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それはあなたのこころの問題ですか?

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今日は朝からどんよりとしたパッとしないお天気ですね。せっかくの北海道神宮祭だというのにこのお天気とは、ちょっと悲しい感じがします。

さて、今日は、先日友人と話していて思い出した10数年前のエピソードをご紹介しようと思います。

HPのプロフィールにもあるように、私が初めて臨床の現場に出たのは札幌医大でした。

札幌医大で仕事をするようになったのは、北海道新聞に掲載されていた求人広告がきっかけ。私が所属していた神経精神科の医局で秘書を募集していて、その求人広告を目にした私は「心理職ではないけれども、もしかすると心理の仕事に繋がっていくかも知れない」と思い、履歴書を送付。その数日後、当時の医局長のドクターから電話が入り、面接に行くことになりました。

そして、面接では医局長から「秘書の仕事に応募してくれたけれど、実は心理士のポストも春から空くんだよね。もし、良かったら心理士として働かない?」というオファーを受け、秘書ではなく、心理士として仕事をすることが決まったのです。

実は、私の修士時代の指導教官は札幌医大出身の精神科医で、札幌医大の名誉教授でもあった方。もちろん、札幌医大の神経精神科の医局でも私の指導教官のことを知らない先生はいないくらい有名な先生でしたが、私は自分の指導教官には全く何も言わずに面接を受け、仕事の話が正式に決まったときに初めて指導教官に電話で報告したのでした。

このことについて、私は指導教官以外の大学院の関係者には一切話してはいなかったのですが、私が札幌医大で仕事を始めてから、こんな噂が立ちました。

「向さん、◯◯先生(指導教官)のコネで札幌医大に入ったんだってよ」

全く根拠もない噂が勝手に流され、とても不愉快な気持ちになりました。しかも、誰かに取り入って仕事に就く…ということは私が最も嫌いとすることなのにもかかわらず、私がそうして札幌医大に入ったことになっていたことにも怒りを覚えました。「誰が、こんなデタラメな噂を流したのだろう。」

当時は就職先を見つけるのがとても難しかったこともあり、噂を流した人は札幌医大に入った私に嫉妬していたのかも知れません。また、大学病院という一見すると華やかな職場ですから、それも面白くなかったかも知れません。でも、根も葉もない噂を立てられるのは、誰にとっても気分が良いものではありませんよね。それは、私も一緒です。

なんとなく「噂を流した人はこの人かな?」という当てはあったのですが、ハッキリと「この人だ!」と言える証拠もなかったので、直接対決することもできず終い。不愉快な気持ちや行き場のない怒りの感情を抑え込むのに必死で、私の気持ちはパッとせず、どんよりする一方でした。そんなモンモンとした日々は、しばらく続きました。

でも、ふとしたときに思ったのです。「私に嫉妬したり面白くないと感じたりして、嫌な噂を流すのは、一体、私の問題なのだろうか?」と。

その答えは明らかに「NO」。私にダメージを与えるようなことを言いふらす行動を後押ししたネガティブな感情を適切に扱うことができなかったのは、それが誰であろうと、その人の「こころの問題」であり、その人の責任なんですよね。「私のこころの問題ではないし、その人がどう感じるかは私の責任ではない」と思ったら、不思議とそんな噂も気にならなくなって、噂話に自分の感情を支配される(不愉快になったり、怒りを覚えたりする)こともなくなりました。

嫌なことを言われたりされたりしたとき、感情が揺さぶられるのはごく自然なこと。でも、そんなときには、ちょっと立ち止まって、考えてみてください。相手に振り回されて、相手のこころの問題までも、自分の問題のように抱え込んではいないか…と。人間関係が苦手だと感じたとき、ぜひ、自分のこころにこう問いかけてみてください。

「それは、あなたのこころの問題ですか?それとも、私の問題ですか?」

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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