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女同士の人間関係が難しいワケ

札幌大通にあるカウンセリングオフィス プログレスです。

今日はオープン前の事務所で一仕事をしていたところ、
高校の先輩でありラン仲間でもある男性が事務所を訪れてくれました。
サプライズの訪問はとても嬉しいもので、
しばらくの間、楽しくおしゃべりをさせていただきました。

このように私たちは人との繋がりに喜びを覚える一方で、
人間関係の難しさに頭を抱えることが多いのも事実です。
殊更、男性よりも女性の方が、同性間での人間関係の
難しさに悩むことが多いのではないでしょうか。

やけにグループで行動することを求めたり、
「敵」「味方」を作りたがったり、
他人と比較しては「自分は自分。他人は他人」
という区別をつけることが苦手だったり… etc.

このようなことは男性の間ではあまり見かけない現象だけに、
「どうして?」と首を傾げたくなることもありますが、
この背景を精神科医の水島広子先生は、
著書『整理整頓 女子の人間関係』の中でこう説明しています。

“もちろん時代は変化してきていますが、伝統的に、
 そして未だに一般的な傾向として、
 女性は「男性から選ばれる性」です。
 かつての女性は自力で社会的地位を築くことなどは考えられず、
 「どの男性に選ばれるか」によって社会的地位が決まっていました。(中略)
 「女」の特徴の一つである、「すぐに他人と自分を比較する」
 「他人に嫉妬する」というのは、「選ばれる性」であることに由来します。
 誰かが選ばれるということは自分は選ばれない、
 誰かがほめられるということは自分はほめられない、
 という相対評価の世界に生きているからです”

女性ファッション誌では「愛される美人のメイク」とか
「嫌われない人の話し方」とか「これが男性ウケする彼女服」
…etc.のタイトルの特集がたくさん組まれています。
どれも「〜される」という受動態の表現が使われていることからも、
未だ、女性は「選ばれる」という受動的な立場に
置かれていることがわかります。

女性が他の女性の悪口を言うときは、
大抵、自分にはないものを相手が持っているときです。
自分がないものを相手が持っているということは、
相手が「選ばれる」可能性が高く、
自分が「選ばれる」可能性が低いということ。
選ばれないということは自尊心が傷つくので、
その傷は最小限に食い止めたいところ。
正攻法で勝つ自信はないので、
相手を悪く言うことで足を引っ張ろう
という心理が無意識のうちに働くのです。

グループ行動も然り。
「独りでいるということは、誰にも選ばれなかったこと」と
「選ばれる性」の女性は、独りでいることをそう捉えがちです。
あまり居心地が良くなかったとしても、
それほど仲が良いと感じなかったとしても、
とりあえずグループにいることで
「選ばれた」ことに安心感を覚えるのでしょう。
でも、他の人に合わせたり、自分の気持ちとは
裏腹な行動をしたりするものは、やはり窮屈なもの。
そのギャップに悩んでいる女性も少なくないはずです。

では、どうしたら良いのでしょうか?

一つめは、自分の問題と相手の問題の境界をハッキリさせ、
必要以上は相手にしないこと。

他人が嫉妬からあなたの悪口を言っているのは、
大抵の場合、あなた自身の問題ではなく、
相手の問題であることがほとんどです。
悪く言われることは気分の良いことではありませんが、
それに反論したり、相手を無視したりすると
相手の問題に巻き込まれ、余計なパワーを
そこに注ぎ込むことになるので要注意。
必要最小限のコミュニケーションを取りつつ、
やるべきことを粛々と行い、必要以上は関わらない。
そして、時々は他所で毒を吐く機会を設けましょう!

二つめは「相手からどう思われるか?」よりも
「自分がどうしたいか、自分は何が好きか、
 自分は何が欲しいか」を考えて、
 自分の価値観を意識的に大事に扱ってみましょう。

「独りでいること=選ばれなかった」わけではありません。
私たちは男女に関係なく、主体的に且つ能動的に
決断することができる力を持っています。
独りでいることを自ら「選ぶ」ことができるのです。

グループで行動する人たちを否定する必要はありません。
異なる考えを持ち行動する人がいることを尊重しつつ、
主体的な決断を下し、自信を持って行動してみることで、
自分が自分らしくいられる時間と空間を
手に入れることができるでしょう。

自分らしくいられる人は、生き生きとしています。
逆説的かもしれませんが、結果として
「好かれる」「選ばれる」という現象が起きるはずです。

いくつになっても難しいとされる女性同士の人間関係。
その背景を理解することで、少しは付き合いやすくなると良いですね。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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