しいと思っている答えを与えてくれるような存在の人がいたら、その人を信用したり、頼りにしたくなる…というのは、人間の心理としては当たり前。ですが、そういう状況下では、相談者は心理的に脆弱な状態にあるため、関係性が「依存的」になりやすい…というのも事実だからです。

自分が求めている答えを与えてもらえるのは、心地良いもの。自分で考えたり、感じたりすることに疲れている悩める人にとっては、特に、そう感じられることでしょう。そして、悩みから解放してくれたことで、「私のことを理解してくれるのは、この人しかいない!占いしかない!」という考えが強化され、それが依存へと繋がっていく可能性もあるのです。

「でも、それってカウンセリングを受けていても同じことが起こるんじゃない?」

そう思う方もいらっしゃるかと思いますが、しっかりとしたトレーニングを受けているカウンセラーなら、そんな依存的な関係が生じることはまずありません。

しっかりとしたトレーニングを受けているカウンセラーは、クライエントが「求めている答え」を直ぐに与えることはしません。そもそも、カウンセリングは、カウンセリングという場においてクライエントが自分自身に向き合い、カウンセラーとの対話や様々なワークを通して、自己の新しい理解や洞察を促すもの。クライエントが、自発的に、そして、主体的に悩みや問題を解決できる力を身につけることができるように導くことが、カウンセリングの目的であり、カウンセラーの役目だからです。

また、時間設定といったような「構造」を大切にするのも、カウンセリングの特徴。1年半ほど前に【カウンセリングにおける時間設定と依存の関係】という記事でもご紹介させていただきました。詳細についてはこの記事をご一読いただきたいのですが、カウンセリングで時間設定やそのペースに限度を設定しているのは、クライエントの自立性や自律性を阻害する要因である依存性を助長させないため。もちろん、ビジネス的にはクライエントが頻繁にきていただける方が良いに決まっていますが、「すぐになんとかして欲しい!」というクライエントに応じない背景には、ちゃんとした治療的な理由があるんですよね。

「占い」には「占いの良さ」があるように、「カウンセリング」にも「カウンセリングの良さ」があります。そして、「占い」に「リスクやデメリット」があるように、「カウンセリング」にも「リスクやデメリット」があります。情報やサービスが溢れている現代では、今の自分に必要なのは何か?を見極めて、適切な選択をしていくことが消費者に求められています。賢い選択をするためにも、常にアンテナは張りめぐらせておきたいもの。

さて、そろそろ私も年1回の手相占いの予約でもとりましょうかね?

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