身につけたいのは「樹木」のような心
札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。
最近、朝活なんぞをしておりまして、火曜日の6時30分から1時間ほどセミナーに出席しています。今日のセミナーも役に立つ教えがたくさんあって、やや興奮しながらセミナー会場を後にしました。その後、オフィスに行き、少し細々とした仕事を片付けてから、セミナーの興奮冷めやらぬ良い状態で、打合せのため、市内某所へと向かいました。
今日の打合せでは、ある会社の経営者さんとご一緒させていただきました。その方のお話を伺っていると、どの経営者さんも「採用」や「離職」について頭を悩ませているようで、「人材育成」の必要性を強く感じておられる印象をもちました。お話の中で私が気になったのが「ちょっとしたことで”折れない強い心”って、つくれるものなんでしょうか?」という発言でした。
「今の若い人は、ちょっとしたことで心が折れちゃうからな〜」
経営者さんや管理職の方がそう言う場面に、よく遭遇します。そして、必ずと言って良いほど、私に「折れない強い心」を作るための方法を質問してきます。みなさんが抱く「折れない強い心」とは、イメージにすると電信柱のようなもの。「折れない強い心」とは、ちょっとやそっとしたことじゃビクともしない、そんな「頑丈さ」をイメージされていることが多いように感じます。
ですが、私たちのような心の専門家からすると、電信柱のような心こそが危険!なぜだと思いますか?
電信柱は、確かにちょっとやそっとじゃビクともしませんが、何か大きな衝撃が訪れてポキっと折れてしまったら修復は不可能で、新しいものと交換しなければならないですよね。心は新しいものと交換することはできませんから、ポキっと折れってしまった心のダメージの代償は、非常に大きなものになるわけです。
だとすると、どんな心が真の意味で”折れない強い心”はどのような心なのでしょうか?
イメージとして抱いていただきたいのは、ズバリ「樹木」!
樹木は強い雨風の中で左右に大きく揺れても、元に戻ってくる力がありますよね。たとえ、折れたとしても、元通りにはならなくとも、新しい芽がそこから生えてくる力を持っています。ここで言う雨風は、人間にとってのストレスや逆境。ストレスや逆境に遭遇したとき、感情が激しく揺さぶられたり、身体がいつもとは違う反応を見せるのは当たり前のことですが、それをしなやかに、そして、柔軟に受けとめる力こそが”折れない強い心”の姿なのです。また、折れたところから生えてくる新しい芽は、その人の成長の証とも捉えることができるでしょう。
この世の中は、逃げることのできないストレスで溢れています。ならば、柔軟に、そして、しなやかに受けとめる力を身につけて、このストレス社会を乗り切ろうではありませんか!そのためには、いくつかのステップを踏んでいくことになりますが、”折れない強い心”をつくりあげるのは、決して不可能なことではありません。
ポキっと折れてしまったら、自力では元に戻せない電信柱のような心には、まやかしの強さでしかありません。身につけたいのは、樹木のように「バウンスバック(bounce back:跳ね返る)できる」しなやかさと柔軟さを兼ね備えた真の意味での心の強さ。一度、じっくりと向き合ってみませんか?