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カウンセラーブログ

あれから20年

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

昨日、Facebookを見ていたら、私の出身大学であるUniversity of British Columbia(UBC)の卒業式が一週間後から始まる…という記事がタイムラインに上がってきました。私が卒業したのは1999年。もう20年前のことになりますが、卒業してからの20年は、あっという間だった感じもするのも不思議です。

写真は、バンクーバーマラソンを走りにいったときにキャンパスを訪問して撮したもの。心理学科のビルの中に飾られている卒業生の写真です。当時を振り返って「よく卒業できたなぁ」と自分でも感心しちゃいます。というのも、ギリギリまで私は卒業できると思っていなかったからです。

卒業がかかっていた最後のセメスターの履修登録を済ませたとき、当初、哲学のクラスをとる予定でいました。その哲学のクラスの1つレベルの下のクラスを履修したとき、あまり苦労をすることなく、結構良い成績をとれたんですよね。なので、その延長線上にあるこの哲学のクラスも余裕だと高を括っていたのが、そもそもの間違い!初回のクラスに行ったとき、青ざめました。なぜならば、さっぱり講義の内容が理解できず、チンプンカンプンだったから。

UBCでは、セメスターが始まって2週間以内は、履修登録の内容を変更することができました。た・だ・し、クラスが定員に達していなくて、席に余裕がある場合のみ!

ということで、私は、単位が取れそうで、かつ、席に空きがあるクラスを探しに奔走しました。教授たちに掛け合いに行って、そして、断られて…を繰り返して失望しながらも、ある社会学の教授のオフィスに行って掛け合ってみたのですが、既にクラスは定員になってしまっていて、受け入れられないとのこと。ただ、藁にもすがる思いで「1人くらいなら、なんとかしてくれるんじゃないか?」と思った私は「この科目を取ることができなければ、今期卒業ができなくなってしまう。留学生でいろいろとお金もかかっているし、何とか卒業したいんです。ひとりくらい、なんとかしてもらえませんか?」と情に訴えかけてみたものの、敢えなく撃沈!教授には「Whether you can graduate or not, it's not my business(君が卒業できるかどうかなんて、俺の知ったことじゃない)」と言われて終了してしまいました。チーン…。まあ、この辺りは実にシビアなんです、北米は。情けは通用しないんですよね。

でも、捨てる神あれば拾う神あり…で、しょぼくれていた私を天文学の先生が拾ってくれました。もう、どんなに探しても履修できそうな科目がなくて、「仕方がない!天文学だなんて、興味もなければ苦手な理系の科目だけど、そんなことを言ってる場合じゃない!頑張って履修しよう!」と登録したまでは良かったものの、案の定、私の頭脳で理解できるレベルをはるかに超えている内容で、四苦八苦の日々。中間試験までは良かったのですが、それ以降の講義の内容は理解不能なことばかりで、期末試験で配布された問題を見た瞬間、ダメだ…と思いました。手付かずのままで出した問題が相当な数で、絶望的な気持ちで早めに試験会場を退散したという苦い思い出が蘇ってきます。

それから最終的な成績が発表されるまでは、生きた心地がしなかった毎日でした。期末試験で5割がとれていれば、辛うじてギリギリで単位がもらえそうな感じなのですが、なんせ期末試験が期末試験だっただけに、5割すらとれている気がしない。なので、最終成績が発表されたときは、文字通り、飛んで喜びました!「C-」というのは単位が辛うじて認定される一番低い評定だったのですが、たとえ「C-」でも単位取得には変わりない!

今でも、時々、天文学の期末試験で味わったあの絶望感を再体験することがあります(苦笑)が、今となっては、それも良い思い出。というのも、大学を卒業できるのがあんなに嬉しかったのは、このドキドキ体験があったからこそ。胃が痛くなったり、眠れなかったりしたけれど、最終成績が出て卒業が確定したときに体験した喜びの瞬間は、一生忘れることないと思います。

入学者の25%しか卒業できないと言われているほど厳しい北米の大学。当時は、サークルやコンパだの楽しい大学生活を送っている日本の友人たちの話を聞いて羨ましく思ったと同時に、留学という決断をした自分を恨めしく思ったりもしていました。でも、アップアップになりながらも毎日一生懸命に勉強をして、その25%に残ることができたことが、今の私の誇りでもあります。学びに終わりはないと思っていますが、なかなかそれに対するモーティベーションを維持するのは難しいもの。でも、そんなときには、頑張っていた大学生の頃の自分を思い出してみようと思います。

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公認心理師/臨床心理士   向    裕加

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