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なぜパートナー関係は難しいのか?

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

大荒れになるとの予報の週末でしたが、北海道はそれほど大荒れにはならずに済みましたね。センター試験も無事に終了し、ひとまずホッとされている受験生や父兄の方も多いのではないでしょうか。お天気はそれほど悪くありませんでしたが、寒さが厳しかったこの週末。パートナーが風邪をこじらせて寝込んでいたこともあり、私は基本的に自宅でのんびり過ごしました。

久しぶりにパートナーと一緒に長い時間を過ごすことができたのは良かったのですが、長く一緒にい過ぎて、ちょっとしたケンカをすることも…(笑)。忘れっぽい性格(単なる物忘れ?)なので、どうしてそうなったのかを今となっては思い出すことができないのですが、昨日、私が注意したことに対して、パートナーが「ごめんなさい」と謝ったのですが、私は大激怒!

「え、どうして?謝ったんでしょ?それなら怒る必要はないんじゃない?」。きっと、みなさんはそう思ってらっしゃいますよね?でも、その「ごめんなさい」は、スマホを見ながら、”とりあえず”口にした「ごめんなさい」だったことに、私は腹が立ったのです。

パートナーには、私がなぜ腹を立てているのかを説明しましたが、それでも腹の虫の居所が悪かった私は、リビングでひとりで黙々と雑誌を読むことにしました。しばらくして気持ちが落ち着いてきたところで、ふと「具合が悪くて寝込んでいる人にひどいことしちゃったなぁ」と反省。ベッドに入っているパートナーに「具合が悪いときに嫌な思いをさせてしまってごめんなさい」と謝罪したところ、彼は彼で「あなたが怒るのも無理はないよ。こちらこそ失礼なことをして申し訳ない」と言ってくれ、仲直りと相なりました。

お断りをしておきますが、のろけ話をしたかったわけではありません(でも、3割はのろけ話。笑)!何をお伝えしたかったかというと、長い間一緒にいても、些細なことでケンカしたり、すれ違いが起こるのが夫婦関係を含めたパートナーとの関係であり、身近でありながらも最も難しい関係性のひとつだということ。「自分が一番パートナーのことを知っている」はずなのに、時々、「相手のことが、全くわからない」と、パートナーとの関係性に頭を抱えることはありませんか?なぜ、それほどパートナーとの関係性は難しいのでしょうか?

多くの人にとって、今のパートナーとの関係性が成立したのは、ある程度成長してからのこと。育てられた環境も違えば、それまで経験してきたことも異なります。生活習慣も違うでしょう。交際中は「そんな違いはなかった!」と主張する方もいらっしゃるかもしれませんが、恋愛中は自分が相手に好かれるよう最大限に「譲歩」するものであり、違いが「なかった」のではなく、「目立ちにくかった」だけ。付き合いが長くなるにつれて、本来存在していたその「違い」とじっくり直面しなければならないのです。

私たちは、社会的な役割を果たすこと(仕事)に多くの時間を投じています。パートナーと共有できる時間は、私たちが思っている以上に少ないという現実を、どのくらいの人が意識できているでしょうか?家事や子育てを通して時間を共有している…と思っている方は少なくありませんが、家事や子育ては「共有」というよりは「分担」というニュアンスが強いもの。同じテーマに取り組んでいながらも、感じていることや思っていること・考えていることは別なのに、その「違い」を共有することなく忙しい毎日を過ごしているカップルは多いと思います。このズレを意識的に埋めていかなければならないのも、パートナーとの関係性の難しさのひとつではないでしょうか。

また、身近な人であればあるほど、自分と他人との「境界線」が引きにくいのも、その理由のひとつに挙げられます。「家族だから言わなくてもわかるだろう」「だって、夫婦なんだから」という無意識の大前提やいわゆる”甘え”という存在が、通常の人間関係では「失礼なこと」として控えられる「干渉」や「責める」という行為を日常化させてしまいます。

そして、パートナーとの関係は「簡単に壊れないはずだ」という根拠のない思い込みや安心感から、関係の維持に対する「手抜き」をしてしまうことも多いのではないでしょうか。なんとなく続いているからと言って、それは必ずしも安定した関係を維持できている証拠にはなりません。近年の「熟年離婚」は本当に些細なことが原因となっていることを考えると、パートナーとの関係性というものは絶妙なバランスの上に成り立っている、むしろ不安定な関係性であると捉えるべきでしょう。

こうやって改めて考えてみると、パートナーとの関係性は難易度の高い関係性であり、本来であればかなり意識的に二者間の「ズレ」を埋め合わせる努力をしなければならないのですが、その表面的な親しさがゆえに、最も手を抜かれてしまいがちな構造になっていることがおわかりいただけると思います。

かく云う私も、ブログ記事にしながら自分の言動を振り返っては、「あっちゃ〜、私もこれ日常的にやってるよね、彼に…」と猛省しているところですが、それだけ日常では意識化されにくい問題であるということなんですよね。

「塵も積もれば山となる」ということわざの通り、ちょっとした「ズレ」も積もれば「大きな溝」になります。どう頑張っても理解できない「大きな溝」ができる前に、自分とパートナーとの関係を見つめ直してみる機会を持ってみてはいかがでしょうか?

カウンセリングという非日常的な空間と時間は、客観的に自身とパートナーとの関係を見つめる良い機会を提供してくれます。なかなか一人で整理をつけるのが難しい問題ではありますが、経験豊富な臨床心理士が、感情的に納得ができる「あたなにとっての正解」を見つけるサポートをさせていただきます。

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