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ストレスチェックの活用方法

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。今日の日中はほんわかした陽気に包まれていましたが、今朝6時過ぎに朝ランに出たときは気温が5℃くらいしかなかった模様。外がそんなに寒いとは思わず薄着だったせいもあって、めちゃくちゃ寒かったです。

さて、先日、こんな記事を目にしました。
『ストレスチェック、義務化後も実施率8割…「職場改善へ活用」4割下回る』

「ストレスチェック」とは、2014年の労働安全衛生法の改正で、50人以上の従業員がいる事業所に義務づけられています。質問項目に回答することによって、各従業員のストレスの度合いが数値化されます。結果は本人に通知され、高ストレス者と判定された人については、希望があれば産業医や臨床心理士、産業カウンセラーなどの面談を受けることが可能ですが、面談したことがバレたら査定に響くのではないか?という懸念から、実際のところ、高ストレス者と判定されても面談を希望する人は、4%程度に留まっているという報告もあるほどです。ストレスチェックが導入されたは良いけれども、あまり活用されていないということであれば、「あまり意味がないのでは?」と思われるのも仕方ないように思います。

…が!「ストレスチェック」の結果には、オーダーメイドのストレスマネジメント方法を考える手掛かりとなる情報が詰まっています。ストレスのきっかけや症状は様々です。ですから「ストレスにはこう対処しなさい!」と一般化できません。「あなただけのストレス」に気づくことが、「あなただけのストレスマネジメント方法」を手に入れることの第一歩。その「あなただけのストレス」に気づくきっかけを「ストレスチェック」は作ってくれているのです。

心理学の世界では、ストレスを「ストレッサー」と「ストレス反応」の2つに分けてとらえています。

「ストレッサー」とは、私たちを苦しめる様々な「ストレス状況/環境」のこと。「愚痴っぽい同僚」や「やたらと細かい上司」などの人間関係から、「工事で発生する騒音」や「交通渋滞」などもストレッサーとなります。また、「結婚」や「昇進」、「出産」など一般的には嬉しい出来事であっても、大きな環境の変化や責任の発生などによってストレッサーとなり得る場合もあります。

「ストレス反応」とは、これらのストレッサーに対する「心と体の反応」。「気分の落ち込み」や「イライラ」などの心の反応や「胃が痛くなる」「心臓がバクバクする」といった体の反応が「ストレス反応」となります。ストレッサーとストレス反応は、いつもペアであると考えてください。

ストレスのことについてお尋ねすると、「私はストレスとは無縁ですよ!」と自信満々にお答えになる方が少なくはありませんが、ストレスと無縁だということは絶対にあり得ません!生きていれば、何かしらのストレス反応が起きるのは人間として当然のこと。なので、このようなお答えをする方は、日常的に感じる些細なストレスに気づかずに放置していたり、気づいているのに「なかったことにしてしまっている(否認)」可能性があります。

これ、実は、怖いことなんです。というのも、一つ一つは小さな問題かもしれないけれども、時間をかけて積み重なっていくうちに、重大な心や体の病に発展する危険性があるからです。そうなる前に、何が問題なのか?をしっかりと理解することが大切なのです。

ストレスチェックでは、「活気」「イライラ感」「疲労感」「不安感」「抑うつ感」といった【心理的反応】と【身体的ストレス反応】を測定することができます。結果を見て、「おかしいな〜、ストレスなんかないのに、どうしてこんな結果なんだろう?」と思ってる方は、いらっしゃいませんか?そのような方は、知らず知らずのうちに小さなストレスを積み重ねていたり、「なかったことにしてしまっている」可能性が大ですので、そのようなストレス反応が起きてみたときのシチュエーションを思い出してみて下さい。

例えば、「イライラ感」が高かった人は、最近イライラしたときの場面を思い出してみることから始めてみて下さい。必ず、その「イライラ感」を引き起こした「ストレッサー」が存在するはずです。具体的な「ストレッサー」と「ストレス反応」を細かくわけて観察していくと、自分自身の「ストレス体験」が明るみになってきます。そうすることで「ストレスの悪循環」や自分の「ストレスを感じやすい傾向」もわかってくるんですよね。そこで初めて、ストレスに対する「対策」を打つことができるのです。

恐らく、みなさんは、具合が悪くなったときやみくもに薬を飲むのではなく、症状を理解した上で、その症状を抑えてくれるのに適した薬を飲むのではないでしょうか?ストレス対策も同じです。まずは、どのような状況下で、どのようなストレス反応が起きているのかを把握する。それが最初のステップで、ストレスチェックから得たデータは、そのきっかけを作ってくれているのです。

社会の変化が加速する中で、仕事量や責任の重さは増す一方で、人間関係もより複雑化してきていると感じるのは、私だけではないはずです。しかし、人間のキャパシティはそうそう変化しないもの。だとすると、ストレスを理解し、いかにそれを工夫してマネジメントするか?というスキルこそが、こんな生きづらい社会を生き抜き、より良く生きるための大切なスキルとなるのです。

ストレスチェックの結果を活用しながら、「あなただけのストレス」を理解すること、そして、オーダーメイドのストレスマネジメント方法を見出しませんか?カウンセリングオフィス プログレスは、みなさんがよりよき日々を送るためにサポートをいたします。

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臨床心理士  向 裕加

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