札幌大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向です。

昨日まで続いた暑さは一旦落ち着いて、今日は過ごしやすい気温ですね。
週末はあまりにも暑くて「そろそろ朝に飲むアイスコーヒーを用意しないとな〜」
と考えていましたが、まだしばらくはホットコーヒーでも良さそうな天気予報。
暑さが苦手な私としては、少し涼しくなってちょっとホッとしたりもしています。

さて、昨日のブログ「人付き合いが苦手なのは悪いこと？」では、
人付き合いが苦手に感じている学生さんの中には、
「人付き合いはできて当たり前」
と捉えている学生さんが少なくない…
ということをご紹介させてもらいましたが、
これは誰が決めたことでもなく、自分が勝手に決めている
【マイルール】であることに、みなさんお気付きですか？

「子どもはたくさん褒めて育てましょう！」とはよく言われますが、
成長に伴い「できて当たり前」なことが増えてきて、
大人の世界では褒められることなど、まずないのが現実です。
今日は、大学生の私が経験したそんなほろ苦いエピソードを
紹介させていただこうと思います。

私が当時履修していた臨床心理学という講義では、
学期末に小論文の提出を課せられていました。
私はカナダの大学に通っていたので、
当然の事ながら小論文は英語で執筆しなければなりません。
何度経験しても母国語ではない英語での論文執筆は大変な作業であり、
このときも何日間も睡眠時間を削って、ようやくの思いで仕上げたのでした。

私が通っていた大学では小論文が採点されると、
大抵の場合、教授の研究室の外に学籍番号と点数が貼り出されます。
臨床心理学系の大学院への進学を希望していた私は、
ことさらこの講義の小論文には力を入れていました。
頑張った甲斐あって、小論文はクラスで2番目の成績。
とても嬉しくて急いで帰宅し、日本の両親に電話をかけて報告しました。

が、反応はいまひとつ。

「よく頑張ったね！」と褒められるどころか、
「どうして1番じゃなかったの？」と言われ、
こんなに一生懸命頑張ったのに「できて当たり前」
と思われてしまったことに、私はひどく落ち込みました。

でも、この「よく頑張ったね！」という褒め言葉は、
私が一方的に抱いていた両親に対する「勝手な期待」なんですよね。
実際に褒めるかどうかを決めるのは、褒める側。
しかも、ごくごく自然に褒めることができる人もいれば、
「褒めるのは照れくさい」と心理的な抵抗感を抱く人もいますし、
（私の両親は↑↓のタイプ）
発破をかけることで応援しようとする人もいるのです。
もちろん、「このくらいじゃ褒められない！」と思う人もいます。

ここで問題になるのは、相手に認めてもらうことを期待することで、
どこまで頑張れば良いのか分からず「頑張るだけ無駄」という思考に陥ったり、
完璧を目指してがむしゃらに走り続け、疲弊する可能性が出てくること。

では、そうならないためにはどうしたら良いのでしょうか？
答えは、いたってシンプル。
自分を自分で褒めれば良いのです！

「え〜！そんな自分を褒めるって言っても、
　褒めるだけの大したことなんかしてないよ〜」
と思った方は、ちょっと自分を振り返ってみて下さい。
自分自身の内側にある「そんなのできて当たり前」
というマイルールにとらわれてはいませんか？

確かに「自分を褒める」というのは、ちょっと照れくさいですよね。
でも、「自分は自分なりによくやっている」と肯定してみるというのはどうでしょう？
それならできそうじゃありませんか？

毎日、満員電車に乗って出勤すること。
無遅刻無欠席を続けること。
家族のために晩御飯を用意すること。
人に会ったら挨拶をすること。
困っている人がいたら、手を差しのべること。

日常のちょっとしたことかも知れませんが、
その当たり前を当たり前にすることは、
案外簡単なことではないものです。
そんな「自分は自分なりによくやっている」ことを
自身がしっかりと正当に評価できるようになると、
「もう少し頑張ってみよう！」と自然なかたちで
前向きな気持ちになれることでしょう。

「できて当たり前」というマイルールを手放して、
気持ちを楽にしてみませんか？
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しっかりとサポートさせていただきます。

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カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士　　　向　裕加