ブルックリン
札幌大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。
昨日のブログでの私のぼやきが天に届いたのか、今朝は快晴の札幌!
湿度もそれほど高くなく、爽やかな風がとても心地良いですよね。
出勤途中には大通公園で、久しぶりに高校の同級生に遭遇!
お互いの近況報告かねて、ほんの少しの時間だけど立ち話をエンジョイ。
そして、今日はSTVさんでお仕事だったのですが、
STVさんへ向かう途中には、小中の同級生に遭遇!
こんなにバッタリが続く日は珍しく、とてつもなくラッキーな気分になれました。
さて、本日のブログでは、久しぶりにオススメ映画をご紹介したいと思います。
今回の私のオススメ映画は「ブルックリン」という映画。
(画像はお借りしました)
ニューヨークといえば、私たちが想像するのはマンハッタンという地区ですが、
ブルックリンはニューヨーク市の5つの区のうちのひとつで、
近年はオシャレなエリアとして目覚ましく発展している注目のエリアです。
今年の4月にニューヨークを訪問した際、私はこのエリアに宿泊していたのですが、
未だに赤レンガで作られた古い家が並んでいて、風情ある風景がそこにありましたよ。
これはマンハッタンとブルックリンを結ぶブルックリンブリッジ。
歩いて渡ることができます。オススメの散歩コースですので、
ニューヨークへ行った際には是非歩いて渡ってみてください!
さて、私自身はブルックリンに行ったばかりということもあって、
この映画「ブルックリン」の公開を心待ちにしていました。
アカデミー賞ノミネート作品ということもあって、
かなり期待をして観に行ったのですが、期待を裏切らない良い作品でしたよ。
ネタバレになってしまうのでストーリーの詳細に触れることはしませんが、
若いアイルランドの田舎町に住むエイリシュが、故郷に家族を残し、
単身でニューヨークはブルックリンへと移住する…ということを中心に、
ストーリーが展開されていきます。
時代や境遇は異なりますが、16歳の頃の自分と重なることが多くて、
その頃の自分を思い出しながら観てしまいました。
私は、16歳で初めて異国の地を踏みました。
単身で異国へ渡り、1年間そこに住むという選択をしたのは
紛れもなく私自身だったのですが、何もない田舎町で、
ろくに言葉も通じない、そして、友だちがひとりもいないところで
生活をするということは、想像していた以上に心細く、大変なことでした。
エイリシュが故郷のアイルランドに住むお姉さんからの手紙を読んで、
ホームシックになって毎日のように涙を流すシーンを観て、
私も日本から届くたくさんの手紙を読んでは涙を流しながら
暮らしていた日々があったなぁ…ということをついつい思い出してしまいました。
留学は私が両親の反対を押し切ってまで選択したことだったはずなのに、
10月下旬のある日、札幌の母と電話で会話をしていたとき、思わず電話口で
「帰りたい」と涙ながらに弱音を吐いてしまったことがありました。
すると、しばらくしてから電話の向こうから、
母のすすり泣きが聞こててくるのです。
それまでは母は母なりに一生懸命こらえていたようですが、
私が弱音を吐いたことで母も堪えきれなくなったようで、
「あなたがそんなことを言ったら、私までダメになってしまう…」
と母に泣かれてしまったのです。
母が泣いているのを見た(聞いた)のは、それが初めてのこと。
驚いたと同時に、「このままじゃいけない」、そう強く思いました。
荒波の中で溺れかけていた私を救ったのは、母のこのひと言でした。
劇的に何かが変わったかといえばそうでもないのですが、
毎日をがむしゃらに過ごしていたような気がします。
でも、がむしゃらに生きていたら、徐々に言葉もわかるようになり、
私を理解しようとしてくれる友だちも少しずつできるようになり、
1年が終わろうとしている頃には、「このまま、ずっとここにいたい」
と思えるほどに、私の高校生活は楽しいものに変化していました。
自分がどこで、どのように生きていくか?
それを選択する力は、自分に委ねられていること。
そして、選択したことに対する責任も自分にあること。
全て自分次第なのだ。そんなことを痛感した1年間でした。
エイリシュが迷ったり葛藤したりしながらも、
自分で人生を選択し、自らが下した決断を大切に守っていく過程の中には、
自分自身の本当の気持ちと向き合い、たとえそれが辛い決断になろうとも、
自らの生き方を選び抜いてこそが「生きること」であり、
「自分の人生」なのだという彼女の「覚悟」がそこにあったと思いました。
私は、そんな彼女の「覚悟」に深い共感を覚え、
帰り道に映画のシーンを思い出しては、
涙を止めることができませんでした(夜で良かった!)。
内気で自信がなさげな田舎育ちの少女が、しなやかながらも凛として、
芯の強さがある成熟した女性へと変化を遂げていく姿を
ポエティックに映し出した「ブルックリン」。
情緒溢れる1950年代のニューヨークの街並みの美しさや
レトロながらも洗練されたニューヨーカーのファッションも素敵で、
ニューヨークという街やファッションが好きな方にも
楽しんでもらえる映画だと思います。
7月1日(金)に公開されたばかりの注目の映画なのですが、
札幌ではシアターキノでしか上映されていないのが非常に残念!
期間もかなり限られてくると思いますので、
興味のある方は早めに劇場に足を運んでみてください。
カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士 向 裕加