札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

先週の金曜日、3月8日は「国際女性デー」でしたね。この日はイタリアでは男性が日頃の感謝を込めて、母親や奥さん、職場の女性の同僚などにミモザの花を贈る習慣があることから「ミモザの日」とも呼ばれているそう。気持ちがパッと晴れやかになるような鮮やかの黄色の花をつけるミモザは、私の大好きな花のひとつです。

その日の朝、私は身支度をしながらラジオを聴いていました。ラジオの番組で「国際女性デー」がトピックに上がっていて、その言葉を耳にしたとき、ふと昔の記憶が蘇ってきました。私は「変に記憶力が良い」のですが、そのときに蘇ってきたのは、阿寒湖温泉に住んでいた幼少期に通っていたまりも幼稚園での出来事。年少のときですから、3〜4歳の記憶だと思います。

私が通っていたまりも幼稚園にはトランポリンがあって、いつも年上の男の子たちで占領されていました。なかなか遊びたくても遊べなかったのですが、たまたま、その日は誰もトランポリンを使っていなかったんですよね。「やったー、トランポリンで遊べる！」そう思った私は、トランポリンでピョンピョン跳びはねていました。が、その楽しい時間もそう長くは続かず、年上の男の子が数人でやってきて、私にこう言いました。「女のくせに、生意気だ！（トランポリンから）降りろよ！」

昔から気が強い（苦笑）私は、そう言った男の子に反論しました。「どうして女の子だからって、トランポリンで遊んじゃダメなの？」

相手が複数人で、かつ、年上の男の子だったこともあって、意地悪をされて、私は泣く泣くトランポリンで遊ぶことを諦めたのですが、当時から、「女のくせに」とか「女の子だから」ということで何かを諦めなければならなかったり、行動を制限されたりすることに対して、私は敏感だったんだなぁ…と記憶をたどりながら、改めて思いました。

本家の長男であった父には期待されていたように息子ができなかったため、小さな頃から、何かにつけて祖父母や親戚、周りの大人たちから「男の子だったらよかったのに…」と言われ続けてきた私は、長年の間、「女」である自分自身を受け入れることに難しさを感じていたと同時に、男性に対しては「絶対負けたくない！」というような敵対心に近いような感情を一時抱いてたこともありました。しかし、歳を重ねて今となって思うことは、「男だから」「女だから」というジェンダーでひとくくりにされてしまい、「私」という一個人として言動の自由や平等を尊重されなかったことに息苦しさや生きづらさ、そして、怒りや不公平さを感じていたように思います。

カウンセリングを受けに私のもとを訪れる女性のクライエントの語りを通して、未だに根深いセクシャル／パワー／モラルハラスメントの問題や女性に対する暴力や差別などのジェンダー格差を感じることはしばしばです。私は自身のことをごっつい（笑）フェミニストだとは思っていませんが、私の願いのひとつは、女性が女性であることに不自由さを感じたり、不平等な扱いを受けたりして傷つくことがないような世の中を創ること。

そのためにも、私が持ちうる臨床心理学の知識とスキルを活かして、クライエントの一人ひとりが生まれながらに持っている素晴らしい能力を顕在化させ、その素晴らしい力を生涯にわたって発揮し続けることができるようにエンパワメントをサポートしていきたいと思っています。

最後になりましたが、ひとつ素晴らしい動画をご紹介。
今をときめく英国ヘンリー王子の婚約者メーガン・マークルの2015年の国連でのスピーチです（ざっくりしたスピーチの内容は、こちらの記事をご参照下さい）。彼女はスピーチをこんな言葉で締めくくっています。

It isn't enough to simply talk about equality.
One must believe in it.
And, it isn't enough to simply believe in it.
One must work at it.
Let us work at it.
Together.  Starting now.

ただ平等について話すだけでは、十分ではないのです。
その平等（が実現すること）を信じなければならないのです。
そして、ただ信じるだけでも、十分ではないのです。
実現に向けて一生懸命頑張らないといけないのです。
頑張りましょう。
一緒に。今ここから。

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