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コミュニュケーションや心を成長させるちょっとした工夫

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

昨晩、帰宅する途中に立ち寄った家電量販店で、こんなものを見かけました。
何かと思えば「コミュニケーションロボット」だそうです。「へぇ〜」と思いながら、店頭で画面から流れる下記の動画を見入ってしまいました。

すごいですよね!

”まるで生きているように自発的に動き、音声だけでなくしぐさや表情で会話を楽しめるコミュニケーションロボットです。あなたを認識し能動的に働きかけたり、コミュニケーションをサポートしたり、コミュニケーションのきっかけをつくったりなど、あなたの生活に寄り添うことで大切な人とつながり、日常を豊かにしてくれます。”

というのがこの商品のコンセプトのようですが、私がちょっぴり残念に思ったのは、コミュニケーションをサポートしたり、きっかけをつくったりするのは、人間でもできることなのにもかかわらず、あえてロボットがしているということ。AI(Artifical Intelligence)の開発と発展は、私たちが想像していた以上に加速していることをまざまざと見せつけられた気持ちになりました。

さて、コミュニケーションと言えば、本日オフィスにやってきたクライエントさんとこんな話になりました。

今日お越しになったクライエントさんは、職場の同僚に言われた一言に心を痛め、気持ちが沈みがちな日々を過ごしていらっしゃったそうです。争いごとが苦手なこともあり、日頃から「自分の意見や気持ちは言わないようにしている」彼女でしたが、眠れない日もあるくらい悩んでいたこともあって、思い切って上記の出来事が起きた現場にもいた別な同僚に自分の気持ちを打ち明けたそうです。その時の同僚のリアクションは「あ〜、あれはひどいよね。あんな言われ方したら、キツイよね」といったもので、彼女に共感を示してくれたそうです。

「第三者の同僚から客観的に見ても、『あんな言い方はないよね』というような物言いだったんですね」という私が言ったところ、彼女からは「たまたま期待していたリアクションが返ってきたので打ち明けて良かったし、気持ちもスッキリとしましたが、もし『そんなこと、まだ気にしてるの?あんなの聞き流しなよ!』なんて、期待していたリアクションとは違うリアクションが返ってきたら、傷ついてきたかも知れませんね」というレスポンスが戻ってきました。

嫌なことがあったとき、ストレスが溜まったとき、誰かに話を聴いてもらうということは大切なことです。自分の中にあるものを言葉を介在として外に出すプロセス自体に浄化作用があります(心理学の専門的な用語では”カタルシス”と呼ばれているものです)。また、内側にあったものを外側に出すこと(これを”外在化”と呼びます)によって、心理的な距離を置くことが可能となり、自分自身を客観的に見ることができるようになるという効果もあるからです。

ただ、今日お越しになったクライエントさんのように、自分が期待していた反応とは異ったリアクションをされて傷つくかも知れない…という恐れから、どんなに嫌なことがあっても、どんなにストレスが溜まっても「誰にも言わない」という選択をしている人も少なくありません。このような場合にオススメしたい、ちょっとしたコミュニケーション上の工夫があります!誰かに悩みを打ち明けられたり、ネガティブな感情に陥っていると話されたら、皆さんだったら、どんな風に感じるでしょう?恐らく、多くの人は「あ〜、このネガティブの人を何とかしてあげなくちゃ!」と考えるのではないかと思います。だからこそ、「こうしたら良いんじゃない?」とか「そんな風に思っていても、何も変わらないよ!」とか、自分が思いつくアドバイスや助言を次々にしていくのですが、相手からはいまいちな反応しか戻ってこないので、イライラしたり、無力に感じたりして、2人の間に険悪なムードが漂ってしまう…ということは少なくないようです。

ここで問題になるのが、2人の間のコミュニケーションのズレ。もしかすると、単に「悩んでいることやネガティブな感情に陥っていることを聞いてもらいたいだけ」なのかも知れないのに、その先読みをして「何とかしてあげなくちゃ!」と思って助言やアドバイスをするという行為には、お互いがお互いに期待している「役割」に「ズレ」が生じているから、コミュニーションがうまくいかないのです。ですから、相手に期待していることを明確にする必要があります。ただ「話を聞いてもらいたいだけ」のときは、話をする前(←ここがポイント!!)に、予め相手にこう宣言して下さい。

「アドバイスや問題解決はしなくて良いから、今から話すことを聞いてね」

そう宣言することで、相手は「あぁ、黙って話を聞いていればいいんだ」と自分に求められている「役割」が明確になり、問題解決に向けてアレコレ考えることなく話を聞くことに集中できます。また、話をしたい本人も黙って聞いてもらえることで安心して話をすることができ、気持ちもスッキリとするんですよね。お互いイライラしたり、傷ついたりすることもなく、精神的に落ち着いた関係の維持が可能になるんです。

「こんな感じのちょっとした工夫ならトライできそうですか?」とクライエントさんにお伺いしてみたところ、「なるほど!それなら簡単ですし、安心して自分の気持ちを口に出せそうですね」とおっしゃっていました。

昨今、コミュニケーション力がある人とは、堂々と人前で話すことができる人や人を惹きつけるようなプレゼンテーション力がある人というイメージがつきまといますが、私が感じるコミュニケーション力がある人とは、上記のような「ズレ」を「言葉」を通して縮めていくことができる人だと思っています。些細なことでも、丁寧にこのような「ズレ」を埋めていく工夫ができるようになると、コミュニケーションは格段に楽しくなり、その力や心も成長していくことでしょう。

カウンセリングオフィス プログレスでは、カウンセリングを通して、あなたのコミュニケーション力アップをサポートします!お気軽にお問い合わせ下さい。

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臨床心理士  向 裕加

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