札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今日のブログのタイトル、ちょっとセンセーショナルですよね！？「え、大人の性教育って何？」と思われた方も多いと思います。

実は、先週の金曜日、『REAL SEX vol.4』というイベントに参加してきました。
このイベントは、札幌で活躍されているメイクアップアーティストの寺長根愛さんが主催されています。愛さんとは、２年前に愛さんのメイク教室を受講したとことがきっかけでお知り合いになりました（同じ専門学校で非常勤講師を務めていたこともあって、一方的には10年ほど前から愛さんのことは知っていました）。私のオフィスのプロフィールの写真は、愛さんに素敵にメイクしてもらったものなんですよ！愛さんはまだ30代とお若いのですが、独立されて既に10年を迎えられています。物事に対してしっかりとしたお考えをお持ちでありながら、それを軸に柔軟に応対していくことができる力を持っている愛さん。「やわらかにとんがれ。女なら。」というキャッチコピーは愛さんそのものであり、女性として、私もそんなあり方に憧れるひとりです。

そんな愛さんが、世の中的にはタブーとされる「性」にまつわるトピックについて考える『REAL SEX』を開催するのは今回で４回目。以前からお誘いいただいていて興味はあったのですが、都合をつけることができず、今回初めての参加となりました。第４回目のテーマは「大人の性教育」。元高校の保健体育教師で、現在「笑華尊塾」を主宰されている塩谷隆治さんをメインのスピーカーに迎えてのイベントでした。

「性について、もっとオープンになろうぜ！」ということがコンセプトのイベントではありません。しっかりと科学的なデータや根拠がありながらも、どこかで「触れてはいけないトピック」として封印されてきた「性」についての問題。事実がしっかりと伝わっていないことで様々な誤解が生じており、それが日本社会における性犯罪や家庭内におけるDVなどの問題に密接に結びついている事実について「知ることの大切さ」を学ぶ、大真面目なイベントでした。
（真ん中の方が塩谷さんです）

臨床心理士になってからというものの、性犯罪に巻き込まれた女性や夫からのDVに悩む女性のカウンセリングを担当する機会があり、性犯罪やDVが決して珍しいものではなく、かなりの頻度で起きていることを知りました。ただ、私たちは「知らない」だけで、性犯罪やDVの被害に遭った女性は案外身近なところにいるものです。そして、被害に遭った本人はこころに傷を負いますし、程度に差はあれども、本人の家族や友人など周囲の人も少なからず２次的な心理的な被害を受けているのです。

彼女たちが負わされたこころの傷は、癒すのがとても難しいのが現実です。そして、場合によっては、世代を超えて問題が連鎖してしまうことも、実はよくある話です。ですから、このような事態になる前に性犯罪やDVを予防することが望ましいと私は常々考えていましたし、そのためにもオープンに「性」について話せる環境を整えることや、それによって生じる可能性があるメンタルヘルスの問題の心理的背景やそれらの問題への対処方法を教えること（臨床心理学の領域では「心理教育」といいます）が不可欠であると考えていました。

塩谷さんは、現役の高校生を相手に、約15年間これらの問題に向き合ってきた実践者です。内容はかなり深いものでしたが、塩谷さんの軽快でユーモア溢れるトークには、人をグッと惹きつける魅力と愛がありましたし、科学的な根拠をベースにして実践してきた塩谷さんの「性教育」の経験談は、やはり並みならぬ説得力がありました。既に知っていたこともありましたが、私個人の知識で終らせるのではなく、こころの問題を扱うプロフェッショナルとして、その知識をカウンセリングの場面でクライエント（相談者）に効果的に提供していく重要性について考えさせられました。

愛さんしか知っている人がいないこのイベントに参加することは、30代半ばになってから”人並み”に人見知りするようになった私（笑）にとって、ちょっぴり緊張を強いられるシチュエーションでしたが、同じテーブルでご一緒して下さった方々がとてもフレンドリーで、楽しくたくさんのことを勉強することができた充実した時間でした。

主催者の寺長根愛さんに感謝です。愛さん、ありがとうございました！

ちなみに、愛さんの本業はメイクアップアーティスト。
ヘアメイクを施すだけでなく、メイクレッスンやオリジナルのメイク商品のプロデュースも手掛けています。私も愛さんオリジナルのメイク商品の愛用者のひとりです。オススメしたいアイテムもあるので、それはまたの機会に「勝手にオススメ」シリーズでご紹介させていただきますね～。

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臨床心理士　　向　裕加