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人生を幸福にするものは何?

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今日は4時30分起きで、6時30分から始まるセミナーに参加してきました。今日のセミナーで、講話者の方がとても興味深いことを紹介してくださいました。それは何か?と言いますと、ズバリ、今日のタイトル「人生を幸福にするものは何?」。

みなさんだったら、何と答えるでしょう?お金でしょうか、それとも、名声でしょうか?

この問いに対する答えを出したのが、ハーバード大学医学部臨床教授である精神科医のロバート・ウォールディンガー博士でした。

ウォールディンガー博士は1938年から続くハーバード成人発達研究の4代目の責任者で、75年にわたってアメリカに住む724人の男性の追跡調査を実施してきました。何年もかけて追跡調査をするという研究手法は、縦断研究と呼ばれていますが、実際のところ、これを実施するのは相当難しいんですよね。というのも、途中で研究対象者がドロップアウトしたり、研究を継承する研究者が不足したり、また、研究費が確保できない…などといった研究を阻む高いハードルがあるから。それを75年という史上最も長期にわたった調査研究をできるマンパワーや研究費を確保できる力があるのは、さすが世界のハーバード大学!だと思いました。

さて、この研究は、アメリカに住む724人の男性の追跡調査を実施して、「幸せになる方法」を探るという研究でした。研究対象者に選ばれた人たちは、研究開始時にハーバード大学の2年生に在籍していた男性たちとボストンの貧困地域に住む男性たちの2グループに分けられました。様々な職業に就き、アル中になった人や統合失調症になった人もいれば、社会の底辺から這い上がってトップまでのぼりつめた人もいれば、その逆だった人もいたそうです。

彼らを追跡調査し、様々な情報から得た「人生を幸福にするものは何?」という問いに答える研究結果は、お金でもなく、名誉でもなく、仕事に没頭することでもなく、「良い人間関係」という実にシンプルな答えだったそうです。

家族や友人、コミュニティとの「繋がり」が、人を健康に、そして、幸福にするそうです。このような他者との「繋がり」を持っている人たちは、健康で長生きをし、幸せを感じていることがわかりました。逆に、孤立化している人は不幸せで、中年になると健康の衰えが早く、脳の機能へも悪影響を及ぼし、寿命も短くなるということがわかったそうです。人が他者や社会から切り離されてしまい、孤立化が進んでしまったとき、それが自殺につながっていく…ということはよく言われていることですが、やはり、ここでも「繋がり」の有無が重要なポイントになってくるのがご理解できると思います。

「良い人間関係」は、様々な問題を緩和するクッション的な役割を果たしています。ここでいう「繋がり」とは、単純に友人が多いということや一生を共にするパートナーがいるかいないかということではありません。重要なのは身近な人との「関係性の質」。結婚しているからといっても、愛情に欠けていて、毎日喧嘩ばかりをしているような関係性は、離婚よりも健康に悪影響を与えることがわかっています。それは、みなさんも容易に想像できることでしょう。

このように「良い人間関係が人生を幸福にする」ということは、何も新しい考えではありません。しかしながら、なぜ、私たちは「良い人間関係」を構築することに積極的ではないのでしょうか?その問いに、ウォールディンガー博士はこう答えています。

「誰でもそうですが、私たちは手っ取り早く手に入れられて、生活を快適に維持してくれるものが大好きです。人間関係は複雑に込み入ってます。家族や友達との関係を維持していくのは至難の業です。その地道な努力は死ぬまで続きます」

ウォールディンガー博士が仰るとおり、人間関係は複雑に込み入っていて、円滑な関係を維持するのは本当に難しいことだと、私も思います(実体験と仕事上での両方の経験から)。ただ、ウォールディンガー博士は、こうも指摘しています。定年退職後に一番幸せを感じていた人は「仕事仲間に代わる、新しい仲間を自ら作っていった人達」だとも。それが家族であるか、友達であるか、コミュニティであるかは人によって違いはあれど、何かがあったとき、本当に頼りにできる人間関係があるかどうかで幸せの度合いが変わってくることを考えると、未来の自分に自己投資するために、今、この段階で、しっかりとそのような関係性を築くことに時間とエネルギーを費やすことは有益なことではないでしょうか。

当オフィスを訪れるクライエントの悩みの9割は、「人間関係」に関する悩みです。ただ、ウォールディンガー博士の指摘どおり、「良い人間関係」は手っ取り早く手に入らないもの。複雑で込み入ってるため、時間をかけて整理する必要がありますが、手っ取り早さが重視される昨今の社会的潮流もあいまってか、せっかくカウンセリングを受けにこられても、結果が直ぐに出ないことを理由に早々にドロップアウトする人が少なくないことを残念に思います。

"Good life is build with good relationships”
(良い人生は良い人間関係で築かれます)

最高の未来の自分への投資のために、「良い人間関係」を手に入れませんか?





















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