逃げるは恥だが役に立つ
札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。
とうとう師走に突入ですね!2016年のラストスパートとして追い込みをかける人もいるようですが、なんせ雪が降っては溶けの繰り返しで、札幌の街中の道路はツルッツル!忙しさのあまりに走ることがあるときには、くれぐれも滑って転ばないように気をつけてくださいね。
さて、最近、何かと話題になっている『逃げるは恥だが役に立つ』というテレビドラマ、みなさんはご覧になっていますか?我が家にはテレビがないので、もちろん私は観ることはできません。でも、毎日ラジオをつけて聴いていると、そのドラマに出演している星野源さんが歌う『恋』というドラマの主題歌がよく流れてくることもあって、ドラマの存在は知っていました。
『逃げるは恥だが役に立つ』というタイトル、なんともインパクトのあるタイトルですよね〜。ドラマを実際には観ていないので、ネットから情報を得るしかできないのですが、どうやらドラマは恋愛ドラマのよう。恋愛ドラマなのに『逃げるは恥だが役に立つ』というタイトルには、どんな意味が込められているのだろう?と疑問に思った私は、早速調べてみました。
このタイトル、どうやらハンガリーのことわざに由来していて、「自分の戦う場所を選べ」という意味のようです。つまり「自分の土俵で戦え」とか「自分の得意分野で勝負しろ」ということらしいですね。それがわかった途端、咄嗟に日本のことわざ(になるのかな?)の「逃げるが勝ち」が頭に浮かびました。
「逃げる」という言葉には、ネガティブなニュアンスが込められています。「苦しいことから逃げるな!」とか「逃げたら負けだ!」とか…、とかく日本では頑張ることや我慢することが美徳とされているせいか、逃げる=弱いという印象があまりにも強いように思えます。
確かに、困難に立ち向かい、それを乗り越えることで、人として一回り大きくなることが期待できるということに異論はありません。でも、これは「自分の戦う場所を選んでこそ」得られる成長ではないかと、私は思います。
明らかにその人のキャパシティや能力の限界を越えていることに対して我慢することは、その人の身体や精神にとって有害な影響を与えることを認識しなければなりません。特に、真面目で責任感の強い人ほど「逃げる」ことができず、我慢と忍耐をもってその場に留まる選択をしては自分自身を必要以上に苦しめているように思います。
誰にしもある見栄や外聞。だから「逃げる」ことで「恥」という感情を味わうこともあるでしょう。でも、それはそう長くは続きません。しかし、一時生じる「恥」という感情を恐れるがあまり、無理を続けて自分が壊れてしまっては元も子もありません。
本当にその我慢や頑張りは、あなたにとって必要なものですか?
もし、この質問への答えが「NO」であるならば、積極的に「逃げる」という選択肢を検討してみることをオススメします。なぜならば、「逃げる」ことで自分を守ることができるのであれば、それは「逃げ」ではなく「避難」、つまり自分自身を守ることにつながるからです。「逃げる」ことで自分自身を守ることができれば、まさに『逃げるは恥だが役に立つ』んです。
とは言っても、なかなか「逃げる」決断ができないという人もいるでしょう。そのような人の心理的背景には、深い意識のレベルに存在している「枠組み」や「信念」、「こだわり」に縛られている可能性があります。カウンセリングオフィス プログレスでは、カウンセリングを通してそのひとつひとつを紐解くお手伝いをさせていただきます。縛られていたものから自由になれたとき、きっと『逃げるは恥だが役に立つ』ことを実感していただくことができるでしょう。お気軽にお問合せ、ご予約ください。
カウンセリングおフィス プログレス
臨床心理士 向 裕加