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勝手にオススメ【恥(シェイム)…生きづらさの根っこにあるもの】

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今回のCFTのトレーニングワークショップでも、かなりの時間を割いて「恥」という感情について学びました。「恥」という感情は文化や社会に関係なく人類(霊長類と言った方が正しいかも知れません)全般に共通する感情ですが、「恥」が美学とされる文化がある日本社会では、「恥」という感情の扱い方やプロセスの仕方が他の文化に比べるとより複雑であるかも知れません。

・自分には価値がない
・私は誰にも必要とされていない
・自分のことを愛してくれる人はいない
・自分はダメな人間だ
・私はおかしい(変だ)

こんな自己批判的な声が聞こえてきたりしませんか?これが、まさに「恥」の感情であり、自分自身という存在そのものにかかわることから「中核的な恥(コア・シェイム)」と呼ばれています。

これらの「恥」の感情というものは、「怒り」や「悲しみ」といったような私たちが生まれながらにして持っている感情とは異なって外から植え付けられたものです。そして、この「恥」という感情に、私たちは生きづらさを感じています。私自身も、紛れもなくその中の1人です。

誰しもが経験する「恥」という感情は、感じることに痛みが伴うため、大抵の人はこの「恥」という感情を押し殺しながら生きています。また、「恥」という感情は、他の感情の陰に潜んでいるため、気づかれないことも多いでしょう。だからこそ、もやもやとした漠然とした苦しさに苛まれるんですよね。

「恥」の感情から解放されるためには、「恥」に触れることが必要ですが、まず、その「恥」というものがどのような感情であるかを“知る”ことが大切です。なぜならば、「恥」に触れるための戦略を練る必要があるからです。戦いを挑む前に、何事も”敵“を知ることは大事ですよね!

最近発刊となった『恥(シェイム)…生きづらさの根っこにあるもの』は、感情の全般的な役割、そして、「恥」という感情の果たす役割や成立ち、「恥」が私たちにもたらす生きづらさ、そして、「恥」とうまく付き合う方法などをわかりやすく教えてくれる本です。

この本を監修しておられる岩壁茂先生はお茶の水女子大の准教授で、「感情」を専門に研究されていて、「感情」にフォーカスを当てた心理療法の実践家でもあります。岩壁先生とは大学院生のときからのお付き合いで、かれこれお付き合いも20年近くになろうとしています。去年は、岩壁先生が企画・運営してくださった感情焦点化療法(EFT)」の第一人者の講師のワークショップに2度参加させていただきました。来月末も、東京でEFTの4日間のワークショップが開催される予定なのですが、今回は岩壁先生からご依頼で、私は通訳として参加させてもらうことになりました。

岩壁先生は感情に焦点を当てた研究においては世界レベルでご活躍されている方で、日本の臨床心理学の世界でも第一線でご活躍されている若手研究者・臨床家でもあります(公認心理師の国家試験の試験委員も務めておられます!)。そんな岩壁先生が監修されたこの本は、私たちに馴染みのある具体例を用いて「恥」という感情の本質について迫っています。とてもわかりやすく書かれているので、たくさんの方に手にとっていただきたい良書です。きっと、どんな形であれ、皆さんのお役に立てること間違いなしです。

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臨床心理士   向   裕加

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