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ダラダラするので大正解!

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

先日は、STVでお仕事でした。4月に入社したばかりの新入社員さんのストレスチェック。学生生活から社会人生活への移行は、ストレスだらけです。社会的立場も変わりますし、背負わなければならない責任の重さも学生と社会人では大きく異なります。仕事の内容は新しく学ぶことだらけで、一緒に働く方や環境にも適応していかなければなりません。また、人によっては就職に伴って住環境が変わったという人もいるでしょう。そう考えると、新入社員の周りには、ストレスの原因と考えられる要素がそこらじゅうに散りばめられているのです。

ただ、多くの新入社員は、夢と希望を胸に入社してきています。ですから、「疲れているだなんて当たり前!」とか「こんなことくらいでへこたれていたらダメだ!」などと考えがち。そして、自分のストレスレベルの把握ができずに、ストレスを抱え込んでしまうことがよくあります。

そんな中、先日お会いした新入社員の男性の方は、私が今までお会いしたことがないタイプで、メンタルヘルスのセルフケアをしっかりとされている方でした。彼の何が素晴らしいかと言いますと…

① 焦っていない。適応には時間がかかるということをちゃんと認識している。
「仕事はわからないことだらけ」である事実をしっかりと認識した上で、最初からできないのは当たり前であり、「一年後にはしっかりできるようになっていたら良い」と長期的な目標を立てることができている。新入社員にありがちな、「早く仕事は覚えなければならない!」と自分で自分にプレッシャーをかけることが一切なく、ほどよく肩の力を抜きつつ、真摯に仕事に取り組んでいる姿勢が◎。

② わからないことは、ひとりで頑張ろうとせずに、先輩社員に訊いている。
「ひとりで頑張るのは3日で諦めました!」と、自分ではどうしてもわからないことがあるときは、ひとりで頑張って時間とエネルギーを無駄に消耗するのではなく、先輩社員のところへ行って教えてもらうようにしているとのこと。「そのくらいわからないのか!?」と言われることを恐れて、わからないことを訊けない新入社員が多い昨今、このくらいの「良い意味での諦め」を持って生産的な行動に移すことができる彼、只者ではないような気がしてます。

③ 週末は「家でダラダラしている」。
ストレスの発散のために走ったり、気分転換のためにドライブに行ったりするのは、エネルギーレベルが枯渇していないのであれば問題ないけれども、疲れ果ててしまって動けないのに無理矢理動こうとするのは逆効果。というのは、楽しいことをしているときでも体が動いている限り、エネルギーは消耗し続けているからです。「ダラダラしたい」と思うのは、それだけ体が休息を欲していて「休ませて〜」というサインを出している証拠でもあることを知っている人は多くはありません。「ダラダラしている」というと聞こえが悪く、罪悪感が伴うけれども、それは「脳と体を積極的に休めようとしている」能動的な行動。無理に動こうとせず、自分の体とこころから発せられる”声”に耳を傾けて、週末にしっかり休んでいる彼は実に素晴らしい!と感心せずにはいられませんでした。

これらの3点、こうやって見てみると結構当たり前のことで、しかも簡単なことですよね。でも、この当たり前で簡単なことを当たり前にするということほど難しいことはないと思います。この新入社員の彼は、ごくごく当たり前のことを意識することなく実践していたようですが、真の意味でストレスに強いという人は、弱音を吐かない人や何事も気合い論で乗り切ろうとする人でもなく、彼のように客観的に自己を見つめ、体やこころの声をしっかりと受けとめることができる人ではないかと思った次第です。

これは新入社員に限られた話ではありません。
「私はどうだろう?」とご自身を振り返る時間をつくってみることをオススメします。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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