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点と点が繋がる出会い

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

12月も半ばを過ぎて「良いお年をお迎えください」と口にする機会がグッと増えてきましたね。
「今年1年、本当にお世話になりました。ちょっとしたものですが、お疲れになったときにでも食べてください」という温かい言葉と共に、本日お越しになったクライエントさんから、お菓子のパッケージをいただきました。この方は、今年の初め頃からオフィスに通ってきてくださっていますが、「最初に出会ったのは、もうそんな前になるんだなぁ」と感じるほど、あっという間に時間が過ぎ去っていったような気がします。紆余曲折はありますが、この方も格段の「プログレス」を遂げているクライエントさんのおひとり。屋号をつけるときは悩みに悩みましたが、クライエントさんと共に「プログレス」を体現できるオフィスに成長しつつあることを嬉しく思う今日この頃です。

今年はたくさんのクライエントさんとの出会いがありましたが、ご縁をいただいて、仕事以外の場でもたくさんの方との出会いに恵まれた1年でもありました。定休日だった昨日は、最近ご縁があってお知り合いになれた方と俊カフェでデートでした(俊カフェについては、今度、『勝手にオススメ』シリーズでご紹介させていただきます♪)。実は、この方との初めて出会いは、実は30年以上も前に遡ります。

当時、小学生3〜4年生だった私は、時々、母に頼まれて、近所にある幼稚園に通う妹をお迎えに行くことがありました。保育園育ちの私からすると幼稚園というのは憧れで、それだけでも妹のことが羨ましかったのに、妹の担任の先生は時々しか会わない私にも優しくしてる美人で、心底羨ましかったことを今での昨日のことのように覚えています。

昨年くらいから、共通の友人がいるおかげで、Facebookでチラホラお写真を見かける女性がいました。「どこかで見覚えがあるぞ〜。名前もなんだか聞いたことある…。あれ、ひょっとして妹の幼稚園の先生?」そう思いながら過ごしていた矢先、先月私が参加していたとある会にその女性も参加していることが判明。思い切って声をかけてみました。私が名乗ると、その方の口からスンナリと妹の名前が出てきて、「お姉さん、お母さんの代わりにお迎えにきていましたよね?」と思い出して下さったのです!なんと、30数年ぶりの再会でした。

Mさんは幼児教育にずっと携わってきて、ここ数年は「絵本セラピスト」としてご活躍されています。幼児教育から絵本セラピストに転身したのは、やはり子どもの育ちは大人の心の安定がその基盤にあり、まずは大人にアプローチする必要性を強く感じたからだそうです。ただ、子どもと異なって、大人は「意識」が邪魔をして自己防衛的になりがちですが、「物語」や「絵」、そして、誰にでもわかる「やさしい言葉」といった絵本の特性は、侵襲的にならずに大人の心にもアプローチできるということで、「絵本」を媒介として心へのアプローチを試みているとのことでした。

そんなMさんが、私に紹介して下さったのが、こちらの絵本。
「私を大切にするとはどういうことなのか」を考えさせられる一冊です。「和」や「協調性」が重視される日本社会では、「周りの人と同じように、私自身も大切にしましょうね」というメッセージは、一歩間違えられると「わがまま」や「自己中」という言葉で片付けられてしまいがちですよね。でも、このほんわかとした可愛らしい絵とストーリー、そして、Mさんの優しい柔らかな声を通すと、不思議とメッセージがスッとこころに入ってきて、心がほんのりと温かくなった感覚がありました。すごいですね、絵本の力!絵本にこんなセラピューティックなパワーがあっただなんて、お恥ずかしながら知りませんでした!

ということで、Mさんにオススメしていただいたこちらの本も早速購入して、読んでみました。
この本のタイトルとよく似たタイトルの本、「こころの処方箋」の著者である河合隼雄先生は、日本の臨床心理学の世界においてはカリスマ的な存在でした。「こころの処方箋」は私も読みましたが、これは臨床心理学を勉強していない人にもよくわかるように書かれており、河合先生の数ある著書の中でも名著だと個人的に思っています。そんな河合先生は、晩年、絵本や児童文学を熱心に研究されておりました。絵本には、文化や社会、そして時代を超えた普遍的な知恵や心へのアプローチのヒントがたくさん隠されており、それらを手がかりに心へのアプローチを働きかけたパイオニアは河合先生でした。

大人は、理性や知識、常識や経験によってがんじがらめにされています。そんな大人が絵本の世界に入り込むことで忘れかけていた純粋な子ども心を取り戻す。そうすることによって初めて、見失いかけていた物事の本質や自分自身に近づくことができるのかも知れません。そんな絵本や児童文学の潜在的な力を河合先生は後世に伝えようとしていたのでしょうね、きっと。(写真左側の男性が、河合隼雄先生ご本人)
この写真が撮られた20代半ばの頃は、一切、興味がなかった絵本や児童文学の世界ですが、Mさんとの出会いを通して、改めて勉強してみようという気持ちになりました。Mさんとの30年ぶりの再会、そして、約15年前の河合先生との出会い。それぞれの出会いに直接的な関連性はないものの、こんな風に点と点が繋がっていく人生とは、実に不思議なものだと感じていると同時に、お二人に会うことがなければ、絵本や児童文学に興味を持つことはなかっただろうことを考えると、もたらされたご縁を大切にしていきたいと思っている師走です。

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臨床心理士  向 裕加

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