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5年に1度の資格更新

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

普段からよく訊かれることのひとつに「臨床心理士って、心理カウンセラーと何が違うのですか?」という質問があります。カウンセリングは、実は臨床心理士の独占業務ではありません。ぶっちゃけた話、心理学の勉強をしていなくても「私、心理カウンセラーなんです!」と名乗って、カウンセリング業務をすることは(残念ながら)現在の日本では可能です。カウンセリング業務をするには規制が設けられていないので、カウンセリングやメンタルヘルス系の資格には様々な民間資格が存在しています。中には、3ヶ月程度の講座を受講したら「◯◯カウンセラー」という資格が取れたりするところがあるのも実態です。この辺りは、カウンセラーになるための最低基準が設けられ、ライセンスを取得し、登録をしていないとカウンセリング業務ができない欧米のシステムとは明らかに異なるところであり、個人的には改善が求められる点だと思っています。

実は、「臨床心理士」もそんな民間の資格のひとつではありますが、最低ラインとして大学院を修了していることが資格試験を受験するための必須条件となっています。大学院のカリキュラムも、資格認定協会が定めた科目を履修しなければなりません。大学院はゆっくり研究できる時間があると思いきや、指定された履修科目数が多いので、かなりきっちきちなスケジュールでしたし、もちろん、修士論文も執筆しなければなりません。また、学内に設置されている研修センターでカウンセリングの実習を決められた時間以上することが修了条件に含まれていますし、また、学外での実習も必須となっています。

晴れて大学院を卒業したら、臨床心理士試験を受験することができます。試験は、一次がマークシートと論述問題。そして、二次が個人面接となっています。この資格試験に合格して、晴れて「臨床心理士」という資格を取得することができますが、これで終わりではありません。というのも、臨床心理士は更新制で、5年に一度、更新しなければならないからです。更新のためには、協会が主催する研修会や会議への参加、日本臨床心理士会や都道府県の臨床心理士会が主催する「研修会」への参加、協会が認める関連学会での諸活動への参加、協会が認める臨床心理学に関するワークショップや研修会への参加、協会に認められたスーパーヴィジョン経験や著書の出版などを通して一定数のポイントを取得しなければ、更新が認められないようなシステムになっているのです。

カウンセリング関連の資格の多くは、一度資格を取得したら、永遠とその資格を保持できるようなシステムになっています。しかし、世の中や時代が変わるとともに、心理学やカウンセリングの常識も変化していくもの。人の心は、社会や経済、時代の価値観などに大きな影響を受けるものなので、その変化に対応していくためにも、知識やスキルを常にアップデートしていくことは必要不可欠です。そういう意味でも、臨床心理士の資格更新制度は非常に重要だと個人的には思っています。

私の現在の資格の有効期限が今年度末までだということで、10月に資格認定協会から更新手続きを取るように書類一式が送られてきていましたが、公認心理師の国家試験が延期になって試験勉強を優先させていたこともあって、更新手続きを後回しにしていました。ただ、更新手続きの締め切りが1月末と迫ってきたので、慌てて昨日から書類の作成に着手!先ほど書類一式を郵送してきて、今はホッと一息ついているところです。


この5年間での合計ポイントは38P。更新手続きに必要なポイントは15Pなので、十分、更新に必要な条件は満たしています。19の学会や研修会、ワークショップに参加したのですが、ほとんどが東京での研修会やワークショップ。仙台や広島で取得したポイントもありましたが、地元札幌でのポイント取得は4Pのみに留まりました。

学会や研修会、ワークショップの参加については、北海道に住んでいると、どうしても時間や経済的な面でハンディを背負うことになります。私もあちこちには行っていますが、正直な話をすると、いろんな面で厳しいです。でも、外に出て行くことは止めたくありません。質が高く、最先端の研修やワークショップを受講して、自分自身の知識やスキルをアップデートしていくことを私は重要視していますし、これからもそうしていきたいのです。というのも、学んだことを臨床に反映させて、地元北海道に住む一人でも多くの人が自分らしく生きることができるようなサポートをしていきたいからです。そういう人が増えることで、札幌だけでなく北海道全体が元気になることを心から願っているからです。

ちょっと熱く語りすぎてしまいましたが、お伝えしたかったことは、臨床心理士と他のカウンセリング系の民間資格との違いと、これからも自己研鑽を積んで多くの方のお力になりたいという気持ちでいます…ということ。とにかく、数ヶ月にわたって頭の片隅にあって、ズーッと気になっていた重要な案件がようやく片付いたので、今日はグッスリ眠れそうです(笑)。

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臨床心理士  向 裕加

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