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魔法の言葉「頑張って!」にはご注意を!

札幌大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向です。

日本人なら必ずと言って良いほど一度は使ったことがある
「頑張って!」「頑張ります!」という言葉。
かくいう私も、何度も使ったことがあります。

何の気なしに使っているこの言葉ですが、
暗黙の了解としてあることが前提になっているのを
みなさんはお気づきでしょうか?

「頑張って!」や「頑張ります!」は、
私たちが相手に”期待する姿”や
自分が自身に対して”理想とする姿”が
基準になっているという前提があります。
つまり、「今のままでは不十分ですよ」
というメッセージも潜んでいるのです。

応援するつもりで「頑張って!」と言ったとしても、
相手は
「こんなに頑張っているのに、
 まだ『頑張って!』て言われても…。
 どうしたら良いんだろう?」
と途方に暮れるかも知れませんし、
「まだまだ努力が足りないんだ!
 認めてもらえるためには、
 もっと努力しなければならないんだ!」
という思い込みにとらわれて、
自分自身の限界以上の無理をするかも知れません。

「頑張ります!」という言葉を発する人の多くは、
既に一生懸命努力してきたのにもかかわらず、
今までの自分の頑張りにOKを出せていません。
というのも、誰からもその頑張りについての
ポジティブなフィードバックを受けてこなかったからです。

「頑張って!」とか「頑張ります!」という言葉には、
人を奮い立たせたり前向きにさせたりする力があるのは事実です。
しかし、その一方では、人を「こうならなくてはならぬ」という
思い込みやイメージに陥れる力がある魔法の言葉でもあるのです。
ですから、この言葉を使うときには注意が必要です!

もし、相手の変化や成長を心底望んでいるのであれば、
「頑張って!」とその人の未来に基準を置くのではなく、
まずは「よく頑張ってるよね!」と現在に基準を置いて
「いまここ」にいるその人を認めることからはじめてみて下さい。

アメリカの心理学者マズローは、
人間が自分の能力を引き出し、創造的な活動をしていくために
必要とされる自己実現欲求が生じるためには、
その前段階である「承認欲求」(他者から認められたい)が
充足される必要があることを説いてます。
承認欲求が充たされることで自己受容が促進され、
それが変化や成長、つまり自己実現へと自然に繋がっていくのです。

「頑張って!」よりも「よく頑張ってるよね!」。
ちょっとした違いが、大きな違いを生み出します。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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