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こころを可視化するエゴグラム

札幌大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今日の札幌は久しぶりに爽やかな青空が広がりましたね。
出勤するとき、時計台の前を通ってきたのですが、
木洩れ陽がとても綺麗で気持ちよかったです。
そして、時計台の周りではたくさんの小学生が
時計台の絵を熱心に、そして楽しそうに描いていましたよ。

さて、先週アップしたブログ「心理検査で『汝自身を知れ』」で、
チラッと東大式エゴグラム(TEG)という心理検査をご紹介させていただきましたが、
今日はそのTEGについて、もう少し詳しくご紹介させていただこうと思います。

エゴグラムは交流分析と呼ばれる心理学の理論に基づいて開発されました。
TAでは「これが自分である」という「これ」に相当する”自我状態”を分析し、
人の「こころのバランス」を把握しようと試みています。

TAの「自我状態分析理論」では、人は”5つのこころ”を
使い分けていると考えられていて、その5つは以下の通りです。

① Critical Parent (CP)(批判的な親)
  「厳しいお父さん」のイメージ。
  「こうあるべき」と理想を掲げたり、「どうしてできないのだ!?」と叱ったり、
   物事を判断するための基礎となる価値観や理想、考え方が特徴。

② Nurturing Parent (NP) (保護的な親)
  「優しいお母さん」のイメージ。
   面倒を見てあげたり、優しく接したり、支援的な立場で相手に接する傾向が特徴。

③ Adult (A)(大人)
   冷静に、そして、客観的に物事を把握したり情報を整理したりして、
   ”いまここ”で自分は何をすべきなのかを判断する「大人のようなこころ」。
   コンピューターのように感情に流されないで、冷静に情報を扱うのが特徴。

④ Free Child (FC)(自由な子ども)
  「天真爛漫でやんちゃな子ども」のイメージ。
   直感や欲望に素直な発言や行動、豊かな喜怒哀楽の感情表現が特徴。

⑤ Adapted Chiled (AC)(順応した子ども)
   褒められたい、叱られたくない「いい子ちゃん」のイメージ。
   言われたことをちゃんと聞く、周囲に合わせるというのが特徴。
   (言われたことに対して腹を立てる反抗的な態度も特徴に含まれる)

この5つのこころのバランスを客観的に知る方法が「エゴグラム」なのです。

エゴグラムは、この5つをそれぞれ数値化して、
それを棒グラフと折れ線グラフを用いて可視化することができます
こころは目に見えないものだけに、可視化させることで、
自分を客観的に、そしてより良く理解することに役立ちます。

エゴグラムの優れているところは、それだけではありません。
この可視化された「こころのバランス」は、
その人の「普段の行動傾向」が反映されています。
つまり、こころのバランスを把握することで行動傾向を把握することができる
そして、そこにパーソナリティを変えていく手掛かりが隠されているのです。

先日、社会人1年生の若い女性の方にTEGをフィードバックする機会がありました。
その方はACが極端に高く、人の顔色を窺ったり空気を読んだりしては、
周囲に合わせたり、黙ってしまったりする傾向が強く出ていました。
しかし、社会人1年目ということで、早く社会に順応しなければならないと、
頑張っているこの時期特有の一過性の可能性も否めないので、
「普段から周囲に合わせることが多いですか?」と訊いてみたところ、
やはり、以前から周りに合わせたり、友人たちの意見を
優先させてしまうところがある…ということがわかりました。
そして、彼女自身もそんな自分に窮屈さを感じており、
変わりたいと思いながらも、どうして良いか分からずにいた…とのことでした。

彼女の場合、FCが相対的に低かったため、
そのFCを上げていく行動を意識的に生活の中に取り込むことを中心に、
今後のカウンセリングを進めていくこととなりました。
(これはFCの数値を上げることで相対的にACの数値が下がるからです)
実際のカウンセリングはこれからなので、彼女がどう変化するかはわかりませんが、
少しでも彼女が自分らしくなれるよう、私もしっかりとサポートしていこうと思います。

TEGを用いて自分自身の「こころのバランス」を知ることで、
自分の得意なことや苦手なこと、よくとる行動や口癖、
考え方や物事の捉え方の特徴などを理解することができます。
5つのこころのどれを高めると「なりたい自分」に近づくのか。
TEGはそのヒントやコツも教えてくれるでしょう。

他人を変えることはできませんが、自分を変えることは可能です。
その自分の変化がストレスを減らし、コミュニケーション能力をアップさせ、
人間関係の改善に繋がる可能性は十分に考えられます。

エゴグラムで「こころを可視化」して、変化を楽しんでみませんか?

興味/関心がある方は、是非お問合せください。
→ お問合せ

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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