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限界設定と人生のイニシアチブ

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

本日は、こちらでの仕事納めでした。
こちらで仕事をするようになり始めた頃は、まだ30歳になるかならないか…という年齢で、相手にする人の多くが私より年上で、おそらく「こんな若造になにができるのか?」と思われていたことかと思います。正直なところ、誰よりも不安だったのは私自身でしたが、チャンスを与えてくださったSTVの人事部の方、私を採用するという決断を下してくださった経営陣、ときに一緒に歩み、ときに私をサポートして下さった保健師さん、そして、関わる機会に恵まれたSTVで働いている職員の方々が、プロフェッショナルとしての私の成長に力を与えて下さったと思っています。初めて社屋に足を踏み入れた日から12年が経とうとしていますが、そのときに経験した背筋がピンと伸びるような良い緊張感をいつまでも忘れずにいたいな〜、とこの写真を撮りながら思った次第です。STVの皆さん、2017年も大変お世話になりました!

…とSTVのお話をしつつ、テレビ局繋がりとは言え、他局のディレクターさんの話をするのは実に忍びないのですが、本日は、人気バラエティ番組「水曜どうでしょう」のディレクターであり、カメラマンでもある嬉野雅道氏の東洋経済オンラインに掲載された記事『「水どう」嬉野D、7年の鬱で悟った人生哲学 楽しく生きる極意は「他人に負けてもいい」』をご紹介したいと思います。

とても秀逸な記事なので、是非、上記のリンクから飛んでいただいて読んでいただければ嬉しいのですが、なぜ、今日この記事をご紹介したかというと、最近カウンセリングを実施したクライエントさんとのセッションで「限界設定」の話になることが多かったからです。

30を過ぎて東京でディレクターとして仕事をしていた嬉野氏は、当時、プロデューサーから10日ほどでロケをするように言い渡されたそうです。嬉野氏はその仕事は「20日間は要する」と判断したそうですが、プロデューサーは「10日でやりきるのが、おまえの仕事だろっ!」と言い放つのみ。結局、嬉野氏はプロデューサーから言われた通りにするのですが、仕事自体は大失敗に終わってしまったそうです。その後、嬉野氏は、こう思ったそうです。

”最初にプロデューサーに怒鳴られたとき、私には言うべきことがあったのです。「それは違う。少なくともオレを雇うのなら現場は20日かかる。どうしても10日でやりたいなら、別の経験豊富な人に頼んでもらうしかない。10日でやれるかもしれない。でも、オレがやるなら20日かかる。その代わり、絶対20日で撮りあげる」と。”

ここで嬉野氏は、とても大切なことに触れていると、私は思いました。それは「限界設定」の大切さ。

嬉野氏がプロデューサーに振り切られたように、仕事という場においては「それ、何とかするのがお前の仕事だろう?」と、「仕事」を大義名分に無茶振りされることが多いことは、皆さんも経験済みのことと思います。特に、若いうちは「仕事」と言われたら、それは「絶対命令であり、覆すことができない」と思い込んでいる節があるので、「仕事だから仕方がない…」と思って、相手からの要求をよく吟味することなく、安易に引き受けてしまいがち。嬉野氏もそうだったのだと思いますし、若かりし頃の私にも、似たような経験は山とあります。

誰にしも、「やれること」には限界があります。その限界を自分自身が客観的にどれだけ把握しているか、そして、「やれること」と「やれないこと」に対する「限界設定」を周囲に提示できるかどうかは、仕事や周りの人に振り回されたり、潰されたりしないためにも必要不可欠なこと。ただ、真面目であれば真面目である人ほど、この「限界設定」の大切さに気づいておらず、「できないのは、私の努力が足りないからだ!」と相手の過剰とも言える期待や要求に応えようとしたり、自分を責めたり、罪悪感を覚えたり、一人で抱え込んでしまったりしがちで、その結果、潰れてしまうことも少なくないのです。

だからこそ、「やれること」と「やれないこと」を客観的に把握して、自分に対しても周囲に対しても「限界設定」をすることは大切なんですよね!嬉野氏の言葉を借りると「人生はイニシアチブを取らないと、自分で主導権を取らないと、いつか、生きていることが苦しくなる。だから自分の頭で考えることをやめてはいけない」。この言葉、ズシンと心に響きます。

今日は仕事の場面を想定してお話をしてみましたが、これはどんな人間関係にも応用できる考え方です。誰かに何かを頼まれても「NO」と言えない真面目な人や、いつも誰かの期待に応えようとする「いい人」は、この「限界設定」が上手にできない傾向が強いです。

「しあわせは いつも じぶんの こころが きめる」とは相田みつをさんの名言ですが、「限界設定」をするということは、自分のこころで幸せを決めるということ。2018年は、周りの期待や要求に応えるばかりではなく、自分の心で自分の幸せを決める1年にしてみませんか?カウンセリングオフィス プログレスが、そのお手伝いをさせていただきます。

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臨床心理士  向 裕加

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