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「あきらめる」ことの大切さ

札幌大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

昨日に引き続き、今日も夏日の札幌ですね。
朝から気温も上がっていたので、
今朝はこんな感じ⤵︎で朝ランへ行ってきました。
(爪が剥がれてしまったり、死んでしまったりしていて
 見苦しくて大変申し訳ありません!)
これはワラーチというランニングサンダル(?)です。
今日初めてこれを履いて走ってみました。
なんといっても、足元が涼しくて病みつきになりそうな開放感!
足元だけでなく、気持ちまですっかり開放的になってしまいました。
北大の農場では羊たちがのんびりとお食事中。
街のど真ん中に広がる北海道ならではの自然あふれる風景に癒されました。

さて、私が走りはじめるようになったのは5年前のことなのですが、
マラソンをするようになってから、私は「あきらめる」ことを覚えました。

「えっ!?マラソンをするんだったら、あきらめたらダメなんじゃないの?」
私のこんな発言に対して、このブログを読んでる方はそう思っていませんか?

先日応援に行ったサロマ湖100kmマラソンの大会でも、
沿道やゴール直前で「あきらめるな〜!」という言葉で
ランナーを激励している人は大勢いましたし、
私たちは日頃から「あきらめたら、負け」「あきらめたら、そこで終わりだ」
などといったように、物事を最後まであきらめないことの大切さを強調しています。
ですから、「あきらめる」という言葉に対しては、
ネガティブなイメージを抱いている人の方が圧倒的に多いと思います。

そんなネガティブなイメージのある「あきらめる」という言葉ですが、
このような意味合いで使われるようになったのは最近だとご存知でしたか?
私も、つい最近知ったばかりなのですが、本来「あきらめる」という言葉は、
「明らかに真実をみる」「本当のことを知る」という意味で、
真理を悟るという意味の力強い言葉なのだそうです。

「あきらめる」の本来の意味を知って、私は「なるほど」と思いました。
そして、私がマラソンを通して「あきらめる」ことを覚えたことも
私にとっては、とても大きな意味を持っていたのだと納得できたのです。

幼い頃から、私は負けず嫌いな人間でした。
上手にやりたい、結果を残したい、他の人には負けたくない。
だから、失敗したり、結果を残せなかったり、他の人に負けてしまったときは、
落ち込んだり、悔しがったり、恥ずかしい気持ちでいっぱいになっていました。
そして、「もっと頑張らないといけない」「今以上の努力が必要だ!」と
自分で自分にプレッシャーをかけては苦しくなっていました。

元々走ることは嫌いでしたし、苦手意識も強かったのですが、
こんな私なので、走り始めたら走り始めたで、上手く走りたい、
結果を残したい、他の人に負けたくない…と思うようになりました。

自分なりに練習も重ねました。でも、思うように結果が出ないのです。
そして、私よりも走歴が短い人に先を越されては、ショックを受ける。
そして、「もっと、もっと頑張らないとダメなんだ!」と思っているうちに、
楽しかったはずの走ることが、苦行にしか思えなくなった時期がありました。

「あれ、私は、何のために走っているのだろう?」

そんな自分への問いでハッと我に返った私は、こう思ったのです。

「走ることが元々苦手だったんだし、昔から走るのが速かったわけではない。
 人によって得手不得手があるんだし、素質の有無もある。
 私は元々走ることに関しては素質がないんだから、
 速く走れるのにも限界があるだろうし、多分時間もかかると思う。
 嫌いだった「走ること」が好きになっただけでも十分だし、
 20年前の自分が今の自分を見たら『頑張ってるよね!』と思う。
 そもそも、全てのことにおいて「負けない」とか
 「上手くやる」こと自体が不可能なんだから!」

そう思えた途端、肩から力が抜けました。
今となってそのときのことを振り返ると、
まさにこの瞬間に「あきらめる」ことを覚えたのです。
「速く走ることができない自分」という真実を見て、
そんな自分を受容できたのだと思うのです。
そうしたら、自然と「もっと頑張らなくちゃダメ!」
というプレッシャーからも解放されました。

だからと言って「どうでもいいや〜」と思っているわけでは、決してありません。
速く走れなくとも、自分が努力できる範囲に関しては努力はしていますし、
自分で設定した目標に向かって、自分なりに頑張っています。

でも、世の中には努力したところでどうにもならないことがあるのも事実です。
努力すること、頑張ることが無駄なことだと言っている訳ではありません。
努力しても頑張っても、コントロールできない部分があるという現実
能力の伸びしろにはある程度の限界が存在するという事実を受け入れることも、
努力することと同じくらい大切なことだと思うのです。

「あきらめる」ことを覚えたら、一度は苦行にしか思えなかった
走ることが、また楽しく思えるようになりました。
自分の目の前にあるその「楽しさ」を大事にしたら、タイムが縮みました。
目標とするところまではまだ届いていませんが、達成感と自信が手に入りました。

目標やゴールに向かって「努力する」ことと
「あきらめる」ことのバランスを上手にとることができたとき、
人は最高の力を発揮することができるのではないでしょうか?

「こんなに頑張っているのに、結果が出ない」と悩んでいるのでしたら、
一度「あきらめる」勇気を持ってみてはいかがでしょう。
試してみる価値はあると思います。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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