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変容は会った瞬間から始まる

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

先月、フィラデルフィアから日本に帰国して、2日ばかり東京に滞在しました。当初の目的は、胆振地方で発生した地震で延期にった公認心理師の国家試験を受験するためでしたが、その前日に東京で受講したいワークショップが開催されることを知り、そのワークショップも受講することにしました。そのワークショップのタイトルが、本日のブログのタイトルでもある【変容は会った瞬間から始まる】でした。

ここ数年、世界的に注目されているAEDPというセラピーがあります。Accelerated Experiential Dynamic Psychotherapyがその正式名称で、その日本語訳は”加速化体験力動療法”になります。AEDPは比較的新しい心理療法で、日本に紹介されたのも比較的ここ数年のこと。日本ではトレーニングを受講することができず、NYをはじめとする海外でトレーニングを受講するしかありません。そのため、日本でトレーニングを受けているセラピストは10人いるかいないか…ぐらいだと思います。

でも、アメリカにあるAEDPの研究所には日本人の教員がいるんですよ!花川ゆう子さんという方で、アメリカで臨床心理学の博士号を取得して、マンハッタンで開業されている臨床心理士です。12月のワークショップは、日本に帰国中の花川ゆう子さんが講師として登壇されるということもあって、是が非でも行きたいと思っていたのも、私がアメリカから真っ直ぐに札幌に戻らない理由のひとつでした。

ワークショップは内容が濃く、とても有意義な時間であったため、朝の10時から午後の4時までという長丁場であったにもかかわらず、あっという間に感じられるほどでした。AEDPというセラピーのパワフルさに触れて、「是非とも、この学びを深めたい!」という気持ちを強くしたのですが、前述したとおり、日本ではトレーニングを受けることができません(涙)。NYに行くとしても、8月まで待たなければなりません。体験を重視するセラピーだけあって、本を読んでも全然頭に入ってこずで「7000円も出して買った本なのになぁ…」と、ちょっと途方に暮れていました(↓これがその本)。
「でも、8月まで待てない!」と思った私は、先週の金曜日、アメリカ心理学会が販売しているDVDをオーダー。しかも、勢いに任せて3枚も買っちゃったんですよね。というのも、1枚買っても、3枚買っても送料は一緒だったから。でも、アメリカから発送されるということもあって、送料もべらぼうに高い!3枚分のDVD+送料の合計金額を目にしたとき、一瞬ビビって(苦笑)手を止めてしまいましたが、「えいっ!」とポチッてしまいました。送料が高かった分、届くのも早かった!金曜日にWashington D.C.を出発して、札幌の私の手元にDVDが届くまでわずか4日程度。世界が小さくなったなぁ〜と感じる瞬間ですよね。科学技術の進歩に感謝です。

午後のセッションが始まる前に、こちらを視聴。
AEDP創始者のDiana Fosha博士のセッションのデモテープとでもいいましょうか。初めて会うクライエントと1時間程度のセッションをするのですが、その前にAEDPの紹介を含めたインタービューがあり、セッションの後には、セッションを振り返っての解説が加えられているというかなり充実した内容になっています。

このDVDの到着が待ち遠しかった私は、午後からの自分のセッションが始まる前に、このDVDを観始めたのですが、十分な時間がなかったので、まずはDr. Foshaのセッションのみ視聴しました。「たった1時間だけなのに、どうしてこんなに変化するの〜!?」とビックリしたのですが、ある意味、Dr. Foshaはマスターセラピストと呼ばれるような素晴らしい臨床家なので、当たり前と言えば当たり前だよな…と思っていました。

その後、継続してくださっているクライエントと今日初めてお越しになる新規のクライエントのセッションを立て続けにしたのですが、このDVDを観たからなのか、セッションがいつも以上に深いものになった実感がありました。

AEDPでは、変容が起こるための必要条件として「関係性における安全性」を挙げているいます。クライエントがセラピストと会ったときから、その関係が安全だと感じられることができれば、感情変化のプロセスは活性化して、変容へと動きはじめると考えていることから、この「関係性における安全性」を築くことに重きをおいています。

今日の新規のクライエントは特に初めてお会いするということもあって、私自身はこの「関係性における安全性」に意識的にフォーカスを当てました。それがクライエントの感情変化のプロセスの活性化に影響を与えたのかどうかはハッキリとはわかりませんが、「今まで別々なものとして捉えていたことが、全て繋がっていることに気づきました!」と、クライエントの新たな気づきへと自然と繋がっていったのがとても印象的なセッションとなりました。そして、セラピストである私自身が「変容は会った瞬間に始まる」ということを身をもって体験した貴重な時間ともなりました。

従来の心理療法は、クライエントの変容が起きるまでに「時間がかかる」ということがネックでしたが、加速化体験力動療法は、その名前にもあるようにクライエントの変容を「加速化」させることが特徴のひとつでもあります。心理療法の「加速化」は、それはクライエントにとっても、そして、私たちセラピストにとっても有益なこと。オフィスにお越しになるクライエントにカウンセリングが有益であると感じてもらえるよう、学びを深めていきたいと思います。

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臨床心理士  向 裕加

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