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勝手にオススメ(湯を沸かすほどの熱い愛:映画編)

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今朝起きて窓の外を見てビックリしました。近所の一軒家のお宅の屋根が真っ白ではありませんか〜!昨日から今日の天気予報には雪だるまのマークがついていたので、ある程度覚悟はしていたのですが、いざ現実になると驚いてしまうものなんですね。そうなって欲しくないという願望が強過ぎたせいでしょうか?

さて、すっかり寒くなってしまった札幌ですが、本日のブログでは、冷え切った身体をこころから温めてくれるであろう、こちらの映画をご紹介します。

余命2か月と宣告された宮沢りえ演じる”お母ちゃん”とその家族のお話です。余命2か月…というところだけを見ると「ありきたりなお涙頂戴的なストーリー展開なのかな?」と最初は構えていたひねくれ者の私。映画を通してじんわりとこころに沁みるシーンがあって、終始グスグスと鼻をすすりながらの映画鑑賞となりました。

是非、多くの人に観ていただきたいのでネタばれしないようにしたいと思うのですが、私がとても共感したのは、家族の描写がいわゆる理想化された家族のあり方ではなく、現代社会の家族を反映した「不完全な家族」をストレートに描写していたところ。特に、母親の描写はそれが顕著に表現されていたと思います。

宮沢りえ演じる”お母ちゃん”は、私たちの社会が理想として掲げているような母親像ではありません。
明るく、気丈に振る舞い、心から家族を愛する反面、どことなく影や憂いもあって、口うるさい。涙を流しながら「学校に行きたくない!」という娘の気持ちを汲みとることなく、傷つけてしまうこともある。

ここで思い出すのは、イギリスの著名な小児科医ウィニコット(Winnicott)の"Good enough mother(ほどよい母親)"という概念。ウィニコットは、子育てをする際には、子どもの要求に完璧に応える"all good"でもなく、要求に全く応えない"all bad"でもなく、ほどほどに子どもの気持ちを汲みとりながらも、時には的外れな対応をしてしまう"Good enough mother"(ほどよい母親)であることが大事だと提唱しました。

この映画に登場する”お母ちゃん”は、まさに”Good enough mother"。典型的な「良い母」ではなく、不完全で未完成の生身の”お母ちゃん”が、訳ありの事情を抱えるそれぞれの登場人物に真正面からぶつかっていく。その姿は不器用で泥臭いけれども、実に「人間らしさ」に満ち溢れているんです。しばらくシリーズで母と娘の関係性についてブログで取り扱っていたときに観たので、「うん、うん!」「そうだよね〜」と共感するところがありまくり!最後までじんわりと胸に響くものを感じながら、緩やかな感動を覚えた映画でした。

ストーリー展開も、なかなかの意外性があって面白い!これは口にしてしまうと面白味が半減してしまうので、秘密にしておきますね。「ちょっと気になるかも!」と思った方は、この予告編を要チェック!例年より早い冬の到来で凍えた身体を、身体の内側にあるこころからじんわりと温めてくれること間違いなしです。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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