カウンセリングオフィスProgress

English Page

カウンセラーブログ

レリゴーの効果

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

世の中理不尽なことだらけ。機嫌の悪い職場のお局さまにネチネチと小言を言われた…とか、何もしていないのに彼氏に怒鳴られてしまった…とか、駅員にひどい扱いを受けた…とか。そんなことが起こるのは日常茶飯事ですが、みなさんはこのような出来事に遭遇したとき、どのようにその出来事を受け止め、どのような気持ちになりますか?大抵の人の場合、こんな出来事があったときはモヤモヤとした嫌な気持ちだけが残るのではないでしょうか。

モヤモヤとした感情とは、いま自分がどのような感情を抱いているのかわからない、言葉にできない状態にあることを意味しています。「気持ちの整理がつかない」から「モヤモヤする」んです。悩みを抱えている方の多くは、多少なりともこのようなモヤモヤとした感情を抱いています。

特に、真面目で努力家、そして人に対する気遣いがあり、責任感が強い人ほど「こうあるべき」「こうしなければならない」「こうであるはず」という考えが強く、”理不尽”だと腹を立ててもよさそうな場面でも、「私が何か悪いことをしたからに違いない」などと解釈をしてしまう傾向にあります。そして、自分の本当の気持ちは無意識のうちにこころの奥深くに抑えこんでしまうので、いつまでたってもモヤモヤが解消されずにいるということは、カウンセリングの場面でもよく耳にする話です。

古くから伝え信じられてきている「言霊」という観念。「言霊」とは言葉に宿る神秘的な力を意味していて、「良い言葉は良いものを招き、悪い言葉は災いを招く」と考えられています。確かに、ネガティブなことばかり言っているとテンションが下がるので、余計にネガティブな思考に囚われてしまいがちですが、時々毒を吐いたくらいでバチが当たると思いますか?

「むかつく〜」「腹立つ!」「それって、おかしいでしょ!?」

時々、そうやって叫ぶことは悪くないのではないかと思います。というのも、そうすることで知らず知らずにこころの奥底に閉じ込められていた今感じている感情に触れることが可能になります。そして、それはモヤモヤとした得体の知れない感情をしっかりと整理するための必要不可欠なプロセスだからです。

話は突然変わりますが、みなさんは、ディズニー映画の「アナと雪の女王」をご覧になったことはありますか?「レリゴー、レリゴー!♫」という歌詞で有名になった例の映画です。レリゴーとは"Let it go"のこと。この"Let it go"の意味については、『アナと雪の女王』の「Let it go.」って結局どういう意味なの?というタイトルのブログの説明が秀逸なので、そちらをご参照いただきたいのですが、時々「むかつく〜!」などと叫んでみることは、まさにレリゴー。「自分の中に渦巻いている力を、そのまま外に出してあげよう」ということが、自分らしくあるために大切なことなのです。

社会で生きていく上では、我慢しなければならないことがたくさんあるのは事実です。けれども、時々、愚痴をこぼしたり、海に向かって「馬鹿野郎!」と叫んでみたりしてみましょう。こころの奥底に閉じ込められている感情を外に出すことが、こころを癒すためのファーストステップなのですから。

でも、「愚痴れる人がいない」「ひとりで叫ぶだなんて恥ずかしい。むしろ、誰かのこの気持ちを受けとめてもらいたい」ということでしたら、カウンセリングを利用するというのもひとつの方法です。そんなときは、気軽に頼っていただければと思います。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

English Page


lgbt Ally
lgbt Ally

カウンセリングオフィスprogress

〒060-0042
札幌市中央区大通西1丁目14-2 桂和大通ビル50 9F