CFTトレーニングを修了しました！
札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。
3月21日から4日間に渡り東京成徳大学で開催されたコンパッションフォーカストセラピー（Compassion Focused Therapy; CFT）のトレーニングに参加してきました。
今回はCFTの創始者であるイギリスはダービー大学の臨床心理学の教授であるポール・ギルバート博士自ら教壇に立つという豪華な企画！しかも、ポール先生の記念すべき初来日が、このトレーニング・ワークショップでした！
CFTは心理療法のアプローチのひとつです。ポール先生はもともと認知行動療法（CBT）の専門家だったのですが、クライエントとのCBTのセッションやご自身の研究を通して、クライエントが自分自身に温かい眼差し（＝コンパッション）を向けながら自分と向き合う方が、より高い治療効果を得ることができるということを発見したところからCFTを発展させていったそうです。
CFTは、進化心理学や愛着理論、神経科学や感情・認知・発達心理学などのアカデミックな理論体系に基づいて発展してきたセラピーで、その効果を示すリサーチエビデンスが多数報告されている科学的理論に基づいてしっかりと体系化されたセラピーです。私たちが抱えている心理的な問題は、高い恥意識や自己批判に大きく影響を受けています。CFTでは、その恥意識や自己批判の背景にある感情をプロセスしていくことによって、心理的な苦痛を和らげることを目的としています。また、生れながらにもっている自分の強さや思いやり、そして知恵を使って、自身のウェルビーイング（well-being）を確立するために役立つスキルを身につける手助けをしてくれるセラピーです。
とても一言ではその良さを伝えきれない奥が深いセラピーです。明日以降、わかりやすい形で少しずつ皆さんにもお伝えしていきたいと思っていますので、楽しみにしていてください！
向かって左が、CFT創始者のポール・ギルバート博士。そして、右側がもう1人の講師のジェームス・カービー博士。ジェームス先生は、オーストラリアのクイーンズランド大学の講師で、なんと若干34歳というコンパッション臨床研究における若手のホープです。
世界の第一線で活躍されている先生たちには、いつも感心させられるのですが、何に感心させられるかというと、その器の大きさ！ポール先生もジェームス先生も、私みたいな人間が”Paul””James”とファーストネームで呼んでも、全然気にしないんですよね〜。懇親会でお話をさせてもらいましたが、本当に気さくでフレンドリー。そして、恐らくこの2人は親子ほど違う（むしろ、それ以上かも？）年齢であるにもかかわらず、お互いをファーストネームで呼び合うのはもちろんのこと、ものすごいシニカルなジョークを言い合っても、ニコヤカな笑顔でガハハハハ！と笑い飛ばすんですよね〜。
どんな質問をしても「それって、すごい良いポイントをついているよね！」とか「その見方が私たちに教えてくれるヒントはたくさんあるね！」というコメントから始まって、「こういう大勢の前だと手を上げにくいだろうけど、質問してくれてありがとう！」というコメントで終わるので、「質問しても大丈夫なんだ！」という安心感が自然と出てくるんですよね。なので、最初は緊張していた参加者たちもドンドン声を上げていく雰囲気が創られてきて、終始和やかな雰囲気でトレーニングを受講することができたのは、おふたりの講師のお人柄と臨床家としての高い能力があってこそだと思いました。
「こんな風になりたい！」と思えるようなステキな臨床家に出逢えたことも、このトレーニングワークショップに参加して得ることができた貴重な宝物。特に、ジェームス先生は人としても、臨床家としても非常にチャーミングな先生で「みんな、ブリスベンにおいでよ！僕がちゃんと面倒をみるよ！」と言ってくれたので、ブリスベンにいる彼のもとでCFTのトレーニングを受けてみようかしら？と早速画策しています（笑）。
今回のトレーニングワークショップを振り返りながら、ブログを通してCFTのエッセンスやコンパッションについてお伝えしていく予定です。「コンパッションって何？」と思ったり、“恥意識“や”自己批判的な自分“をどうにかしたいと思ったりしている方がいらっしゃいましたら、是非とも明日以降のブログをチェックしてみてください。ヒントになることがあるかも！？
