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「変わりたいけど、変わりたくない」の2つの理由

札幌大通のあるカウンセリングオフィス プログレスの向です。

カウンセリングは、カウンセラーとの対話を通して
行動やパーソナリティの変容を促すプロセスです。
ですから、カウンセリングを希望される方は、
何かしら「自分を変えたい」と望んでいますが、
その気持ちとは裏腹に「変わること」への抵抗から
カウンセリングを受けることを躊躇される方も少なくありません。

「変わりたいけど、変わりたくない」

それには2つの理由が考えられます。

⓵ 変わることでアイデンティティが揺るぐのでは?と不安

  例えばですが、自信のない人が自信をつけて
  堂々とした人間になりたいと願っているとしましょう。
  イメージとしてはドラえもんに出てくるのび太くんみたいな人でしょうか。

  アイデンティティとは簡単に言い換えると「自己認識」のこと。
  自分が「自身をどのように捉えているか?」ということになります。
  のび太くんが自身を「臆病者」だと捉えているとすると、
  その「臆病者」という特徴が、自分を構成する一要素となる訳です。

  そんな「臆病者」の自分を変えてしまうということは、
  自分の一部を失うことでもあり、その一部が失われることで
  トータルとしての自分(アイデンティティ)のバランス保てるか
  どうかわからない状態に陥ってしまう危険性もはらんでいます。

  そうなると「変わること」への不安が生じ、
  その不安が「変わること」への行動を阻んでしまうことがあるのです。

② 変わること=過去の自分を否定すること…という思い込み

  例えば、そろそろ結婚したいと思っているのに、
  なかなか結婚に踏み切ることができない人がいるとしましょう。
  結婚へのその一歩が踏み出せないのは、
  相手を心から信頼することができないから。

  他者をなかなか信頼できない背景には、過去に誰かに
  裏切られたり傷つけられたりした経験があります。
  不信感を抱く人は、基本的に他人に近づこうとしません。
  近づくことがなければ、傷つけられることもない。
  例え、傷つけられたとしても被害を最小に食い止めることができる。

  不信感は自分を守るための大事な感情である一方で、
  人と距離を置くことで生じる孤独や寂しさといった
  感情がセットで生じるのも特徴です。
  不信感が強い人は、この「孤独や寂しさ」を
  ずっと我慢して今までやってきているのです。

  ですから、その不信感を手放すということは、
  その人にとっては、今までの我慢や努力が水の泡になってしまうこと。
  つまり、今までの自分自身を否定することでもあるのです。

  誰も自分自身の努力や我慢を否定したくないもの。
  となると、変わることよりも変わらないことを
  無意識のうちに選択してしまうのです。

「変わりたいけど、変わりたくない」
「カウンセリングを受けてみたいけど、何だか怖い」

矛盾する気持ちの間で揺れ動くことは、ごくごく自然なことだと思います。

「臆病者」でありながらも「堂々とした自分」を付け加え、
バラエティーに富んだアイデンティティを再構築していくことは可能です。

そして、「不信感」という感情には、
かつて自分を助けてくれたということに感謝しつつ、
今の自分のライフスタイルやニーズには合わないので
「もういいよ〜」とお引き取り願うことができれば、
今までの努力や我慢、自分自身を否定する必要もありません。

変化を遂げた後の自分や人生は、どんな感じですか?
そのイメージが、変わることへの勇気を後押ししてくれるとイイですね。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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