カウンセリングオフィスProgress

English Page

カウンセラーブログ

トップページ > カウンセラーブログ > 「努力」さえすれば何でもうまくいく?

「努力」さえすれば何でもうまくいく?

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今は小学校でも2学期制をとっている学校もあると耳にしたことがありますが、私が小学生の頃は3学期制でした。12月は、その中でも一番長い2学期の終わりの月。クリスマスの前に終業式があるため、通知表の良し悪しによっては「クリスマスプレゼントはないわよ〜」的な若干脅しめいたことを親から言われていたことをお昼を食べながらぼんやりと思い出していました。

小学生の頃の通知表は三段階評価で、確か「大変良い」「良い」「努力しましょう」という感じだったと記憶しています。通知表の評価にも出てくる「努力」という言葉は、私たちの生活の中で頻繁に使われている言葉のひとつですが、私はこの「努力」という言葉が好きではありません。

昔よりも「自己責任」が求められる現代では、この「努力」という言葉が以前にも増して頻繁に使われているように思いませんか?物事がうまくいかなかったとき、「お前の努力が足りないからだ!」と他人から責められ、自分でも「努力が足りなかった」と責めることで、納得させられている。

でも、よく考えてみてください。「努力」って一体なんなのでしょうか?どのくらいの時間、何をどうすれば、努力したことになるのでしょう?ましてや、効果や結果が伴わなければ、その時間や作業が「無駄」になるリスクだってあるのです。「努力」さえすれば、何でもかんでも叶う、うまくいく訳ではありません。その一方で、どんなに努力してもうまくいかなかったのに、何かの偶然やちょっとしたきっかけで叶うことだってあります。ですから、うまくいかなかったことに対して「努力」が足りないと責めるのは、おかしな話だと個人的には思います。

でも、「頑張ったのに、うまくいかないというときはどうすればいいんですか?」と疑問に思っている方も多いことでしょう。

それは「努力が足りない」のではなく、「やり方がまずかった」という捉え方をしてみませんか?「努力」という実に曖昧で得体の知れない言葉ひとつでスルーさせようとするのではなく、何がどううまくいかなかったのかを具体的にまず検証してみることが大切だと思います。

そして、そのプロセスの中で、そのやり方に代わる「工夫」や「アイデア」を出し、またトライしてみる。つまり、仮説を立て、それを検証し、うまくいったことは取り入れ、やり方がまずかったら再検討してみる…を繰り返してみる。すぐに答えが見つかったり、効果が出たりすることはないかもしれませんが、必ず得るものはあるはずです。

努力しているのに報われない。

そんなときは「努力が足りない」ことを責めるよりも、その「努力」という言葉に惑わされないようにしたいものです。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

English Page


lgbt Ally
lgbt Ally

カウンセリングオフィスprogress

〒060-0042
札幌市中央区大通西1丁目14-2 桂和大通ビル50 9F