人の変化は突然に…
札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。
今日は久しぶりの雨の1日。秋は雨が降るごとに気温が低くなると言われていますが、今日もまさにそんな感じですよね。我が家のリオ(♂、右)とルナ(♀、左)も、窓から入ってくる空気が日に日に冷たくなってきているのを感じとってなのか、ここ数日間で一緒に丸まって寝ることが増えてきました。動物は変化に敏感ですね!
さて、変化…と言えばなのですが、この1週間ほどでお会いしたクライエントさんたちが良い方向に変化をしているのを目の当たりにして、カウンセラーとして、私もとても嬉しく思っているところです。
あるクライエントさんは、自分自身のことを客観的にみることができるもう1人の自分がいるかのごとく、ストレスフルな出来事が起きたとしても、感情に呑み込まれることなく、客観的にその出来事を眺め、対処することができるようになりました。
また、あるクライエントさんは、不安がとても強く、「自分は何をやってもダメなんだ」という自己肯定感の低さから、長い間仕事に就くことができませんでした。カウンセリングに通いながら「働いてみたい」という前向きな気持ちになれたことから、春頃からアルバイトを開始。最初からはうまくはいきませんでしたが、その都度カウンセリングでうまくいかなかったことや落ち込んだこと、不安に思ったことを一緒に振り返ることで、不安などのネガティブな感情と少しずつうまく折り合いをつけることができるようになり、最近では自分自身の頑張りを正当に評価することが、自然とできるようにもなりました。また、「大丈夫。私ならできる」という自己信頼感も高まりつつあります。
雨が降るたびに空気が少しずつ冷たくなってきて、秋に深まりが出てくる…といった季節の変化のように、カウンセリングを受けている人の変化も少しずつ訪れます。ラブ・ストーリーや突然にやってくるかも知れませんが、人の変化はそう突然にはやってこないのが現実です。
「カウンセリングを受けたら、問題や悩みの全てが解決される!」というようなことを期待する方は少なくありませんが、実際に、人が変化するときは劇的(ドラマチック)な変化は起こりません。むしろ、「あれ?そう言われてみたら、変わっていたかも」「そういえば、以前悩んでいたことをそれほど気にしなくなったなぁ」というくらいがベストな変化だったりします。実際、私のクライエントさんたちも同じで、私が変化をフィードバックすると「そう言われてみれば、そうですね〜」という感じ。
ですから、1回や2回くらいのカウンセリングでは、変化を期待することは、かなり難しいのです。「カウンセリングを受けたけど、全然変わらなかった」という方は、恐らく、その期間や回数が短かったのだと思います(こちらのブログ記事もご参照ください→ティッピングポイント:ビジネスとカウンセリングの共通点)。
早々に私に見切りをつけ、カウンセリングには来ない…という選択肢もあったかと思いますが、私を信じて、通い続けてきてくれたことに感謝すると同時に、クライエントさんたちの表情がどんどん明るくなり、行動も活発になって、生き生きとしていく様子を見ていると「人間の可能性って素晴らしいな〜」と私も勇気づけられます。そのような人生の大切な一部分をシェア(共有)してもらえることも、この仕事の醍醐味だと思っています。
そのような変化をより多くの人に味わっていただき、心穏やかな日々を送っていただきたいと日々願っていますし、そのために私がお役に立てることは、もっともっとたくさんあるはず!と信じているのですが、なんせ、カウンセリングに対する世の中の一般的なイメージがあまりにも良くない!カウンセリングのように変化は少しずつしか訪れないかも知れませんが、この常識を覆していくべく、明日もマーケティングの勉強をしに行く予定です。
クライエントさんたちが教えてくれる「人は変わろうと思ったら、いつになっても変われる」ということが、いつも不安な私の背中を押してくれています。そういう意味で、私はクライエントさんたちに大きなサポートをいただいています。小さな一歩であったとしても、明日もクライエントさんたちと一緒に「前進(プログレス)」できることを喜びに、頑張っていきたいものです。
カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士 向 裕加