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カウンセラーブログ

にんげんだもの

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今日から9月。例年であればお盆を過ぎたあたりから涼しくなりますが、今年は今日がもしかすると今季一番の暑さになるかも!?という予報です。台風10号の進路も今までにない進路で、北海道に大きな爪痕を残しました。「どうなっちゃってるの!?」と誰しもが思っていることでしょう。まさに異常気象。これ以上被害が大きくならないように祈るのみです。

私には、かれこれ10年以上のお付き合いになる美容師さんがいます。毎月カットとカラーリングをお願いしているので、結構な時間がかかりますが、その間に彼女と色んなことについて話をするのが、私の月1の楽しいになっています。そんな彼女に先日お会いしたとき、こんなことを言われました。

「ユカさんは、留学していたり名の知れた有名なところで働いてきたりしているから、『成功している人に話をしてもわかってもらえないのでは?』と、相談するのを躊躇しちゃう人も大勢いるんじゃないですか?」

HPに私の経歴を載せているのでそちらを見ていただけるとわかりますが、確かに地元では1番と言われる進学校を卒業しました(1年間カナダの高校に留学経験あり)。その後再びカナダに渡り、カナダの大学を卒業しています。大学院で修士号を取得した後は、札幌医科大学で勤め、その後は札幌学院大学に勤務していました。専門学校で講師もしていたこともありますし、今でもSTVでお仕事もさせていただいています。経歴だけを見ると、地元の人間であれば誰にでもわかるような場所で仕事をしていたこともあるので、華やかなキャリアを積んできていると思われる人もいるかと思います。

誰しも、人には良いところを見せたいもの。それは、私も同じです。ですから、経歴は確かにパッと見は良いですが、実はそうでもないところがあるのも事実です。今日のブログでは、少しそんな私に触れさせていただきたく思います。

話は遡って高校1年の4月。私は鼻をへし折られます。

中学までは常に学年のトップ5に入っていて、市内に何か所もあった塾内での模試でも、いつも上位。それは広い世間の一部でしかないのに、そんなことにすら気づかずに独りよがりになっていた私は、高校入学早々「世の中には、こんなにもたくさんの自分よりもはるかに頭の良い人がいるんだ!」と愕然としました。それは、まさに私にとって初めての大きな「挫折体験」でした。

入学後の最初の1〜2週間は、真剣に中退することを考えました。でも、当然のことながら、私にはそんなガッツはありません。「だったら、一生懸命勉強するしかない」。そう思って毎日必死に机に向かいました。もう25年くらい前の話になりますが、「よっぽど大変だったのか、『勉強しなさい!』と言わなくても、毎日結構な時間勉強していたよね〜」と、未だに母に言われます。

自分はすごく苦労して勉強しているのに、隣りに座っている子はいとも簡単に私が何時間かけても解けなかった数式を解いてしまう。同級生はイイ子たちばかりで勉強以外は楽しかったけれど、どんなに頑張っても学校の勉強にすらついていくことができない私の劣等感は、日増しに強くなっていくばかりでした。

一学期が終わろうとしていたある日、担任の先生が一枚の紙をみんなに配りました。夏休み中に先生と親で二者面談をするので、第一から第三まで志望する大学の名前を書くようにとのこと。毎日毎日勉強に明け暮れている日々を過ごし疲れきっていた私は、自分のこころのどこかに「このままでは何となく大学受験という波に呑み込まれてしまう」「自分を見失ってしまう!」「周りに流されてしまう」という危機感があることを感じとっていました。そんな私は、クラスメートが第一から第三志望まで具体的な大学名を記入した紙を担任に渡していた中、「1.留学、2.留学、3.留学」と書いて紙を担任に提出しました。

留学したいという気持ちについては、中学の頃から何度となく両親に話していましたが、「大学に入ってからでも遅くないから、とりあえず大学に入りなさい」と全く取り合ってもらえませんでした。が、当時の担任の先生が「留学は若い頃にした方が絶対に良い!」と二者面談で父にそう言ったのをきっかけに状況が一転し、晴れて私は2年次に1年間カナダに留学することとなりました。

両親が留学にOKを出してくれたとき、喜びよりもなぜか安堵の気持ちの方が大きかったのを今でも覚えています。それは、勉強に明け暮れる毎日から、1年生のときから始まっている受験戦争から、毎月ある模試から、1年という限定された期間ながらも「逃れられる」と思ったから。そして、大学受験に向けて必死に闘うその他大勢から抜け出して、「私」が「私」として生きて行くことができる唯一の手段だと思っていた留学という機会を手に入れたから。ある意味留学は、当時の私にとっての「現実逃避」の手段だったわけなんです。留学して直面する現実が、別な意味で大変であるということを知らずに…。

優等生だった自分から一夜にして劣等生に転落した15歳の私は、劣等生である自分を受け入れることができずにもがき苦しんでいたのでしょう。しかし、今となって思うに、このもがきが「自分らしく生きること」について考えるきっかけを作ってくれたと思います。つまり、私の「自分探しの原点」がここにあったんですよね。そして、それが他の人の「自分らしく生きる」を支援するこの仕事に就いている今の自分へと繋がってきたのだと思います。

私もひとりの人間です。こころを扱う仕事に就いているとはいえども、みなさんと同じように、悩み、葛藤し、その都度頭を抱えながら生きています。なかなかHPに掲載されているプロフィールや情報からだけでは見えてこないものもあるかと思いますが、時々こうやって私自身のことを語らせてもらうことで、少しでも身近な存在として感じていただければ嬉しく思います。

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