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管理職なら知っておきたいメンタルヘルス不調の6つサイン

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

巷ではインフルエンザが流行りはじめたとのニュースを先日耳にしました。私も予防接種を受けようと思っているのですが、まだ病院に行くことができていません。ここ数日中にしなければならないマスト事項ですね。

さて、インフルエンザのサインと言えば何でしょうか?急な発熱、全身の倦怠感、ひどい関節痛や頭痛…など、大体の方はインフルエンザの兆候をご存知だと思います。では、メンタルヘルス不調の兆候は、どんなところに現れるかご存知でしょうか?

職場におけるメンタルヘルス対策への関心は年々高まりを見せており、ストレスチェックの導入が法律で義務化されましたが、ストレスチェックをするだけでは対策としては十分ではありません。働く人ひとりひとりがセルフケアができるようになることが理想的ではありますが、お互いがお互いの変化に気づき、メンタルヘルス不調の兆しを見逃さないようにしたいもの。特に、管理職に就いている人は、部下のメンタルヘルスを管理するのもお仕事のうちの一つです。今日は、そんな管理職の人なら知っておきたいメンタル不調の6つのサインをお伝えします。

  1. 欠勤
  2. 遅刻
  3. 泣き言をいう
  4. 能率の低下
  5. ミスの増加
  6. 「辞めたい」と口にする

メンタルヘルス不調初期の兆しとして現れやすい「遅刻」と「欠勤」。ただ、ポイントとして押さえておきたいのは「いつもと違って」というところになります。元々、始業時間ギリギリに出社していた人が遅刻するようになった…というのは、メンタルヘルス関連というよりは当人の生活習慣の乱れの問題である可能性が高いです。

時間に余裕を持って、いつも始業時間30分前には会社に到着していた人が遅刻するようになった…となると、話は別です。これはメンタルヘルスの不調の兆しかも?と考えて良いでしょう。「欠勤」も急に多くなった…というところがポイント。また、長期休暇や休み明けの月曜日などに多いようでしたら、メンタルヘルス不調のサインと思って間違いないかと思います。

部下の勤怠管理は管理職の仕事の基本中の基本。また、この段階で対策をとることができれば、かなりの確率で長期の休職を回避することができます。ですから、部下の「遅刻」「欠席」状況をしっかりと把握しておいて損はないと思います。

「能率の低下」や「ミスの増加」についても、「いつもと違って」というところがポイントです。日頃から能率が悪い人やミスが多い人を「メンタルヘルス不調かも」とおっしゃる管理職の方が時々いらっしゃいますが、それは本人の能力不足や適性の問題、また指導が不十分だということですので、別な対策が必要です。今まで難なくできていたことができなくなった(能率の低下)り、予定をすっぽかしたり、資料が一枚抜けていたり…などの、以前には見られなかった単純なミスが増えてきているようであれば、メンタルヘルスの不調が疑われます。

また、「泣き言をいう」「辞めたいと口にする」ようになったら、事態はかなり深刻化していると考えて間違いないでしょう。安易に励ましたりせずに、専門家へ繋ぐことを早急に検討すべきレベルです。

いずれのサインも「日頃の様子」との比較が判断のベースになります。ですから、普段から部下の様子に目を配ること、そして関心を持つことを心掛けてください。「日々のコミュニケーションが大事!」というのは、こんなところに繋がってくるのです。

もう一点、気をつけていただきたいことがあります。それは「声の掛け方」です。管理職の方に「声をかけてあげてくださいね!」と助言すると、皆さん、必ずと言って良いほど「大丈夫?」と声を掛けます。「大丈夫?」と声を掛けられて、「大丈夫じゃありません!」と正直に答えられる方はどのくらいいらっしゃいますか?「大丈夫か?」と訊かれたら、大抵の人はまるで決まり文句であるかのごとく「大丈夫です」と答えるものです。それでは、わざわざ声を掛ける意味がないんです!

なので、声を掛けるときには一工夫が必要です。例えば、表情が「いつもと比べて」落ち込んでいるように見える、疲れているように見える…のであれば「いつもより元気がなさそうに見えるけど、どうしたのかな?」「なんか、いつもと比べて疲れているようだけど、ちゃんと眠れている?」などと、客観的な印象をフィードバックするような声掛けができるとベターです。心配なことや不安なことがあるとき、それは睡眠に影響されやすいもの。「大丈夫?」のように気軽に声を掛けたいというのであれば、代わりに「ちゃんと眠れてる?」という言葉を使うのもアリだと思います。

職場にメンタルヘルス不調者が出て、その人が休職することになると、その職場では他の人への負担が増えます。特に、仕事ができる優秀な社員への負担が大きくなり、今度はその人が疲弊することになるでしょう。仮にその人が辞めてしまうことにでもなると、更なる人員減が発生し、マンパワーだけでなく、その職場の生産性が低下するという事態を招く可能性が高まります。そして、更なる休職者が発生する…といった負のスパイラルが形成されてしまうのです。このような負のスパイラルに陥らないためにも、管理職の方には日頃からメンタルヘルス不調者の早期発見、早期対応を心掛けていただきたいものです。

「メンタルヘルス対策について、もっと知りたい!」ということでしたら、当オフィスでは管理職向けのメンタルヘルス対策研修も提供しております。お気軽にお問い合わせくださいませ!

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臨床心理士  向 裕加

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