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カウンセラーブログ

逃げるが勝ち!

札幌大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

昨日のブログでは職場にいる”困ったちゃん”対策に
オススメの一冊を紹介させていただきましたが、
人間関係が難しいのは、職場に限ったことではありません。

今日はみなさんの周りに一人や二人はいるであろう
”人の批判や悪口ばかりを言う人”の超攻撃的な人の心理に迫ってみたいと思います。

「本当にできない奴ばかりで、やってらんないよ!」などと、
いつも人のことを見下して、意図的に悪口を仕掛けてくる人に
時々遭遇することがあるかと思います。

結論から申し上げると、こういう人からは「逃げるが勝ち」です。
なぜならば、このような人とまともに付き合うと、
無意味にこころが痛めつけられるからです。
自分の身とこころを守るためにも「逃げる」
という選択肢を持つことは大事なことなのです。

しかし、昨日のブログ「”困ったちゃん”対策にオススメの一冊」で、
相手を「理解」することこそが、人間関係の構築や改善への第一歩…とお伝えしたので、
このような人たちの言動の背景にある心理を紐解きたいと思います。

人間は誰しもが「人より上に立ちたい」という本能的な欲求を持っています。
人間の祖先とされている猿は、木の上で生活をしていました。
なぜならば、木の上でいることで、より早く危険を察知することができるからです。
危険をより早く察知することができれば、生存率もそれだけ高まります。
ですから「他人より上に立ちたい」という欲求は、本能的なものなのです。

何が起こるかわからないこの混沌とした世の中では、
ちょっとしたことで社会的なポジションが変わるので、
絶対的な社会的地位というものは、もはや存在しないに等しいのですが、
「他人より上に立ちたい」という欲求が強ければ強いほど、
どうしても人と比べたい、人より上に立ちたい、と考える傾向が強いのです。

そして、私たちに組み込まれた本能的なもう一つの欲求、
「安全欲求」が攻撃的な人には、他の人よりも強く見られます。
誰しもが自分の身の安全の確保に対してはこだわりを持っていますし、
それが行動の原動力になったりもしています。

超攻撃的な人はこの二つの欲求が強く結びついていて、
「自分の方が上にいなければ、自分の安全が脅かされる。
 あいつを下にしなければ!」と感じてしまうのです。

これが、他人を批判する、他人の悪口を言うなどという
攻撃的な言動の背景にある心理なのです。

自分はいつも正しい。
こんなに頑張っているのに、誰も認めてくれない。
いつも何かに腹を立てている。
常に誰かを攻撃して、自分の優位性を誇示しようとする。

こんな人とまともに付き合っていても、こちらが疲弊するだけ。
ですから、一定の距離を取るために「逃げる」という選択肢が大事なのです。

ただ、このような人と仕事の関係上、顔を合わせなければならないとか、
家族や親戚なので、どうしても付き合わなければならない…という場合もありますよね。
そういう場合は、どうすれば良いのでしょうか?

「逃げる」ことが不可能なときは、できるだけ、自分の存在を薄くしてみてください。

例えば、職場の先輩のAさんが、あなたに同僚のBさんの悪口をこぼしてきたとしましょう。

「本当にあいつは使えない奴だ!あいつがする事なす事が迷惑なんだよ!」

これに対して、

「Bさんには僕も困っているんですよね〜」

なんていう受け応えはNG。
というのも、この応対は”あなたの意見”としてAさんにインプットされてしまい、
あなたという人間の存在感を高めてしまうからです。

「それは大変でしたね〜」と自分の意見には触れずに、
ほんのりと(←ここが大事!)Aさんの気持ちに触れる程度の発言に留めておく。
そうやって存在を薄くすることが大事です。

小学生の頃にやったドッジボールをイメージして欲しいのですが、
超速球を真正面から受けとめてばかりいると痛みが伴いますし、
アウトになる確率は間違いなく高くなります。
でも、時々いませんでしたか、逃げるのがとても上手な子?
上手にかわしたり、逃げたりすることで、最後まで残っちゃったりするんですよね。

真面目な人ほど、相手を真正面から受けとめようとして、
痛い思いをしたり、傷ついたりすることが多いです。
ですから、時には「逃げる」「かわす」「存在を消す」という方法を
使うことも大事だということを知っていただきたいです。

特に、あなたのことを尊重できなかったり、
気持ちを汲みとろうとしなかったりする人は、
自ら良好な人間関係を放棄した人なので、
真正面から受けとめる必要もないでしょう。

自衛のための「逃げるが勝ち」。
実践してみる価値はありますよ。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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