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闇と光とカウンセリング

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

先日、六花亭ふきのとうホールで開催されたコンサートに行ってきました。かの有名な詩人 谷川俊太郎さんとDiVaという現代詩をうたうグループのコンサート。なんと、DiVaのピアノは、谷川俊太郎さんの息子である谷川賢作さんが担当されていて、俊太郎さんの詩の朗読と俊太郎さんの詩に音楽をのせたDiVaの曲が交互に展開されるという贅沢極まりないコンサートでした。俊太郎さんと賢作さんのお人柄がにじみ出ていた父子の掛け合いが、とても面白くて印象的でした。また、DiVaのヴォーカルの高瀬麻里子さんの声が美しいこと!力強く、そして透明感がある声に圧倒されっぱなしでした。

曲が演奏されている間、谷川俊太郎さんは何冊かステージの上に持ってきた本をペラペラとめくっていまして、その場で朗読する詩を選んでいるようでした。「アラフォー女性のための詩を書いて欲しい」という出版社からのリクエストがあり、しばらく女性誌に詩を掲載していたようで、その中から2つの詩を朗読して下さいました。どちらの詩も、目頭が熱くなって、涙が頬を伝わってくるほど素敵な詩でした。本日は、そのうちのひとつ『闇は光の母』をご紹介させていただきます。

  闇がなければ光はなかった
  闇は光の母

  光がなければ眼はなかった
  眼は光の子ども

  眼に見えるものが隠している
  眼に見えぬもの

  人間は母の胎内の闇から生まれ
  ふるさとの闇へと帰ってゆく

  つかの間の光によって
  世界の限りない美しさを知り

  こころとからだにひそむ宇宙を
  眼が休む夜に夢見る

  いつ始まったのか私たちは
  誰が始めたのかすべてを

  その謎に迫ろうとして眼は
  見えぬものを見るすべを探る

  ダークマター
  眼に見えず耳に聞こえず

  しかもずっしりと伝わってくる
  重々しい気配のようなもの

  そこから今もなお
  生まれ続けているものがある

  闇は無ではない
  闇は私たちを愛している

  光を孕み光を育む闇の
  その愛を恐れてはならない

            ---- 『闇は光の母』 谷川俊太郎

カウンセリングで扱われる問題や悩み、葛藤は、いわゆる「闇」。でも、その「闇」は「光を孕み」「光を育む」ものであるのだから、ネガティブに捉える必要は一切ない。自分自身の「闇」と向き合うことによってはじめて、そこに宿る「光」がその力を発揮することができるのだ。だから、「闇」を恐れてはならない。谷川俊太郎さんに、そんな風に語りかけられているようでした。

何かとネガティブに捉えられがちなカウンセリングですが、その先にあるのは自分らしさという「光」。多くの方にそんなイメージを持ってもらえると嬉しいなぁと思う今日この頃です。

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臨床心理士  向 裕加

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