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いいかげんに生きよう

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今朝の札幌(北海道?)は突風が吹き荒れていましたね。我が家は築38年の古いマンションで外側の窓がかなり古く、強風が吹くとガタガタと大きな音を立てます。今朝はそんな窓の音で目が覚めました。とは言え、起きて活動するにはまだ早い時間だったのでベッドの中でゴロゴロしながら、昨日のブログで紹介させていただいたSue Danielがこんなことを言っていたのを思い出していました。

”You need to stop worring about being good all the time! ”
(「常にちゃんとしていなければならないと心配するのを止めないと!」)

これは私に向けられた言葉ではなかったのですが、彼女の言葉にドキッとさせられました。

小さい頃から、私は人に迷惑をかけてはならないと、母から躾けられてきました。厳しかったわけではありませんが、母の目の届かないところで何かをすることがあるときには、母に「ちゃんとするんだよ」「迷惑をかけちゃダメだからね」と何度も言われていたことを覚えています。大人になってからは、年長者の方から「あなたがしっかりしているのは、親御さんがしっかり教育(躾)してくれたおかげね」といった好意的なフィードバックをもらう機会が多くあったので、母には感謝しているところもあるのですが、「ちゃんとしなくちゃ」「迷惑をかけてはならない」と他人の目を意識して生きることに窮屈さを感じていたのも事実です。

他人の目を意識して生きるということは、他人のものさしで生きるということ。そして、他人のものさしは自分のものではないので、自分の気持ちや欲求は、結局のところ封印しなければなりません。人や家族、社会のために頑張っているので、何をやっても満たされないし、報われない気持ちになるのは当然なんですよね。そして、自分が封印している気持ちや欲求を自由にのびのびと満たしている人を目の当たりにすると嫉妬やイライラなどのネガティブな感情に苛まれ、「こんなことでイライラする自分なんて、ダメな人間だ。器の小さい人間だ」と自分を責めて落ち込む…。私にも、そんな時期がありました。

ちゃんとして、他人に迷惑をかけないように生きている人は、確かに世間一般的には”いい人”なのでしょうが、そうしていると自分の本当の気持ちや欲求を見失いかねません。自分の人生なのにもかかわらず、自分の人生を歩んでいるような気がしない。そんな気持ちになるのは、そのせいかも知れません。人生の軸を「他人」から「自分」へ移す。ちゃんとする必要もなく、迷惑をかけないようにする必要もない。自分の気持ちに素直になって、やりたいことをして、言いたいことを言う。自分を中心にして、少し「いいかげん」に生きるくらいで、ちょうど良いように思います。「そんなことしたら、自己中な人間が増えるだろう!」というお叱りを受けそうですが、もともと「ちゃんとしなくちゃ」「迷惑をかけてはならない」と思っている人は、自己中になんかにはなりません。というか、なれません。自己中になれるくらいなら、最初からこんなことで悩みませんもの。

「いいかげん」という言葉には、だらしないというネガティブなイメージがつきものですが、「いいかげん」は「良い加減」という意味。ほどよく適当に、ゆる〜く生きる。自分のものさしで自分らしく生きるためには、ちゃんとしないでいる勇気もときには必要だということなんですよね。

「あなたって、本当にいいかげんな人ね!」と言われたら、こころの中でガッツポーズをしてみましょう。なぜならば、それはあなたが自分の人生を自分の軸で生きているという褒め言葉なのですから。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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