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人に傷つけられたこころを癒すのも、また人なり

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

この三連休、晴れたり、曇ったり、雨が降ったり…と不安定なお天気でしたが、みなさんはどのような三連休をお過ごしになられましたでしょうか?

私は当初ランニングチームの仲間たちと一緒にニセコで二泊三日のキャンプをして、中日の18日にニセコマラソンフェスティバルでハーフマラソンを走る予定でした。

が、我が家にチビッコギャング↑がやってきて、まだ単独での連日のお留守番は無理ということもあり、私も彼らと一緒にお留守番。その代わりと言ってはなんですが、いつもお邪魔しているワインバーのお姉さんのチームに入れてもらい、19日に真駒内公園で開催されたサーモン駅伝で3km走ってきました。
女子4人のチームで3km-2km-3km-2kmでたすきを繋ぎます。私は第3走者。サーモン駅伝は2年ぶりということもあり、ちょっと緊張。スタート前に撮ってもらった写真の中の私は、顔がやや引きつっているような…(苦笑)。久しぶりにゼーハーいうくらいのスピードで必死に走ってきましたよ〜。
これはたすきを渡す直前の写真。必死です。口の中は血の味のような感じがします(”感じ”だけですよ)。走ってる途中は「あ〜、どうして走るだなんて言っちゃったんだろう〜」と思いながら走り、ゴールが近づくにつれて「さっさとゴールしたい!」と思うんですよね。そして、ゴールした瞬間は「もう、二度と走らないぞ!」と思うのですが、ちょっとすると「あ〜、楽しかった♪ また走りたいな」とか思うわけなのです。多分30分も経っていないと思うのですが、こんなにコロコロと心境が変化しちゃったりするもんなんですよ。結論からすると「楽しかったので、また走ってもイイかな?」という気持ちなのですが、出るか出ないかは、また来年考えます(笑)。とりあえず、今週末は旭川で久しぶりにハーフマラソンの大会に出るので、それを頑張らないと!

昨日のサーモン駅伝での会場では、たくさんの方にお会いすることができました。大人になると友人関係は何かと狭くなりがちですが、職業や年齢など全然異なる人たちと出会うことができたのは、ランニングを始めたからこそのこと。ご縁に感謝ですね。

たくさんの素晴らしい人に囲まれて生活している私ですが、実は友だちづくりで苦労したことがあります。もともと、そんなに人見知りをするような性格ではなかったので、友だちはすぐにできる方だったのですが、そんな私でも友だちができずに人知れず悩んだ時期がありました。それは、高校で留学していたときです(高校で留学した経緯については、こちらのブログ記事をどうぞ→『にんげんだもの』)。

高校2年のときに留学したときは、とてつもない田舎の村が留学先でした。村の中心部は歩いて3分ほどで終わってしまうくらいの小さな村。銀行、郵便局、ドラッグストア、ガソリンスタンド、パン屋、レストラン数軒、レンタルビデオ屋、学校…くらいしかない小さな小さな村でした。札幌生まれ札幌育ちの私にはあまりにも小さ過ぎる村で、「1年間、こんなところで過ごすだなんて無理!」と3日くらい泣き続けたのは、今となっては良い思い出です(笑)。

そんな小さな町なので、当然、学校もこじんまりとしていました。団塊の世代の子どもたちが通っていた私の札幌での高校は、1学年550人くらいの大きな学校でしたが、留学先の高校は1学年50人程度。しかも、幼稚園の頃からずっと同じところに通っている幼馴染の集まりなので、学年を問わず、みんなお互いのことをよく知っていました。そんなところに、突然やってきた東洋人。しかも、英語もろくに話せない。完全にアウェーでした。

いつも友だちに囲まれて楽しい生活をしていた私にとっては、学校で誰とも話しをすることができず、休み時間もひとりぼっちという生活は、めちゃくちゃ精神的にキツいものでした。でも、自分でアクションを起こしていかないことには何も変わらないことはわかっていたので、下手っぴな英語でも、相手が言っていることがあまりよくわからなくても、心臓がバクバクするほど緊張したけれども、一言二言、教室で席が隣りの子に話しかけたりしてみました。

そんなことの繰り返しの中で、ようやく学校が始まってから3か月が過ぎ、英語もなんとかわかるようになってきました。大勢の中に入って会話についていくということは依然として難しかったものの、少人数であれば会話もある程度続くようになってきて、そこそこ話ができる子が少しずつ増えていきました。2月くらいにはお泊り会することができるほど仲良くなった「友だち」もできました。

そんなある日、3〜4人でそのうちの1人の子のうちでお泊まり会をしたときのこと。その中の1人が急に「ユカ、本当にゴメンね!」と言い出したのです。彼女に謝られる理由は何ひとつなかったので「どうしたの?」と訊いてみると、こんなことを話してくれました。

学年の女子を牛耳っているリーダー格の女の子がいて、彼女が「私が良いというまで、あの子とは話しかけちゃダメ!」という通達を出していたそうで、それで私に話しかけることができなかった…という告白でした。その子自身も数年前に引っ越してきた際に同じ洗礼を受けたとのことで、リーダー格の女の子の意に背けば、また「孤独の辛さ」を味わうことになるだろうという恐怖心から、私のことを気にかけながらも話しかけることができずにいたそうです。「孤独の辛さ」を知っている彼女だからこそ、「何とかしてあげたい!」という気持ちと「また、こんな辛さを味わいたくはない!」という気持ちのと間で揺れていたのでしょう。私にそんなことを言う必要は全くなかったですし、言わなければ私だってそんなことを知るすべもなかった。でも、あえて正直に言ってくれた彼女の気持ちが、素直に嬉しかったのを今でも覚えています。外人は大人っぽく見えるので中身も大人っぽいと思いきや、「案外、日本人と同じなのね」ということに気づいた瞬間でもありました(笑)。

友だちがいて当たり前と思っていた私は、この1年でそれが当たり前のことではなく、「ありがたいこと」であると痛感させられました。自分のこころは、そんな友だちの存在によってしっかりと支えられている。友だちがいるということが、仲間がいるということが、どれほど大事なことなのかをヒシヒシと感じた1年でもありました。

人に傷つけられたこころを癒すのも、また人なり。

だからこそ、私には大切にしたい関係性があります。だからこそ、人に傷つけられたこころを癒すひとりの「人」でありたいと願っています。17歳の私があのときに感じたことが、職業人としての今の自分の根幹を支えてくれているのかも知れません。

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臨床心理士  向 裕加

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