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エモーション・フォーカスト・セラピーのパワー③

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

気がつけば、既に11月!今年も残り2ヶ月を切りました。今日、用事があって中島公園に行ってきたのですが、銀杏の木がとても綺麗でした(曇り空だったのが、ちょっぴり残念ですが…)。
例年ですと10月中旬が見頃なのですが、今、このような美しい銀杏並木を見ることができるということは、いつもよりも暖かいということなのでしょうか?いつもより長く紅葉を楽しむことができて、私としては嬉しい限りです。

さてさて、私がエモーション・フォーカスト・セラピーのトレーニングを受講してから約1ヶ月が経とうとしています。あっという間ですね〜。途中になっていたこのセラピーのパワーについての連載ですが、もうひとつ、皆さんにお伝えしたいことがあります。それは、私がクライエントの役になって、このセラピーを受けている…という状況で経験したことです。

このロールプレイで、私は講演会のスライドを作成しようと思ったときのエピソードを取り上げました。〆切が近くなってきていて、取りかからなければならないのに、どうしても取りかかることができない。パソコンの前に座った途端に、頭の中が真っ白になってしまって、頭も体も動けなくなってしまう…ということを、トレーニングに行く直前に経験したんですよね。やろうと思うんだけど、何も頭に浮かんでこない。ただただ時間だけが過ぎていく。焦れば焦るほど、不安が大きくなり、その不安が、また、私の頭の中を真っ白にする…そんな悪循環に陥った私は、文字どおり、途方に暮れていました。

その状況で私が体験していた「感情」について、セラピスト役の方が丁寧に探索してくれました。感情にフォーカスをしていきながら、それを身体感覚でも追っていく。そんな丁寧なプロセスを重ねていく中で見えてきたものは、「そのくらいできないだなんて、なんてダメな奴なんだ!」とか「本当に学習しない無能な人間だね」と自分を責める、心の中にいる自己批判的なもうひとりの自分でした。

それを更に丁寧に「感情」にフォーカスを当てながら紐解いていくプロセスの中で浮き彫りになったのは、私と母との間で解決していない未解決な問題。母がヨシとする「良い娘」像にがんじがらめにされて、母の声があたかも自分の声となって自分を苦しめていたことがわかり、気づいたときには「自由になりたい」という言葉とともに涙を流している自分がいました。

エモーション・フォーカスト・セラピーでは、エンプティ・チェア(空の椅子)を用いて、批判的な自分や未解決な問題の対象となる重要な他者(多くの場合は親)との対話を促進させていきます。私がクライエントのときもそうでした。もちろん、自分自身が母親に対する未解決な怒りを抱えていたのは知っていましたし、ある程度解決していたと思っていましたが、今回がいつもと違ったのは「感情的な解放」と共に「身体的な解放」を経験することができたこと。このセッションでの最後で「身体の感覚はどうですか?」と訊かれて、自分の身体感覚にフォーカスしたとき、いつもはギューっと締めつけられた感覚があった胃の周辺が、文字通り「自由」になって広々とした空間ができたように感じたのです。風通しの良い部屋のような心地良く、スッキリとした解放感。気持ちの上でも、身体の上でも、真の意味で「自由になれた」と感じた瞬間でした。

その晩、ホテルに戻ってTVをつけていたら地震速報が流れました。東京にいたので関東方面での地震かと思いきや、北海道の地震速報。震度を見ると、結構、大きめ。自宅でお留守番をしている猫たちのことが心配で、実際、どのくらいの大きさの地震だったのかを確認すべく、母に電話をかけました。特段何があった訳じゃなくとも、母に電話をするときは、いつもちょっぴり憂鬱な気持ちになるのですが、その日は不思議とその憂鬱な気持ちがありませんでした。電話を切って、そんな自分に気づいてビックリ。

更にビックリしたことは、スライド作りで苦戦した例の講演会の当日のこと。始まってしまえばそうでもないのですが、いつも始まる前まで相当緊張する私が、全然緊張しなかったのです。緊張どころか、次から次へと言葉がスラスラと、そして滑らかに出て行くのに自分でも驚き!トレーニングのセッションで経験した胃のあたりの解放感は依然としてあって、むしろ、その解放感が自分自身の核となってくれて、安定感につながっている感覚さえありました。講演会や研修会の講師を務めたことは数え切れないほどあるのですが、「今回の講演会が今までで一番良い出来だ!」と思えるほど。当日、会場に来て、私の講演を初めて聴いた私のパートナーも「すごい良かったよ!」と褒めてくれたほどでした。

仕事でもプライベートでも、今までにないくらいの安定感を経験しています。それは、トレーニング期間中に経験したエモーション・フォーカスト・セラピーのパワーだと確信しています。もっとこのセラピーの良さを多くの人に体験してもらうべく、今は、学びを深めていこうと思っています。
まずは、5月と10月のトレーニングの講師であるグリーンバーグ先生とロンダ先生編著の10月23日に出版された最新刊を手に入れて、少しずつ読み進めています。来年も東京でトレーニングが開催されそうな勢いなのですが、日本でのトレーニングに限ることなく、トレーニングを受けにカナダに行くことも検討中。学びを深めて、早く北海道の皆さんにもエモーション・フォーカスト・セラピーが提供できるようになりたいと思っています。

今週末から京都で受講予定の研修会も、このエモーション・フォーカスト・セラピーにつながっている要素がたくさん含まれています。より良いカウンセリングが提供できるように、精一杯勉強してきたいと思います。臨時休業が多くて、皆さまにはご迷惑をおかけしますが、ご理解いただけると幸いです。


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臨床心理士  向 裕加

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