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我が家の猫が教えてくれたこと

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

みなさんはペットを飼われたことはありますか?

私自身は大学生の頃、留学先のカナダで猫を飼ったのが自分でペットを飼った初めての経験でした。それがちょうど20年前のこと。外出が多かったので1匹では寂しいかも…と思い、その1年後にもう1匹の猫を飼うことにしました。大学卒業後は、その2匹と共に帰国し、最初の猫は16年間、2匹目の猫とは18年間の時間を共に過ごしました。

私が今の自宅に引っ越したのは3年前。当時実家で一緒に生活をしていた2匹目の猫を一緒に連れてきても良かったのですが、図体こそデカいのに相当なビビリちゃんで、16歳というお爺ちゃん猫だったこともあり、実家に預けて週に1回顔を見に行くという生活を繰り返していました。そんな彼も昨年の10月、18歳で他界しました。

以来、私はどのタイミングで、また猫を飼おうか…ということを真剣に考えていましたが、その時期はアッサリとやってきました。7月下旬、市内で開催されていた保護猫の譲渡会にたまたま足を運んだ際、1匹の子猫が私の目に留まりました。その子は、同じケージにいる他の2匹が元気いっぱいにはしゃいでいるのに、その2匹に踏んづけられても、蹴られてもジーッと同じ姿勢でおとなしく座っていました。その姿がいじらしくて、こころをすっかり奪われてしまったのです。ただ、その日はパートナーが仕事で地方にいたため彼女に会うことができず、即決には至りませんでした。

その翌週にパートナーとの猫ちゃんのお見合いをセッティング。同じケージにいたオス猫も一緒にきてのお見合いだったのですが、預かりボランティアさんのお話を聞いていたところ、この2匹はいつも一緒に遊ぶ、いつも一緒に寝る…という大の仲良しさん。そんな話を聞いてしまったら引き離すことはできず、気づいたら「じゃぁ、2匹一緒に…」と返答していました。

そんな2匹が、この前の日曜日の夜に我が家にやってきました。
じゃーん、我が家のニューフェイス、リオ(♂、手前)とルナ(♀、奥)です!

日曜日はさすがに新しい環境で慣れていなかったせいもあっておとなしかったのですが、翌日にはリビングで追いかけっこをしたりと元気いっぱい!文字通り「猫をかぶっていた」感じです(笑)。慣れるまでは夜はケージの中で過ごしてもらおうと捕まえようと試みるも、すばしっこく、しかも手の届かないところに隠れてしまう2匹。1時間半ほど汗だくで格闘しましたが、私の方がギブアップ。それが全ての始まりでした。

夜行性ということもあって、私がベッドに入った1時間後の午前1時頃から、彼らは活動を再開!馬でも走っているんじゃないか?と思うくらいの勢いでドタバタと走り、じゃれあってはドタンバタンと倒れる音が自宅中に響きわたる。そして、1匹が視界からいなくなると、あたかも「こっちだよ〜!」とでも言ってるかの如く、もう1匹が大声で鳴くという繰り返し。1〜2時間くらいしたら疲れて寝るだろう…と思っていたのですが、これが大誤算。この大運動会は明け方4時半くらいまで続いたのでした。当然、私は一睡もすることができずに夜明けを迎えたのです。

彼らをようやくケージの中に入れることができた後に私も横になったのですが、すぐに目が覚めてしまいました。なぜならば、私の頭の中では「こんな日が毎日続いたら、どうしよう!?」「寝不足が続くと、仕事もできなくなっちゃうではないか?」などの脳内トーク(これについては下記の関連記事をご参考ください!)がぐるぐる繰り返され、不安や後悔の念にかられていた脳は完全な覚醒状態だったからです。

20年ぶりの子猫の子育て。「こんなに大変だったっけ?」と戸惑いながらも、「20年ぶりということは素人同然!わからないことは聞いてみよう!」と預かりボランティアさんのところに電話を入れ、我が家に来る前までの彼らの様子などの情報収集や考えられる対策などについて助言をいただきました。話を聞いてもらったり、情報をもらったり、自分では思いもつかなかった対策方法を教えてもらったりすることができ、電話を切るときには不安や後悔は大分落ち着いていました。そんな私の気持ちも知らずに、スヤスヤ気持ちよく寝ている2匹(苦笑)。

そんな彼らを見ていたとき、ふとカナダ留学時代のホームステイ先のホストマザーに言われた言葉が頭をよぎりました。「Yuka、相手を変えることはできないの」。

ホストマザーの言葉の中にある「相手」というのは、もちろん人間を指しているのですが、言語を通してコミュニケーションができる人間でさえ変えることができないのですから、猫に変わってもらおうだなんて、到底不可能ですよね。ただし、自分の考え方や捉え方、行動次第では、制御不能だと思っていた自身の感情のコントロールはできるはず…と、途端に客観的かつ冷静な考えが頭に浮かんだのは職業柄ですね。

「まあ、大運動会になったときは、無理に寝ようとはせずに一緒に起きてブログ記事でも書きためよう!時間の調整は、しようと思えばいくらでもできるものなのだから」

そう思えた途端、「これからどうなるんだろう?」という悲観的な脳内トークは払拭され、不安や後悔の気持ちがスーッと落ち着いていくのが、自分でもハッキリとわかりました(ある意味、これはセルフカウンセリングのプロセスですね)。

他人を変えることは不可能なことであるにもかかわらず躍起になって変えようとして、空回りしたり、イライラしたりして、必要以上にエネルギーを消耗してることは、自分が気づいていないだけで、案外多いと思います。他人は変えられないけれども、自分(の思考)が変わることで、自分の感情を変える(コントロールする)ことができる。つまり、気持ちを平穏に保つことが可能になるんです。

忙しい日々の中で忘れかけていたシンプルながらも大切なことを、我が家のニューフェイスたちに教えてもらったような気がします。この2匹とのこれからの生活の中で、どんなことを教えてもらえるのでしょうか?我が家のニャンコ先生の今後の活躍に期待しています。

関連記事:「わたしの中の『脳内トーク』

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臨床心理士  向 裕加

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