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従業員と共に成長する企業のメンタルヘルス対策

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

我が家が入居しているマンションは、只今、大規模修繕工事中。本日の午前中は、窓のサッシを新たに取り付ける工事がありました。全部の窓が開くこと、そして、外部から人が入ってくることもあり、超〜人見知りな愛猫リオとルナが取り乱すことは間違いなく、気が動転して外に飛び出してしまうのも困るので、工事中は実家に避難させることにしたのですが、これがまた一苦労でして…。

 リオはそうでもなかったのですが、ルナとは格闘せざるを得ない状況に…。「猫は家につく」と言われているくらい環境変化に弱い生き物ではありますが、うちの子たちは本当に環境の変化に弱くて、困っちゃいます。工事は11時半くらいまでには終了して、お昼前には自宅に戻ることができたのですが、朝から一波乱も二波乱もあったせいか、まだお昼だというのに、身もこころもすっかりグッタリになってしまいました。

そんなこんなでオフィスに行くまでは「あー、仕事に行きたくないっ!」と叫んでいた(こころの中でですよ、こころの中!)私ですが、一旦オフィスに到着してしまえば、スイッチ(カフェイン?)が入って仕事モードに突入。無事に、今日のセッションをこなすことができました。

本日は、ある企業の経営者の方から、従業員への対応に関するご相談を受けました(コンサルテーション)。コンサルテーションをしていて一番印象的だったのは、経営者の方の従業員を大切に想うこころ。経営者として従業員に寄り添い、従業員をサポートすることを通して、従業員と共に会社も成長していきたい。経営者の方の言葉の奥深くには、そんな熱い想いがあったように感じられました。

実際のところ、この経営者の方は従業員の方をよく観察しており、日頃から積極的にコミュニケーションも取られている方でした。これは、経営者の方ご自身の関心が従業員ひとりひとりに向けられている証拠であり、従業員を様々な角度から理解しようとする態度が反映されていると感じました。また、メンタルヘルスについての理解もある方で、非常にお話しやすく、「ありがたいな」と思いました。

企業におけるメンタルヘルスを扱うときに難しく感じるのは、トップや管理職についている方のメンタルヘルスについての考え方や態度によって、結果が大きく異なることです。

メンタルヘルスについての理解を示すこと=従業員を甘やかすこと、メンタルヘルスの不調に陥る=その個人のこころの弱さ…などといったような風に上層部が捉えている企業では、休職者や離職者は後をたたないことが多く、職場力の低下の負のスパイラルが発生しがちです。また、結果やスピードばかりを重視する傾向が強く、たった1度や2度しかカウンセリングを実施していないのに「カウンセリングを受けさせているのに、全然変わらない。カウンセリングなんてお金の無駄だ!」とバッサリと切る方もいらっしゃいます。確かに仰るとおりかもしれませんが、人を置き換えるためには大きなコスト負担を強いられることになりますから、「人が健康なまま働いてくれ、人が辞めない環境づくり」の一環としてカウンセリングを導入するほうが、負担を軽減することができます。しかし、そのメリットを知っている経営者や上層部の方は、案外少ないのかも知れません。

一方で、本日お会いした経営者の方のように、個人のメンタルヘルスの問題を「組織として取り組むべき重大課題」として扱うことは、メンタルヘルス不調に陥っている本人だけでなく、他の従業員に対しても「安心して働ける職場」であることを明示することでもあり、そのような職場では個々の能力やパフォーマンスが発揮されやすく、職場定着率や生産性も高くなる傾向にあります。まさに、これが「人が健康なまま働いてくれ、人が辞めない環境づくり」です。しかも、それが企業の成長につながるのであれば、企業としては願ってもないことですし、企業のメンタルヘルスをサポートする私が望む企業の姿はここにあります。

まだまだ、メンタルヘルス対策に積極的な企業は、北海道ではそう多くありません。しかし、同じ方向を見て、企業のメンタルヘルス対策に一緒に取り組んでいける経営者の方がいらっしゃることを直に知ることができたことは、私にとって非常に心強いことでもありました。カウンセリングのように、経営者の意識が変化していくには時間がかかることでしょう。しかし、本日お会いした方のような経営者を1人でも2人でも増やしていきたい。そのためにも、私自身も働く人のメンタルヘルス対策についての活動を積極的に推進していきたいと思っています。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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