35年前の記憶がもたらした気づき(その1)
札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。
先週は2日もお休みをいただき、ご迷惑をおかけしましたが、おかげさまで無事に3日間にわたるセミナーを修了することができました。ありがとうございます!
セミナーは、10〜19時×3日間という盛りだくさんなスケジュールでして、夜出掛けたり、ショッピングに行ったり、観光をする時間などは一切ありませんでしたが、濃密で有意義な学びの時間を過ごすことができたこと、そして、素敵な出会いがあったことに心から感謝しています。
とは言え、ジッとしていられない性格(笑)な私は、日曜日の朝、ホテルからこちらまでランニング。
どこだか、おわかりになりますか?もう1つのヒントはこちら。山手線の原宿駅です。原宿駅に鳥居…といえば、そうです、明治神宮です!
実は、今回が初めての訪問だったのですが、東京のど真ん中にこんなにも壮大な森があるだなんてビックリしてしまいました!なにかと騒々しい原宿ですが、境内に一歩足を踏み入れると、全くの別世界が広がっていて、静寂さがどこまでも続く境内は、荘厳な空気が漂っていました。この日は朝5時開門だったようで、到着が6時前だったにもかかわらず、たくさんの人がお散歩していました。しっかりお参りもしてきましたよ!
さてさて、今日はこの連休でのセミナーで得た、私自身の気づきについてお話をさせていただこうと思います。
セミナーでは、潜在記憶への働きかけをするエクササイズもありました。日頃、注意や関心が向けられない潜在記憶が活性化していたせいもあるのでしょう。すっかり忘れられていた記憶が蘇ることで「そういうことだったのか…」という点と点が結ばれる瞬間が何度かありました。これからお話しようと思うことは、私がセミナーで直接的に学んだことではありませんが、私の中でうごめていたモヤモヤを取り除いてくれたという点において、とても深い意味がある新たな気づきであったことには間違いありません。
では、すっかり忘れられていた、その記憶とは?
それは35年前に遡ります。
当時小学校1年生だった私は、父がホテルに勤めている関係で、札幌市郊外の温泉街に住んでいました。地元の小学校に入学したものの、両親が祖父母と一緒に住むための二世帯住宅を札幌市の中心部に近いところに建てたため、夏休み中に引越しすることが決まりました。おぼろげな記憶をたどると、引越しすることを知らされたのは7月に入ってからのこと。それも終業式の1週間前くらいだったかと思います。そんなこともあり、クラスの担任の先生から、その小学校での最後の思い出に終業式で全校生徒の前で作文を発表してみない?という提案がありました。私は二つ返事でOKをして、作文をしたためていました。
記憶は定かではないのですが、終業式の前日か当日だったかと思います。先生がみんなの前で、私が全校生徒の前で作文を発表することをアナウンスしました。それまで作文を発表するということをどうも思っていなかった私でしたが、ある女の子の一言が全てを変えました。
「大したできもしないゆかちゃんが、どうして選ばれるの?おかしいよ。いつも先生にくっついて、ゆかちゃん、先生に何か言ったんでしょ?」
とても仲が良かった子ではないのですが、そこそこ仲良く遊んだりしていた女の子にそんなことを言われて、ショックを受けたのを覚えています。「大したできもしない私は、選ばれてはいけないし、目立ってもいけないんだ。」そう思いながらも、言われたのが直前だったため、今更後戻りすることもできないまま、終業式の日、全校生徒の前で、書いた作文を読み始めました。
今でも鮮明に覚えているのが、作文を読んでいる途中で泣いてしまったこと。周りの人たちは「転校して、みんなと離れるのが寂しいし、悲しいんだ」と思って慰めてくれたのですが、泣き出してしまった本当の理由は「恐怖と不安」からでした。大したできもしない(実力のない)私が目立つことは、許されないこと。いちゃもんをつけてきた女の子が私を拒絶したように、みんなにも拒絶されるかも知れない。友だちが、いなくなっちゃうかも知れない。そんな考えが頭を過ぎったら、気持ちが乱れてしまったのです。
実際、1年生の2学期に転校した先の学校では、2学期に転校してくる生徒なんかほとんどいないので悪目立ちしてしまい、クラスを既に仕切っていたボス的な女の子に目をつけられてしまいました。そのせいで、しばらくは友だちができず、ひとりぼっちの状態が続いたのです。その経験も「大したできもしないのに、目立ってしまったから、友だちができないのだ」という偏りのある勝手な私の”思い込み”を”確信”へと仕立て上げてしまった要因のひとつだったように思います。
セミナー中に蘇った、すっかり忘れてしまっていた35年前の記憶。この記憶にアクセスすることができたことで、今まで「モヤモヤ」としていたことの一つ一つを説明することが可能となったのです。
点と点が、どう繋がったのか?
ちょっと長くなりそうなので、続きは次回のブログで…。
カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士 向 裕加