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身体の声に耳を傾けて、ダラダラするということ

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今日から、札幌ではYOSAKOIソーラン祭りが開催されています。当オフィスは大通にあることもあり、オフィス周辺は今日から日曜日まで賑やかになりそうな雰囲気ですが、予報では今日の午後からお天気は下り坂とのこと。お祭りの期間中、お天気が少しでも回復すると良いですよね。

さてさて、写真は我が家のニャンコ、リオ(♂)です。猫は1日の大半を寝て過ごす生き物で、1日の平均睡眠時間は約12〜16時間と言われています。我が家のニャンコたちも、寝ていることがほとんど。寝るのが大好きな私は、いつも彼らのことを羨ましく思っています。来世で生まれ変われるものなら、猫に生まれ変わりたいくらいです(笑)。

今はそんなことを思っている私ですが、若い頃は休みの日に長時間寝たり、ダラダラして過ごしたりすることに対して、強い罪悪感を抱いていました。

寝ている時間は基本的に寝る以外のことはできないので、生産性が低い。また、ダラダラと時間を過ごすことは、非効率的で、時間の無駄。それなのに、そんなことを止められない自分は意思が弱い、ダメな人間。そう思っていました。

しかし、この仕事をするようになって、こころと身体の間に存在する密接な関係性を学べば学ぶほど、寝ることやダラダラと過ごすことには「意味がある」と思えるようになり、今ではそれほど「罪悪感」にさいなまれることはなくなりました。

眠たい、動きたくない(つまりダラダラしてしまう)…というのは、身体から発せられた「STOP」というシグナルです。元来、睡眠は消費された身体とこころを動かすエネルギーを補給するためのものですから、眠たくなるのは「ガス欠になる前に動きをSTOPして、ガソリン補給しようね!」という身体が発するメッセージなんですよね。ダラダラしてしまうという現象も然り。無駄なエネルギーを消費させないように、動きを最小限の留めようとするための苦肉の策なのです。

みなさんもよくご存知の「うつ」は「身体やこころを動かすエネルギーが低下した状態」ですから、休養して消費してしまったガソリン補給、つまり、心身のエネルギーを補給しなければなりません。うつになると、「眠りすぎる」「疲れた感じがする」「やる気が出ない」というような症状がみられることがありますが、これらの症状は、必要以上に動かない(動けない)状態を作り出すことによって、ガス欠の発生を未然に防ぎ、エネルギーの回復に必要な休養を促す役割を果たしているのです。

「うつ」は極端な例かも知れませんが、健康的な人にも同じことが起こっていると考えてよいでしょう。毎日何かしらの活動をすれば、エネルギーは消費されるもの。例え、それが楽しいことや嬉しいことであったとしても、エネルギーは消費される一方ですから、エネルギーの補給がうまくいってないときやそれが十分でないときは、「まだ眠たい!」「何もする気が起きないわ…」という身体から発せられる声を通して、「まだエネルギー補給(休養)が十分ではないですよ!」と働きかけてきてくれているわけです。

それらの身体から発せられる声に耳を傾けて、「寝る」「ダラダラする」ということは生産性が低いわけでもなく、非効率的でもなく、時間の無駄でもありません。むしろ、エネルギー補給をしっかりするからこそ、私たちの生産性は高まり、効率も良くなる。時間だって無駄せずに済むのです。「眠る」「ダラダラする」という行為は一見すると意味がそれほどあるとは思えないかもしれませんが、そこにはとても重要な意味が秘められているのです。そう考えると、ダラダラすることに対して過剰な「罪悪感」を抱くのも、ちょっとナンセンスに思えてきますよね。

眠たいときには眠る。
何もしたくないと思ったら、思い切って何もしない。

身体は、私たちが思う以上に正直です。その声にどれだけ耳を傾けることができるかが、身体やこころの健康を左右します。ちょっと時間をとって、耳を澄ませてみて下さい。どんな声が聞こえてくるでしょうか?

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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