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しっかり者は、ダメンズホイホイ?

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

私は仕事をするときに眼鏡をかけています。小学校5〜6年生の頃から近視なのですが、幸いそれほどひどい近視ではないので、仕事以外の場では大抵眼鏡は外して過ごしています。今朝、出勤しようとしたときに、眼鏡をかけようと探したのですが、どこを探してもありません。昨日、自宅で外した記憶はあるのですが、思い当たる場所を探しても見つからないのです。「オフィスに忘れちゃったかな?オフィスのフロアのトイレでお化粧直しをするときに外して、またかけるのを忘れちゃったかな?」と思ったのですが、オフィスにもなく、忘れ物に届けられてもおらず…。どうやら、やはり眼鏡は自宅のどこかにある模様。帰宅して探そうと思いますが、どこに置いたかを思い出せない…というこの現象が自身に起こっていることに、若干のショックを受けています。認めたくありませんが、「老化現象」は間違いなく進んでいるようです(苦笑)。

こんな話をすると、私のことを知る人には「しっかり者のゆかちゃんでも、そんなことがあるんだ〜。珍しいね」と言われたりします。私が他者に「しっかり者」というイメージを与えているようですが、それは半分は本当だと思うのですが、半分は真実ではありません。でも、そういう「しっかり者」のイメージが10代の頃からつきまとっていたせいもあって、20代の頃の恋愛の相手は、いわゆる「ダメンズ」ばかり。友人たちは「どうして、そんな男と付き合っているの?」と思っていましたし、私自身も「どうして、こんな辛い思いばかりしているんだろう?」と思っていました。でも別れられずにズルズル。自分が幸せになれる自信なんて、これっぽっちもありませんでした。

でも、今、当時を振り返ってみると、私は「しっかり者」という周りのイメージに応えるように、無意識のレベルで「自分は役に立たなければならない」「自分がしっかり者だと思いたい」「自分が役に立つ人間だと思いたい」という強い思いで行動していました。

「私がなんとかしなきゃ」「私が決めなきゃ」「私がちゃんとしなくちゃ」「私が我慢すれば」「私が犠牲になれば」…そんな思いが根底にあった一方で、「どうして、いつも私ばかりがしなくちゃいけないのか?」「どうして、私ばかりが我慢しなければならないのか?」と理不尽な思いもありました。相手に対する不満が募る一方で、別れられない。それは、自分が役に立ったことで相手から「喜ばれる」ことが、自分が想像している以上に中毒性を帯びているからなのです。

告白』というタイトルの記事で紹介させていただいた大学生の頃に付き合っていた彼。実は、その彼と3年ほど一緒に暮らしていたことがあります。彼の実家にも度々遊びに行くことがあったので、彼のご両親とも仲良くさせてもらっていました。特に、彼のお母さんは私のことをとても可愛がってくれていました。というのも、私と付き合うようになって、彼が真面目に大学に行くようになったからです。「ゆかと付き合うようになってから、アンディがちゃんと大学に行くようになって、とても嬉しいわ!」と彼のお母さんから喜ばれるたびに、私は「人の役に立つ人間だ」と認められたような気持ちになって、更に「役に立たなければ」という思いを強めていったのです。

その頃、カナダではインターネットが急速に広まってきた時期で、コンピューターが大好きな彼は、オンラインゲームにはまっていました。夜通しインターネットゲームをしている彼が、朝起きれずに大学の講義をサボることもしばしば。「このままじゃ、彼が単位を落としてしまう!」と思った私は、彼が大学の講義に間に合うようにと朝彼を起こしたり、夜には「そんなことしていると、明日、大学に行けなくなっちゃうよ!」と寝る前に声を掛けたりしていました。同じ講義を履修していた科目に関しては、ノートを貸したりもしていました。心のどこかで「彼の母親でもないのに、私がどうしてこんなことをしなくちゃならないの?」と理不尽に思いながらも、「助かったよ!」と喜ばれてしまうと理不尽な想いはどこかに飛んで消えていってしまっていたのでした。

でも、よ〜く考えると、彼をダメにしていたのは私自身。夜通しゲームをしていて単位を落としちゃうのは彼の責任なのに、その責任をちゃんと取らせないように仕向けていたのは、他ならぬ私だったのです。彼がちゃんとしちゃうと、私はただの人。だって、彼がダメンズだったからこそ、私は「しっかり者」で「役に立つ人間」でいられた訳で、私はそうすることでしか自分自身を肯定することができなかったのでしょう。

ですから、自分が「しっかり者だ」「役に立つ人間だ」と思えるという理由で彼と付き合っていただけで、本当に好きだったのか?と訊かれると、疑問だけが残ります。実際、当時は友人に彼の愚痴をたくさんこぼしていましたし、その彼と別れた後に大学時代の親友と話をしたら、彼女にきっぱりこう言われました。「どうしてゆかが、あんな男と付き合っていたのか、全く理解できなかったわ。別れたと聞いたときは、そりゃ大喜びだった!」と(苦笑)。

「どうして、私はダメンズばかりと付き合ってしまうのだろうか?」
「なぜ、私の恋愛はうまく行かないのか?」

そう思っている女性(男性?)は少なくないと思います。いろいろな原因が考えられると思いますが、大抵の場合、その答えは自分自身の中にあります。真の意味で「幸せになりたい」と思うのであれば、まずは自分の在り方を見つめ直すところからスタートしてみると良いかも知れません。

ちなみに、私の場合、「しっかり者じゃない自分」を自分自身が認めることができた、他者を通して自分の在り方を認めるのではなく、「自分自身が自分の在り方を認める」ことができた、そして、しっかり者じゃない私でもOK!と受けとめてくれた人と出会えたことが、ダメンズを脱却するきっかけになりました。

「幸せになりたい」

そう強い思いがあるのなら、まずは自分自身と向き合ってみませんか?「幸せ」への答えは、あなた自身の中にあります。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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