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“NET SURFER becomes REAL SURFER”とカウンセリング

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

昨日、私のFacebookのタイムラインに、こんな動画が上がってきました。

これ、宮崎県日向市のPR動画なんです。初めて観たときにグッと惹かれるものがあって、以来、何度も再生して観ています。心から気に入ったものは、何度でもリピートするという私の性格が、こういうところにも表れるんですよね(笑)。そうこうしているうちに、気づいたことがあります。

「これって、なんかカウンセリングやクライエントとカウンセラーの関係性に似てない!?」…と。

カウンセリングを受けているだけで問題や悩みが解決する…と、カウンセリングに対して受身的なイメージを抱いている人は少なくありません。しかし、実際はどんなにカウンセリングを受けたとしても、カウンセリングの中で話し合われたことを実生活の中で行動に移してみたり、物事を意識的に今までとは異なった角度から捉えてみたりしないことには変化は生じません。

しかも、それが最初からうまくいくか?と言えば、そんなことはほとんどなく、最初は失敗の連続です。その失敗を分析して、「どこをどんな風に変えていけば、事態は良くなるのか?」という戦略を立て、また実践する…という繰り返しを重ねることで、初めて変化が生じてくるものです。

この動画では、失恋したポッチャリ系ネットサーファー男子が、日向の海でサーフィンを始めます。もちろん、最初から波に乗れるわけもなく、海に溺れちゃう…というところからのスタート。パドルして沖に出ることもままならず、ネット上では「オットセイ、ワロタ」と揶揄されたり、笑われたり。なかなか上達しないもどかしさがありながらも、毎日海に足を運んで練習しているうちに、少しずつ変化が現れはじめます。

波に乗ることができるようになっただけでなく、人との繋がりもだんだんと広がり、笑顔が増えました。猫背だったのがピンと背筋が伸びた綺麗な姿勢になり、真っ白でポッチャリしていた身体が、ほどよく日焼けして引き締まった身体に!顔つきも凛々しくなって、自信が感じられる佇まいへと変化していくプロセスが非常に印象的です。

彼が「できない」「変われない」と諦めるのは簡単だったと思います。しかし、誰かに何かをしてもらうことを期待するのではなく、「自分というものは変えることができる」ということを信じ、自らと向き合い、自らが行動することで「自分というものは変えることができる」を体現したこの動画は、カウンセリングのプロセスにも共通するものがあります。

日本社会では「ポジティブ(思考)」とは、前向きな姿勢やテンションを上げる…というような意味合いで捉えられることが多いですが、アメリカでは「自分というものは変えることができる」という考えが「ポジティブ(思考)」の意味として捉えられているそうです。アメリカでカウンセリングが広く受け入れられている要因の一つには、カウンセリングに通っている人は「自分を変えようとしているポジティブな人」という理由があるからなんですね。

そして、このポッチャリ系ネットサーファー男子に寄り添うイケメンサーファーは、なんとなくカウンセラーみたいな役割をしているな〜と思いました。溺れるネットサーファー男子を助けたり、練習に付き合ったりして、とにかく彼を根気良く、そして、温かく見守っている。サーフィン以外のところでも、彼を他の多くの人と繋げる役割を何気なく(←ここ大事!)果たしていて、彼のサポーターとして黒子に徹しているところなんかも、実にカウンセラーの役割に似ているところですね!

ふたりが初めて出会ったとき、イケメンサーファーはポッチャリ系ネットサーファー男子に「海、似合ってないね」と声を掛けるのですが、それが最後には「海、似合ってきたね」というセリフに変化します。ポッチャリ系ネットサーファー男子の努力や頑張りを認める肯定的なフィードバック。それに対する彼の返事は、2回とも「ほっといてください」という同じセリフなのですが、そのニュアンスは間違いなく変化していて、2度目の「ほっといてください」には、逆説的ながらも「見守っていてくれてありがとう」という彼の気持ちが溢れているように、私には感じられました。

カウンセリングはオープンにできないことが多いため、カウンセリングやカウンセラーのイメージをつかむことはなかなか難しいと思うのですが、この動画を通して、「カウンセリングって、こんな感じなんだ」「カウンセラーって、こういう役割をしてくれるんだ」というイメージを少しでもつかんでもらえると嬉しいです。

あ、でも、カウンセリングではサーフィンはしませんよ!そのところは、お間違えのないように(笑)!

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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