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ちょっとした行動で救える命

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィスプログレスの向 裕加です。

我が家にニャンコたちがやって来てから、早1ヶ月が過ぎました。生後4か月くらいになり、スクスクと成長をしております。
(リオ♂です!2.4キロになりました。甘えん坊で、ちょっぴり意地悪です)       (ルナ♀です!まだ、1.9キロしかありません。超ビビりで、逃げ足は速いです!)
昼間は完全にフリーにしていますが、夜中フリーにすると大運動会&プロレスが始まるので、ゲージの中で寝てもらっています。でも、朝5時くらいになるとゲージの中でいたずらをして色んな音を立てるんですよね。「(ゲージから)出せ〜!」という合図です。私も「ここで甘やかしてはいけない!」と粘るのですが、音がすごくて寝てられない。結局、彼らに根負けして、私も早起きになりました。

彼らのおかげで今シーズンサボり気味だった朝ランも復活できているので、結果オーライ。今朝も朝ランへ行ってきました。涼しいを通り越して、半袖ではひんやり肌寒いくらい。それでも走り出すと暑くて汗をかきますけどね。北大では虫が鳴いていて、すっかり秋の景色が広がっていましたよ。

さて、突然なのですが、みなさんは、現在「自殺予防週間」の真っ最中だと知っていましたか?

「自殺予防週間」とは、国が2007年から実施している取り組みです。自殺対策はもともとは内閣府が取り組んできたプロジェクトですが、今年の4月から自殺対策は厚生労働省で取り組むことになりました。保健・医療・福祉・労働などの関連施策との連携を密にすることで、対策の充実化を図るねらいがあります。

ここで、ちょっとした質問です。日本の年間の自殺者数はどのくらいかご存知ですか?

平成28年度版の自殺対策白書によると、2015年の自殺者数は24,025人でした。この数字だけではなかなかイメージが湧かないと思いますので、比較対象をご紹介したいと思います。

まずは、昨年の交通事故死者数と比較してみましょう。昨年交通事故で亡くなった方の数は4,117人です。つまり、自殺で亡くなった方は交通事故で亡くなった方の約6倍という計算になります。戦争はたくさんの人が死ぬ…というイメージがありますよね。イラク戦争で亡くなった米兵の数は約3,500人と報告されていますが、昨年日本で自殺で亡くなった方の数の方が、はるかに多い(こちらは約7倍)ことは明らかです。また、自殺は亡くなった方の周辺の人にも大きな心理的影響をもたらします。ひとりの自殺、または自殺未遂に対して、その人の周りにいる5〜6人が影響を受けると言われているので、昨年だけで約150万人の人がその影響を受けた計算になります。

こうやって具体的な数字を示して比較してみると、日本における自殺の問題がいかに深刻かがお分かりになりますよね。

しかしながら、国をあげて自殺対策に取り組んできた結果、実は自殺者数は2012年から減少の傾向にあります。2003年の34,427人をピークに、日本では年間自殺者数が3万人を超えていた時期が10数年ありましたが、2012年から3万人を下回り、ついに昨年は2万5千人を下回りました。これは1997年以来、18年ぶりのことだそうです。ただ日本の人口自体も減少傾向にあるので、対策の結果がどのくらいこの数字に反映されているのかはハッキリしませんが、地道な努力が実を結んだ結果だと思います。

自殺する人は、突然自殺するわけではありません。悩みに悩み、追い詰められた結果、辛さから逃れるために「死」という究極の選択をしています。「他にもできることはたくさんあるだろう」と客観的には思えても、人間行き詰まってしまうと、視野が狭くなってしまい、正常な判断力や決断力が落ちてしまいます。ですから、他の人の力を借りる必要が出てくるのですが、精神的に追い詰められると「誰かを頼る」ことはもとより、「誰も自分のこと(気持ち)なんかわかってくれないんだ」という「孤独感」に苛まれ、孤立することが多くなるのが特徴です。

平成27年度版の「自殺白書」のアンケート調査によると、「自殺したい」と思ったときの乗り越え方は「家族や友人、職場の同僚など身近な人に悩みを聞いてもらった」というのが第1位でした。この結果、意外ではありませんか?実は、誰にでもできることで、命を救うことが可能なのです。

ここでのポイントは、悩みを解決することが大事なことではないということ。何か相談をされると、私たちはその問題や悩みを「解決しよう」と躍起になりますが、それはそれほど大事なことではないんです。大事なのは「悩みを聞く」ということを通して、その人が誰かと心理的な「繋がり」を持つこと

先ほどもお話しましたが、「孤独感」がその人を自殺に追いやると言っても過言ではありません。まずは、その「孤独感」から少しでもその人を解放させるために、「誰かと繋がっているという感覚」を持ってもらえるようになることが大事なのです。「誰かが自分の話を真剣に聞いてくれた」「自分はひとりではないのだ」…と思えるように「話を聞く」という実にシンプルな行為で、尊い命を救うことが可能なのです。それが極々自然にできるようになるためにも、悩んでいる人が出しているサイン(これはまたの機会に)をしっかり把握して、日頃から自分の周囲の人に関心を持ち、声を掛け合える関係づくりを心掛けたいものですね。

Yahoo!特別企画の厚生労働省の自殺予防週間のHP(『悩んでいるあなたへ あの人を支えたいあなたへ』)にもたくさん有益な情報が掲載されていますので、そちらも是非ご参考にしていただければと思います。また、「死にたい」と悩んでおられるご本人や周りにそのような人がいて「どのように接して良いのかわからない」とお困りの方がおられましたら、当オフィスでも対応は可能です。お気軽にご相談くださいませ。

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ちょっとした行動で、救える命がある。

関心を持っていただければ幸いです。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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