こころの整理整頓
札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。
2日前の日曜日、オフィスはお休みなので、自宅でゆっくりしていたのですが、ずっと前から気になっていて、放ったらかしにしていたことに着手しました。それは何か…というと、山積みになった書類や本の整理をすること。
自宅のリビングにはベンチが置いてあるのですが、そのベンチの上に積み重ねられた書類や本の数々。どんな本が何冊くらいあるのかすら全くわからずに、上に上にと積み上げられていた本や書類を「時間がない」という理由で、ずっと放置してきました。ぐちゃぐちゃになって見栄えが悪いので、もちろん目に入ると嫌〜な気持ちにさせられるし、「時間がないんだもん」と言い訳している自分に対しても「片付けられないダメな人間なんだ」と自己嫌悪を抱いてしまう。リビングにあるから当然の如く毎日目にするので、毎日嫌な気持ちになる…という負のスパイラル。
体調が良かったということもあるのですが、なぜか、この前の日曜日は「ちょっとでも良いから片付けるぞ〜」と珍しくやる気スイッチがONになり、黙々と作業をしていたら、2時間半〜3時間があっという間に経過してしまいました！
まだ、完全に片付いたわけではないのですが、不要な書類は捨て、必要な書類はスキャンしてクラウドに落とし込み、バラバラになって何がなんだかわからなくなっていた本は、綺麗に並べられるところまでいきました。その過程の中で「こんな本、買ってたんだ〜！」という発見だけでなく、読み終わっていない本どころか、読み始めてもいない本も多数あることがわかりました。整理整頓して、自分はどんな本を何冊くらい持っていて、そのうち何冊くらいを読み終えていて、読みかけの本は何冊あって、まだ、手をつけてない本は何冊くらいあるのかをざっと把握することができました。
ざっくりとでも自分が持っている本の状況を把握することができただけで、「読み終えてない本を読み終えるまで、しばらく本は買わない」という次の行動へと落とし込むことができましたし、ぐちゃぐちゃになっていたベンチの上がスッキリと片付けられているのを見て、私の気持ちもスッキリ爽やかになりました！まだ、私が理想とする整理整頓までは道半ばではありますが、このスッキリ感がまた味わうために「次のお休みの日も、しっかり整理整頓を少しずつやろう！」というモーティベーションの向上にも間違いなく繋がりました。
こころの問題や感情がぐちゃぐちゃになっていると、私がずっと山積みの本と書類を放置していたと同じように、そこから目を背けたくなるのではないでしょうか？整理整頓をはじめたら収拾がつかなくなってしまうのでは？と後回しにしては、得体の知れない「嫌な気持ち」に襲われては身動きが取れなくなってしまい、負のスパイラルにはまってしまう人は、案外多いように思います。
でも、整理整頓と同じように、こころの問題やぐちゃぐちゃになった感情も、ちゃんと「どこに」「何が」「どのくらいあるのか」を把握することで、それらをどのように収めることが初めて理解できるのです。収め方がわかると、行動にも落とし込みやすくなりますし、行動することで自分の気持ちが良い方向へと変化していくことを体感することもできます。人間は「快」を好む生き物ですから、この「良い気持ち」をキープするためにモーティベーションが自然とわいてきます。それは、負のスパイラルが好循環へと変わっていく瞬間。そうなってしまえば、こっちのものです！
そういう意味で、カウンセリングは「こころの整理整頓」のようなもので、実際にしていることは異なっていますが、整理整頓とカウンセリングには共通点があるんですよね！私の友人にも「整理収納アドバイザー」として活躍されている方がいます。整理収納アドバイザーは、片付けが苦手な人にアドバイスをする整理整頓のプロフェッショナルで、最近では気軽に整理収納アドバイザーを利用されている方も増えていると聞いています。カウンセラーや臨床心理士というと、何だか仰々しい印象を受けますが、言うなれば「こころの整理収納アドバイザー」。こころの問題や感情がぐちゃぐちゃになって困ったときは、カウンセリングを受けに行こう！というくらいに、カウンセリングが世の中に広く認知されることを願っています。
