疑ってみて、その脳内トーク!
札幌大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。
ようやく夏がやってきたー!ということで、早速今日はこれを解禁。
オフィスの近くの丸井今井の1階にあるビーラボさんのソフトクリーム。
暑いせいか、てっぺんが溶けてきちゃっているので、急いで食べました。
相変わらずの美味しさです。
期間限定の店舗なので、まだの方は急いで行ってください!
北海道の夏は短いですよ〜。
さて、話は全く変わるのですが、先日お風呂に入っている時、
何の気なしに小学生の頃のことを思い出していました。
私は何か欲しいものがあると、よく母に
「クラスのみんなが持ってるから、買ってよ~」
とせがんでいたのですが、母は必ずと言ってよいほど、
「クラスのみんなって、誰? 名前言ってごらん?」
と私に言うのでした。
私は、
「Aくんでしょ、Bちゃんでしょ?Cちゃんも、Dくんも持ってるよ!」
と答えるのですが、小学生の私を相手に母は
「それで全員? おねえちゃんのクラス、何人いたっけ?」
と容赦なく切り返してくるのです。
私たちは団塊の世代の子どもでしたので、小学校~高校までは
1クラスに45人くらいの生徒がいて当たり前の時代。
4人くらいの名前を挙げたどころで「ほら、みんなじゃないでしょ!」
と母が納得できないのも無理はない、と今なら思えるのですが
当時は「うちの親は、なんでこうも物分かりが悪いんだ!」
と思っていたのは、ここだけの秘密です(笑)。
この「みんなが…」というのは、心理学では「過度の一般化」と呼ばれています。
あるエピソードであったり、極々限られた経験であるにもかかわらず、
それをあたかも「一般的に起きていること」であるかのように決めつけることです。
キーワードは、「いつも…」、「みんな…」、「絶対に…」。
「大事なときに、いつも私は失敗してしまう」
「みんな、私のことが嫌いなんだ」
「なにをやっても絶対にダメだ!」
頭の中にこんな脳内トーク(自動思考)が浮かんできた経験をお持ちの方は、
大勢いらしゃるのではないかと思います。
これは一種の「考え方の癖」。
そして、この考え方の癖が「落ち込み」や「絶望感」などの
嫌な感情を引き起こしている原因でもあるのです。
でも、この脳内トーク、果たしてこれは真実なのでしょうか?
「大事なときに、いつも私は失敗してしまう」
でも、毎回失敗している訳ではないですよね?
「みんな、私のことが嫌いなんだ」
あなたのことを嫌っている人は、具体的には誰ですか?
「なにをやっても絶対にダメだ」
やってみないとわかりませんよね?
100%絶対…というのはあり得ないものです。
小学生の頃の私の「みんなが持ってるから」というトークに、
母が「みんなって、一体、誰?」という厳しいツッコミを入れたように、
ひとつひとつ丁寧に自分の脳内トークを検証してみると、
それが妥当ではないことが徐々にわかってきます。
そして、それが単なる自分の「思い込み」であることがわかると、
「落ち込み」や「絶望感」はゼロにはならなくとも、
少しは緩和されてくるのを経験することができます。
心理療法のひとつである「認知行動療法」では、
この脳内トーク(自動思考)のパターンを把握し、
その自動思考の妥当性をひとつひとつ検証していきます。
そうすることで、自分の感情をコントロールする
スキル(技術)を身につけていくことをひとつの目標としています。
「いつも失敗する」ではなくて「失敗したことがあった」。
「みんなに嫌われている」ではなくて「〇〇さんには嫌われている」。
「絶対にダメだ」ではなくて「前にダメだったことがある」。
少し言い換えるだけで、大分、雰囲気が変わってきますよね?
「いつも」「みんな」「絶対に」と言い切れるだけ、
世の中の全てを見ることができている人はいません。
限られた出来事を拡大解釈している自動思考に支配され、
人生をエンジョイするチャンスを見失ってはいませんか?
もし、「いつも…」「みんな…」「絶対に…」などの
脳内トークがあなたの頭の中の多くを占めているのであれば、
そろそろ頭の中の整理整頓をした方が良いかも知れませんね。
「わかってるんだけど、ひとりじゃなかなか片付けられないんだよね~」
と思っていらっしゃるようでしたら、当オフィスまで気軽にご相談ください。
あなたの頭の中の整理整頓、喜んでお手伝いさせていただきます。
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カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士 向 裕加